風のひとり言――俊吉郎のメディアウォッチ
■――――――――――――――――――――――――――2008/05/15―■
「風のひとり言――俊吉郎のメディアウォッチ」vol.80
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今週の--- mini index ---
★前書きのひとり言「新緑の季節にて」
★風のひとり言……「時代の閉塞感とマスコミの責任」
★後書きのひとり言……「気になるうつ病の増加」
□■□ 前書きのひとり言 □■□---------------------------------------
「新緑の季節にて」
ゴールデンウィークの始まる前は、とにかく黄金週間までに発信しないとい
けないナなどと焦っていたのですが、アッという間に束の間の休みも過ぎてし
まいました(相変わらずの自堕落な日々でした)。そこでここに至ってやっと
発行できることになったと、例のいい訳の再送です。恒例のことながら、いつ
も間隔が空いてしまっていることをお詫びしておきます。
さて、もう5月。そしてちょうど半ばの15日となりましたが、今日は私の誕
生日です。記念すべき日ということで、こうしてコラムを書くことも至上命題
となりました。エッ? いくつになったかって? 50ン歳ですね。もう世間の
定年時期までもそう長い時間が残されているわけではないというところでしょ
う。実際には、私には定年はないわけですが……。
ただ、大した感慨もないですな。若い頃には「自分は30歳までには必ず死ぬ」
と固く信じておりましたから、こうして生き延びていることも不思議ですし、
後年はグダグダと好き勝手にやってきたことを多少の反省とともに振り返って
おります。しかし、人間というのは持って生まれた性分というのがありますし、
幼い頃からの感覚というのはかなり濃厚に人生を規定しますから、まぁ半分は
運命であり半分は後年の環境というものが、一つの道筋を引いていたのかもし
れません。非常に楽しくできたことは、何人もいる友人と家族のおかげと感謝
しています。
何が言いたいのかよく分かりませんが、要はここまで来られたことを感謝し
たいということ。人生のさまざまな要因の中でも、健康というのは恐らく一番
大事な因子でしょう。頭の中身と身体の一部(下の方)は極めて不健康なもの
の、どうも親は丈夫に産んでくれた部分があるらしく、以前通っていた足裏マ
ッサージの先生からも「内臓が大変に丈夫。親に感謝しなさい」と言われたこ
とさえありました。だから、努力を怠ってしまうところもあるのでしょうな。
地球環境のことがことさらに言われるので、余計にというか5月の新緑がま
ぶしく感じられるところがあります。ここ1週間は大分気温が下がってしまっ
たものの、やはりこの季節が一番気持ちがいいですね。爽やかな風とともに陽
光を浴びるときに、人生の喜びというか「生きているんだな」という実感を感
じます。ただでさえ、人の生命が軽んじられるようになってしまった世の中に
いて、自らの人生を振り返ることは、そのままこの世の生きとし生けるものへ
の感謝につながっていくのではないかと思っています。
□■□ 「風のひとり言」その80□■□-----------------------------------
「時代の閉塞感とマスコミの責任」
この行き詰まり感は一体、何なのか?
中国・四川省でのマグニチュード7・8にも及ぶ大地震は、極端に言うと地
球という宇宙船(この世)の終わりを予兆させるようにも感じられます。日本
での今年中の大地震を予測する占い師もいるらしいので、東海地震のエリアに
いる身としても何とも気になるところですね。
さて、日本の社会状況の方はというとどうなっているのでしょうか。ついこ
の間、ガソリンの値段がほぼ25円下がったと思ったら、暫定税率の復活ととも
に一気にはね上がり、もう160円を超えたといったところ。当初から分かっ
ていたこととは言っても、この経緯をどのように評価すればいいのかというの
は、かなり難しいところがあります。茶番と言えばそうでしょうし、一時でも
値段が下がったことは参院での民主党優位による政策への実効力の賜物、と擁
護する人も中にはいるかもしれません。
改正道路財源法が逆転成立、建前上は現在の道路特定財源が今後10年間維持
されるとする国会の動きもそうでしょう。野党は一般財源化の約束に矛盾する
ものとして、これを強く非難しますが、与党は予算の執行や交付金の配分にメ
ドをつけるためのものとしているので、ここで議論が噛み合う余地はあまりな
いようにも思えてしまいます。
また、民主党がこれからの国会論議の焦点にしたいとしている「後期高齢者
医療制度」にしたってそうだと思えますし、来年から始まる裁判員制度にして
も同じような懸念が常に影を落としているのではないか。説明不足という欠陥
です。一体、ここまで問題になっている後期高齢者制度にしても、2年前の医
療制度改革法案の成立によって一応は広報されているのですし、なぜここに至
ってここまでの反発を受けるのかという点が、筆者としても気になるところな
のです。その背景に関して少し考えてみたいと思います。
メディアはきちんと
記事にしたのだろうか
確かに、先の医療制度改革はさまざまな法案が提出されていましたし、例の
メタボ健診などと同様で「何となく聞いたような気はするが、それがどのよう
なものであるかの実感はなかった」というところが国民のホンネなのかもしれ
ません。ただ、そうなると余計に、2年間もの間マスメディアは何をやってい
たのかが問題になるでしょう。制度の欠陥部分にもし気づいていたところがあ
るのなら、それを分かりやすく説明し、啓発するのがメディアの役割であるこ
とは論をまたないハズです。
同じことは裁判員制度についても言えるのではないでしょうか。このことは
ブログ(下記URL参照)にも書きましたので、さらに詳しく申し述べること
はしませんが、私は法律の成立当初からこの制度は「何かがオカシイ」と強く
感じていました。それこそ、知らされていないという点では、先の高齢者保険
以上のものがあると感じています。とにかく、アッという間に決まってしまっ
たものなのです。
米国型の陪審制とは少し違うものの、普通の全く一般の方々が、殺人や強盗
といった凶悪犯罪の証拠調べや量刑にまで関わるという現実。こうした重たい
制度改革について、事前に十分な広報がなされたことは全くに記憶にないので
すが、どうでしょうか?
