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2005/03/23

ILO駐日事務所メールマガジン 【No. 34】

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    ILO(国際労働機関)駐日事務所マガジン
     2005年3月23日号 No. 34

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:::::::::::<目  次>:::::::::::::::::::::
:《1》数字で見る国際労働基準(2005年3月11日現在)::::::::::::
:《2》ILO駐日代表雑記−国際女性デーに寄せて::::::::::::::
:《3》ILO駐日事務所お知らせ−ILO開発援助セミナー ほか:::::::
:《4》ILO新聞発表−第292回ILO理事会 ほか:::::::::::::
:《5》新刊紹介−障害者の機会均等法ガイドライン ほか:::::::::::
:《6》ILO事務局ニュース−3月の新刊 ほか:::::::::::::::
:《7》トピック解説−地域会議:::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

□■□■□■ 数字で見る国際労働基準 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□
                           (2005年3月11日現在)
 ◇加盟国数...178*       ◇日本の批准条約数.........46
 ◇条約の数...185(うち撤回5) ◇加盟国の平均批准条約数......41
 ◇勧告の数...195(うち撤回36) ◇OECD諸国の平均批准条約数...71
 *)2005年3月7日にサモア独立国が加盟

□■□■□■ 堀内光子ILO駐日代表雑記 □■□■□■□■□■□■□■□■□

         ★ ☆ 国際女性デーに寄せて ☆ ★

 国連諸機関が東京で合同して「国際女性デー(3月8日)」を祝ったのは、今年で
4回目です。元国連女性の地位向上部の職員として、大変うれしく思います。今、世
界の多くの国がこの日を祝日と定め、盛大な行事を行っています。国連が「国際女性
デー」を祝い始めたのは、1975年の国際女性年が契機です。同年、メキシコシティで
初の世界女性会議が開かれました(1995年の北京での世界女性会議は第4回でした)。
 歴史的にこの日は、社会主義と女性のための仕事上の権利に深く関わっています。
1908年にニューヨーク市で、15,000人の女性がパレードをした翌1909年、アメリカ
社会主義宣言が出され、これが、この日の始まりといわれています(もっとも当時は、
2月28日でした)。アメリカでの当時の運動は、仕事に関わる権利、職業訓練、職業
上の差別に大きな焦点が当てられていました。1911年に140人以上にものぼる死者
(イタリア系、ユダヤ系移民女性の工場労働者)を出したニューヨーク州の工場火災
は、アメリカの労働法に影響を与え、翌年の国際女性デーでは、劣悪な労働条件の改
善への訴えが中心的問題でした。第一次世界大戦中は戦争反対と女性たちの連帯が大
きな問題でしたが、20世紀前半の課題は、女性の権利と参政権と言っても過言ではな
いでしょう。
 私自身と国際女性デーとの関わりは、私と国連との関わりの核とも言えます。20年
前は国連職員として、10年前は国連を相手とする外交官として、5年前はILO職員
として、インドネシアでの会議開催と重なったこともあり、労働大臣もお招きしての
女性リーダーとの会合を持ちました。日本に帰国して日本で最初に行われた国際女性
デーは、あいにくアフガニスタンのタリバン崩壊後の最初の国際女性デーのお祝いに
出席して留守にしていました。しかし、アフガニスタンでの行事は、各国のメディア
も駆けつけ、タリバンに壊された映画館であった建物で祝賀会が行われ、アフガン女
性警官もスピーチした感動的なものでした。
 今年の3月8日は、私も「女性、開発、国連」と題する短いプレゼンテーションを
行いました。1970年終わりに登場した「女性と開発(WID)」の課題は、公正と効
率双方から女性を単なる開発からの受益者でなく、開発の担い手という概念とアプロー
チを確立しました。私の話は、国連の政策の進展と、今年の9月、レビューが行われ
るミレニアム開発目標を中心とするものでした。女性が開発の担い手としての十分な
役割を果たすための「女性のエンパワメント」の必要性と、全ての政策、プログラム
に関わるジェンダー(男女の社会的に構築された差異)の主流化(ジェンダーを全政
策、プログラムの主流に据えること)の重要性がカギとなるメッセージでした。女性
は貧困層の多数を占めており、教育レベル、職業で男女の格差はまだまだ大きいもの
があります。こうした女性の実態に目を向けたプログラムを進めなければなりません。
ほんの少しのマイクロ・クレジットとトレーニングで収入を得ることができ、自らば
かりでなく家族の生活を改善することができた女性たちが開発途上国には少なからず
おり(ほとんどの女性はきちんとローンを返済しています)、経済的にエンパワした
女性たちが、政治的な場でも発言できるようになったケースがこれまた少なからずあ
ります。私の経験からも「女性と仕事」は、ジェンダー平等にとって中心的な課題で
あり、女性も男性もディーセントな仕事を得ることの重要性を再確認した今年の「国
際女性デー」でもありました。

□■□■□■ ILO駐日事務所お知らせ □■□■□■□■□■□■□■□■□■
◆◇ILO駐日事務所求人情報:期限付きジュニア・コンサルタント募集◇◆
 ILO駐日事務所では、2005年3月後半から6月17日の期間、翻訳、資料作成、展
示会の開催準備などの作業を手伝っていただける期限付きのジュニア・コンサルタン
トを募集しています。応募締切:3月25日。

