[ 時事随想 ]
 合掌 おはようございます。

「納豆がダイエットに効く」としたテレビ番組の内容にデータねつ造があったと報道されていますね。

朝日新聞社の当該記事

 我が家では妻が納豆好きで以前から食べているのですが、最近急に店頭で売り切れが続くようになったといいます。調べてみると、上記テレビ番組が原因で全国的に納豆ブームが起きていると分かり、妻はぶつくさぼやいていました。そこにこの報道というわけで、妻は「ほら、やっぱり」という顔をしています。納豆産業にはこの数週間の消費動向の激変は打撃だったと思いますが、本当の納豆ファンはこれで一安心かも知れません。

 健康産業というものがあれだけの規模で成立するほど、健康は私たちにとって重大な関心事です。ですから、テレビや本で「これが効く!」とアナウンスされた時に、雪崩を打つように誰もがそれに飛びつくことを、安易に笑うことはできません。真正でない報道をした制作側が一方的に責められるべきことは当然です。けれど、それでもなお、私たちはこの出来事を教訓として私たち自身の心の動きに目を配るべきだと思うのです。

 椰子の実が落ちた音を地面が壊れる音と勘違いした兎が森の動物たちをパニックに巻き込んだ仏教説話は、以前にご紹介したことがありますね(平成十七年三月二十五日「心穏やかに真実を見つめる」)。何が事実か、何がそうでないのか。心を強く揺り動かす演出によってデコレートされた情報の、真実の姿はどこにあるのか。仏教の基本は正見と正思惟、事実を正しく観察し正しく思考することです。それは決して容易なことではありません。繰り返しますが、私たちは誰もが情報に右往左往してしまう性質を持っているのです。今は他人を笑っても、別の瞬間には誰かに笑われているかも知れない。その事実を理解するならばこそ、身の回りの「情報」を冷静に検証し、自分自身の中に沸き起こる感情を見つめ、言動への配慮を行うことを少しでも心がけたいものです。

 今日も良い一日でありますように。再拝