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もと北京駐在員、大手 「総合商社」 の第一線 「営業マン」 が書く。得意の語学のコツや 「海外出張奮闘記」 から、歴史雑学いっぱいの辛口時評まで。都会派らしい切り口の政策提言も。

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2008/08/26

<国際派時事コラム>上海万博に「表現の自由」はありや?

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◆■■■国際派時事コラム「商社マンに技あり!」■■■◆
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     上海万博に「表現の自由」はありや?


■■■■第237号■■平成20年8月26日発行■■■◆




 巨大な「租界」のスポーツイベントが終わった。

 政治権力の強制力によって一般民衆をシャットアウトし、
観客席の人々をも徹底的に規制管理することで成り立った、
おそらく最初で最後のオリンピックだった。

 閉会式の途中で次の五輪開催地ロンドンの紹介プログラム
に変わった瞬間、まとわりつく煩わしさから開放されたよう
な爽快感があった。


■ 錦の御旗は何を残したか ◆


 オリンピックが何を残したか。

 国際交流の思い出? 中国人の誇り? 
 秦の始皇帝が建てさせた阿房宮(あぼうきゅう)のような
施設群?

 すべてピント外れだ。

 いまどきの中国に「国際交流」の機会など、たんとある。
 誇るものに事欠く民族でもあるまい。

 急造の建物群は全土に林立している。


 オリンピックが残したものは、なにか。

 それは五輪期間中の安全確保を錦の御旗にして、数万名単
位で増強された公安要員らだ。

 武装警察の最新装備。
 何十万台もの監視カメラ。


≪この急速に膨れ上がった治安機構が既得利権を守るために
は、「共産党の敵」を根こそぎにすることが至上命令なのだ
と宣伝につとめることだろう。

「共産党の敵」が本当に「敵」なのかなど、もうどうでもい
いのだ、彼らには。≫

 8月22日付の『ウォールストリート・ジャーナル』紙で、
香港在住の中国政治研究家 Willy Lam 氏が 的確な指摘をし
ていた。


■ 観客なしでも成立するか…… ◆


 五輪の期間中、「チベットの自由」への支持をはじめとし
て、およそ中国共産党が嫌う表現行為は

「オリンピックに関係ねぇだろ」

という理由で厳しい取締りの対象となった。

 けっこう毛だらけ、ネコ灰だらけ。

 極論すれば観客なしで、選手と役員だけが競技場で記録を
競っても何とか成立するのが、オリンピックである。


 万博は、そうではない。

 あらゆる「自由な表現」こそが万博だ。

 そして観客こそが万博の主役である。
 観客のないところに「表現」はないから。

 オリンピックの観客席に集う中国人を選別し規制したよう
に、2年後の上海万博でも中国共産党は、入場する中国人を
限定し、監視役をこれでもかこれでもかともぐりこませる策
に出るだろうか。

 平成22年の5月から11月、きっとそういう中国を目(ま)
のあたりにする。


■「文明がもたらす自由」から遠い国 ◆


 万博の展示館で「民主選挙」や「宗教の自由」についての
展示を行うとき、中国共産党は世界中をあきれさせるような
因縁をつけて規制をしてくるだろう。

 根性のあるプロデューサーなら、ぎりぎりの挑発に悲しい
悦びを見出す。

 おそらくそういう万博史上初の異常な祭典になるだろう。

 表現の祭典であるはずの万博で、表現を発する側にも受け
る側にも鬱陶しい規制がかけられ、上海万博という存在その
ものが「中国の異常」の表現体として歴史に記憶されるだろ
う。

 中国で開催される商品展示会やコンサート、遊戯イベント
は星の数ほどある。
 だが、万国博覧会は単なる見本市でもお笑い藝でもない。

 万博こそは、文明がもたらす自由の祭典であるべきこと、
そして、その開催国として目下の中国がいかに不適切かを、
我々は遠からず知らされることだろう。


===


▲ 後記 ▼

   
  さいきんのコラム子のブログ記事から ――



生産に貴重な真水を大量消費する 「バイオ燃料」 の非道さ  
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200808130000/

 トウモロコシから燃料用のエタノール (エチルアルコー
ル) を作るのにつかう水の量を知って、たまげた。

 米国エネルギー省によると、1リットルのエチルアルコー
ルをトウモロコシから作るために 2,000リットルの水が必要
だ。

 植物を育て、得られる植物油を加工して1リットルのディ
ーゼル油をつくるためには、5,000リットルから10,000リッ
トルの水が必要だ。

 

中国共産党 報道規制の作戦変更
http://plaza.rakuten.co.jp/yizumi/diary/200808180000/

 中国共産党による報道統制の手法が、より巧妙になってき
ているらしい。

 ネット社会ではニュースを隠そうとしても漏れ広がる。

 そのなかでなおニュースを隠しつづけていると、報道統制
をやっていること自体が目立ってしまう。

 そこで、マイナスのニュースも官製メディアの記者にある
ていど詳しく報道させ、ポータル・サイトなどにもこの掲載
をゆるす作戦に出た。

 官製報道を流せば「共産党は情報を隠そうとしている」と
いう批判は免れる。

 その一方で、ブログや掲示板の書き込みのほうはしっかり
規制を続けて、マイナス情報から生じる「炎上」は阻止する
という作戦だ。


==


<泉 幸男 著>


   『中国人に会う前に読もう  第一線商社マンの目』 

『日本の本領(そこぢから)  国際派商社マンの辛口メモ』

               通 信 販 売 も 受 付 中
         http://homepage2.nifty.com/sai/mart/


==

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