★応募要項----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/pers/index.htm#jc

◆◇ILO駐日事務所インターン募集:技術協力担当◇◆
 ILO駐日事務所では、2005年4月初旬から週3〜5日で4〜6ヶ月間程度、IL
Oの技術協力活動に関係する情報収集及び資料の翻訳・作成、セミナー開催準備等を
業務内容とするインターン(無報酬)を募集しています。応募締切:3月31日。

★応募要項----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/pers/index.htm#jc

◆◇ILO第2回開発援助セミナー:
  草の根レベルの仕事と健康づくり(東京・2005年3月31日)◇◆
 ILO駐日事務所第2回開発援助セミナーとして、UNハウス5階エリザベス・ロー
ズホールにおいて、「草の根レベルの仕事と健康づくり−開発援助の視点から−」と
題するセミナーを開催します。ILO東アジアサブ地域事務所(バンコク)の川上剛
労働安全衛生上級専門家(医師)が基調講演を行うほか、草の根レベルの健康づくり
分野でご活躍しておられる日本の専門家の方々をパネリストに、ジェンダーの視点を
交えたパネルディスカションも行います。入場無料。

★ILO駐日事務所第2回開発援助セミナー(プログラム及び申込用紙)----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/downloads/c20050331.pdf

 ※PDFファイルをご覧になるためにはAcrobat Readerが必要です。
  お持ちでない方は、こちらからダウンロードしてください。
  http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep.html 

◆◇ILO駐日事務所ウェブサイト新設ページ◇◆
<インド洋地域の地震・津波に対するILOの復興事業特別ページ>
 2004年12月に発生したインド洋地域の地震・津波に対し、ILOが実施している事
業の情報をインドネシア、スリランカの2カ国を中心に掲載しています。随時、最新
情報を加えていく予定です。

★インド洋地域の地震・津波に対するILOの復興事業----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/tc/tsunami.htm

<国際労働基準日本語訳>
 国際労働基準(条約・勧告)日本語訳の電子版を作成中です。結社の自由・団体交
渉権、強制労働・児童労働の廃止、雇用・職業上の差別の除去に関する基本8条約に
ついては、批准国数、国名も掲載予定です。2005年中のなるべく早い時期に完成させ、
皆さまのお役に立てればと思っています。

★国際労働基準日本語訳----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/list.htm

★ILO駐日事務所からのお知らせは、What's Newページをご覧下さい----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/new/index.htm#information
★ILO会議・行事予定----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/conf/index.htm

□■□■□■ I L O 新 聞 発 表 □■□■□■□■□■□■□■□■□
                        (2月23日〜3月22日発表分)
◆◇2005年2月23日(水)発表ILO/05/11◇◆
◆◇2005年3月3日(木)発表ILO/05/14◇◆
★第292回ILO理事会(ジュネーブ・2005年3月3〜24日)

 主な議題は以下の通りです。
<ミャンマー>
 ミャンマーの強制労働問題に関しては、2月21〜23日に同国を訪れた非常にハイレ
ベルのチームの報告書をもとにした審議が理事会最終週に行われます。チームは強制
労働の撤廃に向けたミャンマー当局最高レベルの姿勢を評価し、この点に関し、IL
Oと協力を続ける決意があるかどうかを見極めるために同国を訪れました。しかし、
チームの見解では、理事会によって付与されたこの任務を十分全うできるだけの会談
日程が組まれていなかったため、労働大臣及び首相との会談の際に、技術レベルでこ
れ以上議論を深めても意味がないとの姿勢を明らかにした上で、その時点で訪問を切
り上げて出国しました。チームは出国前に外務大臣に対し、理事会でこの案件が審議
されるまで、さらなる展開に向けて扉は開かれていると指摘してきました。理事会で
は、チームの報告書に加え、ILO事務局の報告書及び何らかの最新の情報を考慮に
入れた上で審議を行い、適当と考える何らかの結論を導き出す予定です。
 チームが、明確にすべき点としているのは次の4点です。
◎ 国防省に対し、その指揮下にある全ての部隊に向け、強制労働を行わないよう求
  める指令を再度発行することを要求する1/99号令補足令の規定に実効性を持たせ
  る公開行政指令を、国家平和発展評議会(SPDC)の権限あるレベルから発行
  することとその十分な広報
◎ 軍に関連する申立てを扱う軍部ハイレベル・フォーカルポイントの任命と共に、
  調整役の確定を含む強制労働に関する合同行動計画の合意事項に関する当局の意
  思の再確認
◎ ILOとの連絡を担当するリエゾンの移動の自由に関する当局の意思の再確認
◎ 重反逆罪に問われた2人の人物に与えられた大赦をILO事項に関連して有罪判
  決を受けたもう1人にも与えることや、昨年11月の理事会で明らかになった深刻
  な強制労働事例の信頼できる解決を含み、強制労働に関する苦情を申し立てる可
  能性についてミャンマー人民に信頼感を構築するような追加的措置の行使
 ILO事務局長の任命により、ミャンマーを訪れた非常にハイレベルのチームは、
ニニアン・スティーブン元オーストラリア総督(団長)、ルート・ドライフス元スイ
ス連邦大統領、チョン・エイヨン韓国国会議員(前ILO理事会議長)の3名から構
成されています。
<グローバル化>
 理事会のグローバル化の社会的側面作業部会では、グローバル化の社会的側面の強
化に向けた理念をILOが具体的に押し進める方法に関する提案が検討されます。成
長、投資、雇用といった事項に関し、関係多国間機関の間で政策の整合性を図ること、
グローバル化政策フォーラムの開催、グローバル経済における変化に対する構造的な
調整を労使の安全保障と結びつけることに関する政策開発対話、その他ILOの使命
の枠内にある優先分野について諸理事の見解が表明される予定です。
<2006/07年度ILO事業計画・予算案>
 地元レベル及び国際レベルのプログラムを通じて「全ての人にディーセント・ワー
クを」というILOの目標を支えることを目指した2006/07年度の事業計画・予算案
が検討されます。提案される予算案の事業レベルにおける支出水準は現行年度と同等
ですが、機構面の緊急投資ニーズと臨時項目用の特別引当金を設けることによって全
体としては現行予算比4.3%の微増を示しています。理事会の審議をもとに、今年6月
に開かれるILO総会に提出される事業計画・予算原案が策定されます。
<その他>
 理事会ではこの他に、結社の自由委員会の開催や、2002年のILO総会で採択され
た決議に沿ってILOの活動方式全体で政労使の三者構成主義と社会対話を強化する
努力の検討などが行われる予定です。