ことほど左様で、マスコミが確かに現象面に追われてしまう、まだ始まって
もいない新しい制度に対しアレコレと論評・批判することの難しさは分かりま
す。しかし、それにしてもと言うのか最近の調査報道の目立たなさ、権力者へ
の批判が通り一遍のもので終わっている現実への、かなりの危うさのようなも
のを感じます。石原銀行と言われた新銀行東京の不良債権問題なども、知事の
進退問題にまで当然結びつくべきものと、個人としては信じているのですがそ
うはなっていない(都庁クラブの体たらくは改めて問題にしたいところです)。
こうした閉塞感ばかりでなく、もしマスメディアが本来の責任を果たしてい
ないとすれば、一連の問題に対する国民の非難の矛先は、メディアに向けられ
ても決してオカシクないと思うところが正直な気持ちです。
もう現場には頻繁に足を運んでいないので軽々には言えませんが、一般の人
と話をするとマスコミ批判が私らの想像を超える勢いで次々に吐き出されます。
この辺は、マスコミ人は重く受け止めるべきではないでしょうか。閉塞感に満
ち、見通しの持てない世の中であるからこそ、マスメディアの持っている反権
力、弱者救済の性向は強く発揮されてしかるべきだと思うのです。少し力み過
ぎかもしれないひとり言ですが……。
□■□ 後書きのひとり言 □■□----------------------------------------
「気になるうつ病の増加」
先日、古くからの知り合いである精神科医のK先生と話をしました。病院の
研修旅行で海外をご一緒した仲なのですが、前回会ったときからするともう12、
3年ぶりになります。年賀状のやり取りだけはしている交友関係でした。
ちょっとした取材の絡みで協力をお願いするつもりでした。ところが、実際
にはお目当ての課題に対しては「詳しくない」ということで、話はもっぱら思
い出話と世間話に。趣味の釣りの話なども熱心にして下さったのですが、大変
に印象深かったのは話にあった「最近は若い人のうつ病が急増している印象が
ある」とのコメントでした。
「若い人、ついこの間までは30代のSE(システムエンジニア)がほとんど
だったものが、ここ2、3年は20代の人が目立つ。とくに女性が多いようだ」
とK先生。
その背景といった点にも話が及んだのですが「どうですかね、やはり生きに
くい世の中なんでしょうね」と溜め息を漏らす一方、「我慢ができないという
か、ちょっとしたことですぐに落ち込んでしまうところが確かにありますね」
といった話もありました。この辺は、自分も同じように感じるところがあるの
で「恵まれ過ぎることによって、強さといったものが失われてきているのかも
しれませんね」と相槌を打ったところです。
それにしても、うつ病も複雑に絡んでくる自殺の多さにも言葉を失います。
特に最近は例の硫化水素による自殺が一種の社会現象となり、その勢いがとど
まることがないことも、非常に残念に思うところです。
そうか、今の世の中に「生きるに値しない」と考える人がこんなにも多いの
でしょうかね。楽に死ねさえすればと考える若年層がここまで多いことに、私
個人としてもショックを受けて言葉を失うとしか表現が浮かびません。
ただ、私も大きなことは言えませんね。若い人を非難できるだけの人間とし
ての強さがあるわけでもなく、私自身が非常に打たれ弱い人間なのですが、幸
いなことに辛さよりも楽しかったことが勝った人生だったことを神に感謝して
おります。友人に恵まれたことの意味も、かなり大きかったという気がしてい
ます。
個人的感想は赦していただきたい(今日は誕生日でもあるので)のですが、
最近の金欠病の状況と怠惰性肥満症の継続、多少のうつ傾向と子育ての悩みな
どを勘案すると、私などももっともっと落ち込んで自問自答を繰り返してもい
いのかもしれません。しかし、そうならずに済んでいるのは、一重(ひとえ)
に家族や友人のおかげだと思っています。人の和やコミュニケーションの大切
さを思います。
これからは、機械技術の時代ではなく人づきあいの時代ではないでしょうか
ねぇ。まったく。
美しき五月の汗を拭わずに(鷹羽狩行)
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