新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2005/11.htm
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2005/14.htm
第292回ILO理事会(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/standards/relm/gb/docs/gb292/index.htm

◆◇2005年2月25日(金)発表ILO/05/12◇◆
★2005年児童労働反対世界デー:テーマは鉱山及び採石場における児童労働

 ILOは2002年より、6月12日を児童労働反対世界デーとして、この問題に対する
注目を喚起し、児童労働、特に最悪の形態の児童労働の撤廃に向けた世界的な動きに
脚光を当てる日としてきました。4年目を迎える今年の世界デーは、鉱山及び採石場
で働く子どもたちに焦点を当てることが決定されました。
 ILOの推計によれば、小規模の鉱業や採石業で働く子どもの数は世界全体で約100
万人に達し、生命を失う危険や、負傷その他の健康問題を被る危険のある想像しうる
限り最悪の条件下で働いています。鉱山の地下及び地上において、しばしば鉛や水銀
といった危険有毒物質が存在する水中などの環境で、子どもたちは重い荷を運び、爆
薬をセットし、砂や泥をふるい分け、狭いトンネルをはいずり回り、有害粉じんを吸
い込みながら、長時間にわたって働いています。アフリカのダイヤモンド、金、貴金
属、アジアの宝石及び岩石、南米の金、銅、エメラルド、スズといった鉱山で児童労
働が見られます。世界各地に位置する採石場でも子どもたちは、重量物の運搬、有害
粉じん・粒子の吸入、危険な工具や破砕装置の使用から生じる安全・健康上の危険に
さらされています。
 モンゴル、タンザニア、ニジェール、南米アンデス諸国でパイロット・プロジェク
トを行ったILOの児童労働撤廃国際計画(IPEC)の経験から、鉱業及び採石業
に携わる地域社会が法的権利を獲得し、協同組合その他の生産単位を組織化し、成人
労働者の健康及び安全性並びに生産性を高め、しばしば僻地にあるこういった地域に
学校、清潔な水、衛生設備といった必要不可欠なサービスを確保することを助けるこ
とによって、危険な状況にある児童労働の撤廃は可能なことが示されています。
 6月にはジュネーブでILOの総会が開かれますが、6月12日当日及びその前後に
は、世界各地でこの日を記念する行事が行われ、小規模鉱山及び採石場から児童労働
を即刻なくす必要性が強調されることが期待されます。

新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2005/12.htm
IPEC(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/standards/ipec/index.htm

◆◇2005年3月3日(木)発表ILO/05/13◇◆
◆◇2005年3月8日(火)発表ILO/05/16◇◆
★スペインのフアン・カルロスI世及びソフィア王妃のILOご訪問

 スペインがILOの児童労働撤廃国際計画(IPEC)に支援を開始してから今年
で10年目になることを記念し、3月8日にソフィア王妃と共にジュネーブのILO本
部を訪れた同国のフアン・カルロスI世国王殿下は、ILOの政労使理事などを前に
特別演説を行い、グローバル化のプロセスに人間的側面を与える努力の一環として、
活発な児童労働対策を求めました。「世界全体で2億 4,000万人を超える子どもたち
が学校に行く代わりに毎日働いている」とした後、殿下は、児童労働は子どもの健康
教育に悪影響を与えるだけでなく、何よりも子どもたちの最も基本的な権利、尊厳
と自由を侵害しているとし、強く糾弾し、なくしていかなくてはならないと訴えまし
た。そして、児童労働の根幹にある貧困は児童労働を実際、強制労働に変化させると
し、IPECのような事業を通じて、経済のグローバル化を世界中の人々にとってプ
ラスの社会的な力とするよう寄与していきたいとの希望を述べられました。
 スペインは1995年にILOと覚書を交わし、中南米を中心にILOの児童労働撤廃
努力を支援してきました。ソマビアILO事務局長は、このスペインの協力は、IP
ECが10万人以上の子どもたちを最悪の形態の児童労働から救い出し、教育の場に復
帰させることを可能にした上、所得水準の向上によって生活の糧を子どもの労働に依
存しなくてもよくなった家族の数は3万5,000世帯を下らないと評価しながらも、児
童労働撤廃の道のりはまだ長く、今日の少年少女が、明日にはまともで人間的な仕事
であるディーセント・ワークに従事する男女に成長するよう、活動を続けていかなく
てはならないとしました。

新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2005/13.htm
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2005/16.htm
IPEC(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/standards/ipec/index.htm
国王演説原文(西語)----->
http://www.ilo.org/public/spanish/bureau/dgo/speeches/somavia/2005/spain-king.pdf
国王演説訳文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/dgo/speeches/somavia/2005/spain-king.pdf

◆◇2005年3月4日(金)発表ILO/05/15◇◆
★ILOの国際女性の日イベント(ジュネーブ・2005年3月8日)

 2005年の国際女性の日(3月8日)に際し、ジュネーブのILO本部では「カメラ
の後ろの女性たちに焦点を当てて」と題する円卓討議(3月8日)と国際映画祭(3
月4〜10日)を開催しました。1987年にハリウッドで制作されたベスト作品100本の
制作スタッフ中女性はわずか3%でした。16年後の今日でも、この割合はわずかに1%
増えただけです。円卓会議では、フランスのクレール・ドゥニ監督とインドのパメラ
・ルークス監督の2人の女性監督から、映画産業における男女平等と女性の役割など
についての話を聞きました。「ショコラ」、「パリ、18区、夜。」などの作品がある
ドゥニ監督は、暴力と圧迫のルールに則って人生を構築している男性の力に焦点を当
て、移民やエイズ患者など疎外されている人々や社会から放逐された人々の悲哀に同
情と理解を示す作品を作り続けています。テレビ向けの時事的ドキュメンタリー番組
の制作から出発したルークス監督には、1994年に制作した、カシミールの政治情勢が
人にとって持つ意味を考えたドキュメンタリー「Turmoil in paradise(楽園の混迷)」
などの作品があります。3作目の長編「Dance like a man(男のように踊る)」で
高く評価され、その傑出した独創力によって、ニューヨークでも賞を受けたほか、
2003年のインド最優秀英語映画賞を受賞しました。
 昨年に続き2回目となる第2回国際映画祭は、取り上げられることの少ない社会問
題に焦点を当てた女性監督の作品を世界各地より集めました。「女性と仕事」という
総合テーマに加え、児童労働、グローバル化、仕事における安全と健康、ディーセン
ト・ワークといったILOに関連するテーマを取り上げた作品の上映も行われました。
 日本でも3月8日に、東京都渋谷区のUNハウスにおいて在日国連機関が共催で第
4回目となる公開フォーラムを開催しました。北京で開催された第4回世界女性会議
から10年目に当たる今年のフォーラムは、「しなやかな女性を目指して〜女性とエン
パワーメント 過去・現在・未来」をテーマに、この10年間の成果と課題、そしてこ
れからの社会について話し合いました。広中和歌子参議院議員は、自らの生き方・経
験を披露しながら、女性のエンパワメントについての基調講演を行いました。堀内光
子ILO駐日代表は、パネリストの1人として、「女性、開発と国連」と題するプレ
ゼンテーションをミレニアム開発目標も踏まえて行いました。3月8日〜4月22日に
は、UNハウス1、2階で写真展「A Day in the Life of Africa」が開かれてい
ます。

新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2005/15.htm
ILOの国際女性の日イベント(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/event/women/2005/index.htm
日本の国際女性デの日イベント----->
http://www.unu.edu/hq/japanese/use/event/2005/8mar05form.pdf

◆◇2005年3月11日(金)発表ILO/05/17◇◆
★サモアの加盟でILO加盟国数178に

 去る3月7日、ILOはサモア独立国より、トゥイラエパ・サイレレ・マリエレガ
オイ首相名で、同国がILO憲章の義務を正式に受諾する旨を記した書簡を受領しま
した。ILOの規定では、国連の加盟国はILO憲章の義務の受諾をILO事務局長
に通知することによって加盟国となることができます。1976年12月15日から国連に加
盟しているサモアは、これにより2005年3月7日にILOの第178番目の加盟国とな
りました。

新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2005/17.htm
ILO加盟国一覧----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/about/ilo.htm#members

★ILO新聞発表の日本語概要----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/new/index.htm
★ILO新聞発表(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/index.htm

□■□■□■ 新 刊 紹 介 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
◆◇「障害者の機会均等法ガイドライン
   Achieving equal employment opportunities for people with 
   disabilities through legislation: Guidelines」◇◆
   英語 2005年刊 88pp. 2,500円

 全世界では人口の約10%に該当する6億以上の人々が何らかの障害を抱えています。
障害者はどの国にも存在しますが、その3分の2以上は開発途上国に住んでいます。
 障害そして貧困と社会的排除には否定できないつながりがあります。障害者が機会
均等を受けられないことがその根本原因のひとつになっています。労働市場等におい
て障害者は健常者に較べて不利であったり、差別されていることを示す十分な証拠が
あります。
 労働市場において障害者の機会均等を前進させるための法律は各国で異なります。
各国で障害者のニーズに向けた法律が起草されるときに、留意すべき点は、他の法律
との関係、使われる用語、樹立される規範の内容、適用範囲及び施行と遵守を促すメ
カニズムの形成などです。
 国際人権法、ILOの国際労働基準、各国労働法に則り、各国は障害者が労働市場
での機会均等の権利を享受できるよう最善を尽くさなければなりません。それには、
この権利の狙いを徐々に達成する国家戦略をとる必要があります。この戦略は協定、
条約、規約などの国際・地域文書に盛り込まれている国際人権法と労働法に沿ったも
のでなくてはいけません。
 本ガイドラインは障害者と労働に関する法案の起草者を対象にしたポイントと解説
から成り立っています。ほかにも、障害を持つ男女の機会均等を推進する団体も視野
に含まれています。ガイドラインはILO労働基準、既存のILO労働法ガイドライ
ン及びその他の国際労働・人権文書を参照しています。これらの法律を施行するため
のさまざまな政策手段を解説し、仕事の世界で障害者の権利を認めることの重要性が
触れられています。
 本書の内容は、「1章:ガイドラインの目的と理論」、「2章:障害者法制の最近
の動向」、「3章:非差別法制」、「4章:雇用割当」、「5章:実施計画」、「6
章:法案起草と政策」、「7章:法の施行」、「8章:主要ポイントのまとめ」から
構成されています。

書籍等購入方法----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/publ/index.htm
駐日事務所資料室新着図書一覧(2005年2月分)----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/publ/new.htm 

★オンライン無料出版物★
◆◇「移行の管理:ディーセント・ワークのためのガバナンス
   Managing transitions: Governance for decent work」◇◆
   英語 2005年刊 112pp.

 去る2月に開催された第7回欧州地域会議に討議資料として提出された事務局長報
告の第2部に当たる本書は、1)グローバル化、統治(ガバナンス)、調和の取れた経
済社会開発、2)生涯雇用のカギとして再び若者に焦点を当てる、3)欧州労働市場にお
ける柔軟性、安定性、安全性の調和、4)権利を基盤に人の移動を管理する枠組みの強
化、5)高齢化、労働市場への参加、年金改革の5章構成で、学校から仕事への移行、
職場・職種間の移動、国家間の移動、フルタイムの雇用から引退への移行といった、
人がその労働生涯で直面する四つの重要なターニング・ポイントについて、欧州の現
状や取られている諸策を紹介した後、円滑な移行に向けた方策とは何かを探っていま
す。就業率、労働力率など若者の主要労働市場指標、平均勤続年数、外国人労働者と
自国労働者の失業率の違い、平均引退年齢など豊富な図表も盛り込まれています。焦
点は欧州ですが、先進国としての共通点を有する日本にとっても関連のある内容になっ
ているといえます。

報告書本体(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/standards/relm/rgmeet/7erm/dgrepvol2.pdf
第7回欧州地域会議(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/event/budapest/index.htm

□■□■□■ I L O 事 務 局 ニ ュ ー ス □■□■□■□■□■□
                    (ILOウェブサイト新着情報等より)
◆◇出版局◇◆
★3月の新刊
 3月のILO新刊書及び女性労働、ジェンダーに関する最近の書籍を特集紹介。

3月の新刊(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/support/publ/intro/

◆◇図書館・情報サービス局◇◆
★児童労働統計データベース
 ブラジル、カンボジア、インドなど50以上の国・地域で集計されている児童労働に
関する統計へのリンク集。

児童労働統計データベース(英語)----->
http://www.ilo.org/dyn/clsurvey/clsurvey.home

◆◇児童労働撤廃国際計画◇◆
★児童労働情報リソース・センター
 児童労働撤廃国際計画(IPEC)が保有する児童労働に関する出版物、報告書、
ワーキング・ペーパー、ガイドライン、マニュアル、パンフレット等がご覧になれ
る検索可能データベース。

児童労働情報リソース・センター(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/standards/ipec/publ/index.htm

◆◇国際労働基準局◇◆
★国際労働基準データベース(ILOLEX)新着情報
 ILOの条約・勧告の原文、条約別・国別批准状況、適用監視機構の意見等、国
際労働基準に関するあらゆる基本情報が含まれるデータベースに、条約・勧告で定
義されている用語を検索できる機能、2005年条約勧告適用専門家委員会報告書の
データが新たに加わりました。

ILOLEX(英語)----->
http://www.ilo.org/ilolex/english/index.htm

◆◇渉外・パートナーシップ局◇◆
★世界社会開発サミットから10年
 国連の社会開発委員会は、10年前に開かれた世界社会開発サミットのさらなる実
施について再検討し、2005年2月11日に世界社会開発サミット10周年の宣言を全会
一致で採択しました。2005年9月に開かれる国連総会で行われるミレニアム宣言実
施の見直しとの関連でサミットの成果を取り上げ、70以上の政府が発起人となった
宣言は、公平、平等、安全、尊厳といった条件の下で、働く上での基本的な権利と
原則を伴う完全雇用、自由に選択できる雇用、生産的な雇用を目指す雇用戦略を開
発戦略の根本的な要素とすべきことを再確認しています。

世界社会開発サミット10周年宣言(国連文書・英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/exrel/events/wssd/e-cn-5-2005-l-2.pdf
ILOと世界社会開発サミット背景文書(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/exrel/events/wssd/csocd-copenhagenplus10.htm

◆◇行政審判所◇◆
★第98期決定集
 ILO行政審判所では、ILOその他同審判所の管轄下にある約40の国際機関の
職員から提起された処遇上の不満を処理しています。2005年2月に閉廷した第98開
廷期では、職場のいじめなどに関する52件の申立てについて判断が下されています。

行政審判所第98期決定集(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/tribunal/lastsesn.htm

◆◇欧州連合・ベネルクス諸国事務所◇◆
★ルクセンブルク/ILO共催労働監督統合システム会議(モンドルフレバン・
2005年3月9〜11日)
 ルクセンブルク政府は2005年前半に欧州連合(EU)閣僚理事会議長国を務めて
いますが、議長日程の一環として、約100カ国から政府、使用者、労働者の代表が集
い、点検、助言、処罰などの労働監督上の各種の作業を分類し、監督官と企業と労
働者の安定的な関係を確保するような「1企業1監督官」段階への漸進的到達を目
指し、職場監督の統合システムを開発・実行する効果的な政策の立案に向け、話し
合いを行いました。

ルクセンブルク/ILO共催労働監督統合システム会議(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/region/eurpro/brussels/news/news.htm
関連広報記事(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/features/05/labinspectors.htm

◆◇国際労働問題研究所◇◆
★公開講演会「国際労働法は何のために存在するのか」(ジュネーブ・2005年3月
15日)
 ILO理事会の開催にあわせ、世界各地の著名人が、現代の経済・社会問題を新た
な視点から論じる国際労働問題研究所の連続講演会が、今回はトロント大学の法学教
授ブライアン・ランギユ氏を招いて開催されました。
 日経連(現日本経団連)の奥田碩会長、立石信雄オムロン会長、根本二郎日経連会
長(肩書きはいずれも当時)といった日本からの講演者も含む過去の講演者の講演内
容を、下記リンクからご覧になることができます。

国際労働問題研究所公開講演会(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inst/edu/publecs.htm

◆◇東南アジア太平洋サブ地域事務所◇◆
★第2回東南アジア太平洋ディーセント・ワーク小地域三者構成フォーラム(メルボ
ルン・2005年4月5〜8日)
 2003年10月にニュージーランドで開かれた第1回フォーラムに続き、東南アジア・
太平洋のILO加盟国政労使が集い、新型肺炎SARSやスマトラ沖地震・津波の発
生といった最新の状況に鑑み、ILOが21世紀の活動目標とするまともな人間らしい
仕事、ディーセント・ワークの国内行動計画の進展状況について話し合いを行います。

第2回東南アジア太平洋ディーセント・ワーク小地域三者構成フォーラム(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/region/asro/manila/melbourne/m2ndsrf.htm

◆◇多国籍企業計画◇◆
★ILO多国籍企業宣言三者構成小地域シンポジウム−アフリカ、アジア、アメリカ
 ILOの多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言を紹介し、その後の技術
協力活動を通じて取り組むべき問題点の把握を目指し、2005年には、南部アフリカ開
発共同体(SADC)加盟諸国(プレトリア・1月25〜26日)、東南アジア諸国(ジャ
カルタ・4月11〜12日)、メルコスール(南米南部共同市場)諸国(モンテビデオ・
4月25〜26日)の3地域で政労使三者構成のシンポジウムを開催します。

ILO多国籍企業宣言三者構成小地域シンポジウム(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/employment/multi/events.htm

◆◇部門別活動局◇◆
★保健業とHIV(エイズウイルス)/エイズに関するILO/世界保健機関(WH
O)共同ガイドライン開発のための三者構成専門家会議(ジュネーブ・4月19〜21日)
 保健医療分野で働く人々は、治療を通じてHIV感染者、エイズ患者に接触し、自
らも感染する高い危険にさらされています。保健医療分野の人々の感染予防、HIV
/エイズの影響の管理と緩和、感染した医療労働者に対する差別と烙印の緩和といっ
た保健医療部門が直面するHIV/エイズ問題の諸側面に関し、明確で一貫性のある
方針を求める声に応え、政府、労働者、使用者の各側から専門家が集まり、ILOと
WHOが共同で開発した指針の採択に向けて話し合いを行います。

標記会議(指針案含む)(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/tmehs05/index.htm

★予備技術海事総会フォローアップ三者構成会期間会議(ジュネーブ・4月21〜27日)
 2006年2月に開かれるILO(海事)総会では、過去に採択された60以上の海事労
働基準を統合する一つの条約の採択に向けて審議が行われます。2004年9月に開かれ
た予備技術海事総会は、条約案の予備審議を行いましたが、ここで積み残しになった
論点と原案に対する改正提案について、政府、船主、船員の代表が集まり、さらなる
話し合いを行います。

標記会議及び海事労働基準統合に向けた審議経過(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/sectors/mariti/consol.htm

□■□■□■ ト ピ ッ ク 解 説 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□
 ILOの活動内容、仕事の世界に関係するトピックの解説を行っていきます。
 第34回は地域会議です。

◆◇地域会議(Regional Meeting)◇◆
★地域会議とは
 ILOはその憲章上、目的を達成するために望ましい地域会議の招集及び地域機関
の設立を行うことができるようになっています。これに基づき、1936年の米州地域会
議を皮切りに、地域のILO加盟国の政労使が集い、当該地域におけるILOの事業
活動の実行と計画について意見を表明する場が、アジア太平洋、米州、アフリカ、欧
州の4地域について設置されています。
 地域会議は1995年までRegional Conferenceと呼称されていたように、地域総会的
な性格を持ち、基準や予算・事業計画の採択権限こそありませんが、地域の労働また
は社会開発関連問題の掘り下げた議論を行い、ILOの将来の活動立案の際に配慮さ
れるべき勧告と決議を含む報告書を理事会に提出することによって効果的に機能し、
好評を博してきました。1995年11月の理事会で予算削減措置の一環として、Regional 
ConferenceをRegional Meetingに変更することになり、1997年に開かれた第12回ア
ジア地域会議から新議事規則の試験的な適用が開始されました。新議事規則は、2002
年3月の理事会で正式に採択され、同年6月に開かれた第90回ILO総会に確認を求
めて提出されました。新議事規則に付属するガイドラインでは、会期は従来の7〜8
日から4日間に短縮され、地域会議の目的は、地域の活動に関する意見交換の場とな
り、議題は一般的な地域活動を扱う一議題のみとすることになりました。また、従来
は不定期であった頻度についても、原則として年に1つずつ、4年に一度の間隔でア
ジア太平洋、米州、アフリカ、欧州の順で開催することとされました。
 地域会議の構成は、理事会の裁量に委ねられていますが、原則として各地域総局
(アジアの場合は、アラブ地域総局担当分も含む)が担当する国家・地域(またはそ
のような地域に責任を有する国家)で構成されます。会議には総会同様、政府代表2
・労働者代表1・使用者代表1の三者構成代表団が出席します。地域会議の日程、開
催地、議題は理事会が決定し、事務局は円滑な意見交換を図るため、議題討議資料を
作成し、出席者に事前に配布します。地域会議の決定は、理事会がこれに反する決定
をした場合は別として、議題関連事項に関する決議、結論、理事会に向けた報告書の
形態を取ります。会議の結果は事務局によって理事会に提出されます。理事会はこれ
について意見を述べ、地域会議が要請する行動の実施状況について事務局に報告を求
めることができます。

★米州地域会議
 米州地域会議は過去に15回(1936、39、46、49、52、56、61、66、70、74、79、
86、92、99、2002年)開催されています。直近の2002年12月10〜13日にリマで開か
れた第15回米州地域会議には、域内ILO加盟国22カ国から159名の出席者があり、
「米州のグローバル化とディーセント・ワーク」と題する事務局長報告をもとに、
2002年第3四半期に都市失業者数が1,700万人、失業率は過去22年で最高の9.2%に
達し、最低賃金の水準は20年前の74%に下がっているといった低経済成長、高失業
率、労働市場のさらなるインフォーマル化といった状況にある地域の労働情勢をめぐ
る話し合いを行いました。
 会議で採択された結論は、ILOが21世紀の活動目標とするまともで人間らしい仕
事を意味するディーセント・ワーク戦略は、社会及び労働面の現下の課題に政労使が
対処するのを助ける手段であることを確認し、政労使三者構成主義の強化や1998年の
ILO総会で採択された「仕事における基本的な原則及び権利に関する宣言」の促進
と実効的な適用を確保する措置、既存の社会保障制度の拡大と近代化、生産性に関す
る調査研究の追求などを求めています。会議では他に、1)ILO憲章の附属書である
フィラデルフィア宣言の原則に基づき、国際貿易の歪みと米州諸国における雇用及び
ディーセント・ワークの不足とのつながりを検討するようILOに求める宣言、2)米
州地域の統合プロセスに社会的パートナーが効果的に参加できるようILOに支援を
求める宣言、3)ベネズエラにおける暴力の拡大を懸念し、結社の自由委員会や条約勧
告適用専門家委員会の度重なる勧告の即時実施をベネズエラ政府に求める宣言の三つ
の宣言も採択されました。

★アフリカ地域会議
 アフリカ地域会議は過去に10回(1960、64、69、73、77、83、88、94、99、2003
年)開催されています。直近の2003年12月2〜5日にアディスアベバで開かれた第10
回アフリカ地域会議には、域内ILO加盟国53カ国中39カ国から221名の出席者があ
り、「アフリカ開発のためのディーセント・ワーク」と題する事務局長報告などをも
とに、地域の雇用促進や社会保護、社会対話の推進など、雇用、開発、社会の諸面に
係わる幅広い話し合いが行われました。会期中には、2004年に開かれたアフリカの雇
用と貧困緩和に関するアフリカ連合(AU)国家元首・政府首脳特別サミットの準備
に関する特別会合に加え、アフリカの若者のためのディーセント・ワーク、社会対話
と三者構成主義に関するテーマ別討議も行われました。また、全ての人への社会保障
の拡大を目指す「全ての人への社会保障適用世界キャンペーン」のアフリカ地域にお
ける開始を発表する場も設けられました。
 会議で採択された結論は、ディーセント・ワークをアフリカの経済・社会開発政策
の中心に置くこと、貧困削減、HIV/エイズの予防と職場における管理、社会対話
と良い統治、危機後の再建、地域・国際統合といった地域の優先事項に鑑み、ILO
はアフリカの新開発戦略に対する寄与を高めること、アフリカにおけるILO加盟国
政労使の能力及びILOの事業計画の実効性を高めることなどを内容としています。
この他に、1)若者のディーセント・ワークが不足していることを懸念し、ILOに
ディーセント・ワーク、貧困削減、世界雇用戦略の枠内でアフリカの若者の雇用を推
進することなどを求める決議、2)仕事の世界でHIV/エイズに取り組む上での社会
対話の役割の重要性を強調した決議の二つの決議が採択されました。

★欧州地域会議
 欧州地域会議は過去に7回(1955、74、79、87、95、2000、05年)開催されてい
ます。地域会議の開催地は原則として地域を管轄する地域総局の事務所がある都市で
開かれますが、直近の2005年2月14〜18日に開かれた第7回欧州地域会議は、ハンガ
リー政府の招請により同国の首都ブダペストで開催されました。欧州連合(EU)拡
大後初めて開かれた会議には、地域のILO加盟国50カ国中46カ国より計442名の参
加者があり、討議資料として提出された「移行の管理:ディーセント・ワークのため
のガバナンス」と題する事務局長報告や年次報告「世界の雇用情勢」簡略版などをも
とに、仕事の世界に関する域内共通の懸念事項を検討しました。事務局長報告をもと
に、1)若年雇用と学校から仕事への移行、2)労働力移動の管理、3)労働市場における
柔軟性と安全性の調和、4)高齢化と年金改革の四つのテーマ別に平行討議が行われた
後、地域におけるILOの役割を中心に、討議で明らかになった諸課題に取り組む方
策に関する話し合いが行われました。会期中には、「社会対話はグローバル化を生き
抜くか」と題するパネル討議、2004年2月に発表された「グローバル化の社会的側面
世界委員会」の報告書のフォローアップについて論じる非公式閣僚会議、男女平等に
関する東西諸国の経験交流を図るサイドイベントも開催されました。
 採択された結論は、対話と協力を通じて、民主主義、経済繁栄、社会正義の共通の
未来を推進するため、共に活動するとの合意を示し、グローバル化と急速な経済統合
は欧州及び中央アジアの国家、企業、労働者に共通の課題を提起するとし、仕事にお
ける基本的な原則と権利、雇用、社会保護、社会対話を基礎に、国内、地域、世界的
に、経済、社会、金融、貿易の諸政策とディーセント・ワークのための政策のより一
層の整合性が必要との共通認識を求めています。また、「グローバル化の社会的側面
世界委員会」の報告書は、地球的規模の目標としてディーセント・ワークを推進する
国内、地域、国際レベルの対話に向けた有用な刺激材料であるとしています。さらに、
ILOに対し、ディーセント・ワーク政策に関する支援を求めている国々に技術協力
を提供する上で、援助国及び欧州委員会とのパートナーシップを強化することなどを
求めています。

★アジア地域会議
 アジア地域会議は過去に13回(1947、50、53、57、62、68、71、75、80、85、91、
97、2001年)開催されています。
 日本は第二次世界大戦中、ILOを一時脱退しましたが、まだ脱退中の1947年に開
催された第1回アジア地域会議では、日本の労働基準に関する決議が採択され、理事
会に実状調査と日本の再加盟の可能性検討が要請されました。日本は第2回にオブ
ザーバーで参加して以降、毎回参加しており、第3回と第6回の地域会議は東京で開
催されています。
 2001年8月28〜31日にバンコクで開かれた直近の第13回アジア地域会議にはアジア
及び太平洋地域のILO加盟国30カ国より194名の参加者がありました。会議には、
議長と政労使各側から1名ずつ計3名の副議長が選出されることになっていますが、
第13回アジア地域会議では、当時のILO理事であった伊藤祐禎連合顧問が労働者側
の副議長に選出されました。会議では、1997年のアジア金融危機後の地域における開
発状況を吟味した「アジアにおけるディーセント・ワーク」と題する事務局長報告が
提出され、これをもとにした話し合いが行われました。会期中には、1)基準、仕事に
おける権利、社会対話、2)雇用と社会保護をそれぞれテーマとした政労使三者構成の
パネル討議も行われました。
 会議では、ディーセント・ワークの課題の中心要素は雇用創出であることが強調さ
れ、世界的な景気低迷の影響に対する保護を提供する指針及び計画を早急に立案する
必要性が指摘されました。また、ILOは政労使と協力し、加盟諸国が失業問題に取
り組む開発計画・訓練計画を立案するのを支援するよう求められました。さらに、社
会保護が限定的であることが地域におけるディーセント・ワーク達成に向けた大きな
課題の一つと指摘されました。そして、採択された結論は、域内ILO加盟国に対し、
仕事における基本的な権利、男女がディーセント・ワークを確保できる機会の拡大、
労働安全衛生に関する基準を含むできるだけ多くの人々を対象とする社会保護、社会
対話の拡充といった四つの要素を統合するディーセント・ワーク国内行動計画を政労
使三者が協力して立案、実施し、監視していくことを提案しています。現在、ILO
アジア太平洋総局のウェブサイトには、この結論に基づく各国の対応や参考文献を含
むディーセント・ワークに関するページが開設されています。結論にはこの他に、多
技能化、技能訓練、技能向上が雇用機会の獲得、生産性向上、競争力改善において重
要であることの認識、ILOはディーセント・ワークの枠組み内で移民労働者のため
の政策措置を開発・推進し、話し合いの場を設けること、男女平等時限プログラムの
導入、ILO基本条約に沿った法整備などの事項が盛り込まれました。
 第14回アジア地域会議は、今年10月10〜14日に、韓国政府の招請により釜山市で開
かれます。会議には、第13回地域会議の結論、特にディーセント・ワーク国内計画に
関する進展状況を記した「アジアにおけるディーセント・ワーク:2001〜04年の結果
報告」、そして各国・現地レベルで達成されたディーセント・ワークに関する進歩を
ベースに、これを地域または小地域レベルの調整された運動に拡大していくために必
要な事項を記した「ディーセント・ワークをアジアの目標と化す」と題する二つの事
務局長報告が提出され、これをもとにした話し合いが行われる予定です。この他に、
アジア太平洋の労働・社会情勢に関する統計報告や児童労働に関する資料も準備され
ています。会期中には、アジア太平洋地域の技能開発をテーマとする労働大臣特別会
合も予定されています。
              * * *
 最近の地域会議に提出された討議資料、採択された結論は、地域会議に関するIL
Oのウェブサイトでご覧になれます。

地域会議(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/standards/relm/rgmeet/index.htm
アジア太平洋のディーセント・ワーク(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/region/asro/bangkok/dw/
第14回アジア地域会議----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/conf/2005arm14.htm

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