ILO東京支局メールマガジン【No.9】
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ILO(国際労働機関)東京支局マガジン
2003年2月7日号 No.9
東京支局(日本語・英語) http://www.ilo.org/tokyo
本部(英語) http://www.ilo.org
◎お問い合わせはこちらまで tokyo@ilo.org
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:::::::::::<目 次>:::::::::::::::::::::
:《1》ILO東京支局お知らせ−国際女性の日イベント ほか:::::::::
:《2》ILO新聞発表−世界の雇用情勢 ほか::::::::::::::::
:《3》新刊紹介−公務救急サービス:環境変化の中での社会対話 ほか:::::
:《4》ILO事務局ニュース−若者の仕事専門家グループ会合 ほか::::::
:《5》トピック解説−国際労働基準(条約・勧告)::::::::::::::
:《6》ILOの現勢(2003年2月1日現在):::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
□■□■□■ ILO東京支局お知らせ □■□■□■□■□■□■□■□■□■□
◆◇国際女性の日イベント(東京・2003年3月6日)◇◆
3月8日は国際女性の日で、世界各地でさまざまなイベントが行われます。日本で
は、昨年に引き続き、ILOを含む在日国連機関が共催で、3月6日(木)に、国連
大学本部ビル(東京・渋谷区)で、ミレニアム開発目標実現に向けた女性のエンパワ
メント(仮題)をテーマとした公開フォーラムを予定しています。詳細は決定次第、
ILO東京支局ホームページでご案内します。
◆◇トラフィッキング国際シンポジウム(東京・2003年1月22日)◇◆
去る1月22日、ILO東京支局とアジア財団の共催により、国連大学本部ビル(東
京・渋谷区)ウ・タント国際会議場で、最近、日本国内においても関心が高まってい
る人身売買(トラフィッキング)問題について、「トラフィッキングって何?世界に
広がる人身売買と日本の責任」と題するシンポジウムが開催されました。シンポジウ
ムでは、在日タイ大使、在日コロンビア大使館ソーシャル・ワーカー、国内の被害女
性支援組織からの報告で、トラフィッキングのプロセスとその手口(リクルーターが
女性を巧みにスカウトし、受け渡し人がパスポートを取り上げ、監禁。ブローカーが
約500万円にのぼる架空の借金を背負わせ、数年間、無償で働かせる)が明らかにされ、
また、人身売買という犯罪をなくす上で、日本の現行法制にどのような問題点がある
のかが話し合われました。
◆◇外国人労働者国際フォーラム(東京・2003年2月5日)◇◆
現在、合法・非合法を問わず、自国以外で働く労働者の数は世界全体で6,000万人
から6,500万人に及ぶと言われています。ILOでは、2004年の総会で移民・外国人
労働者の問題を包括的一般討議のテーマとして取り上げることになっています。
去る2月5日、ILO東京支局は、国連大学本部ビル(東京・渋谷区)エリザベ
ス・ホールで、「グローバル化の時代における国際労働力移動−現状、課題と展望」
と題するフォーラムを開催しました。ILO事務局でこの問題を扱う国際労働力移
動部のマノロ・アベラ部長によるILOの最新の動きに関する基調講演、グローバ
ル化に伴う移民需要の特徴を日本でのフィールド調査も踏まえながら、移民に関わ
る規制と権利保護について問題提起した小井土彰宏・一橋大学大学院社会学研究科
助教授の講演を受け、厚生労働省、連合、日本経団連の政労使三者よりコメントが
提供されました。約100人の参加者からは熱心な質問が出され、この問題に関する国
内の関心の高さが示されました。講師両名の講演要旨は準備が出来次第、東京支局
ホームページに掲載します。
★ILO東京支局からのお知らせは、What's Newページをご覧下さい----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/new/index.htm#information
□■□■□■ I L O 新 聞 発 表 □■□■□■□■□■□■□■□■□
(2003年1月1日〜2月6日発表分)
◆◇2003年1月24日(金)発表ILO/03/01◇◆
★失業率は全世界的に上昇、失業者数は初の1億8,000万人に−ILO新刊「世界の
雇用情勢」
ILOは1月24日に、世界の失業者総数は2年前より2,000万人増加し、2002年末
で1億8,000万人の新記録を達成したと推計する新刊書「世界の雇用情勢(Global
Employment Trends)」を発表しました。2001年春のICT(情報通信技術)バブル
崩壊後まもなく失業率は上がり始め、2年間にわたる景気低迷は全世界的な雇用情勢
の悪化をもたらしました。報告書は、経済回復の見通しが不透明な現状では、状況の
改善は2003年にも見込み薄とします。特に1日1ドル以下で生活している、働いては
いるものの貧困層である人々の数は5億5,000万人と、一時の減少の兆しから1998年
の水準に戻り、2015年までに極端な貧困人口を半減させるとの国連の目標を達成する
には、少なくとも今後10年で10億人の新規雇用が創出される必要があるとします。ま
た、失業者として数えられるのは、主に何らかの社会的保護の対象になっている無職
の人々ですが、ここから除かれているインフォーマル経済で働く人々の状況の悪化も
一層懸念されるとILOのソマビア事務局長は憂慮します。
先進国の低成長は、衣料産業のような輸出志向型の労働集約産業を中心に、途上国
の雇用喪失をもたらし、投資家マインドの冷え込みは、例えば2002年の失業率が20%
を超え、近隣諸国へも波及したアルゼンチンのように、幾つかの国で金融面の弱さと
それに続く経済危機による多くの失業者を生み出しました。コロンビア、ネパール、
イスラエル、パレスチナなど、武力紛争と暴力も失業者と貧困人口の増加を招きまし
た。
地域的には、中南米・カリブ諸国の状況が最も悪く、新規労働力は低下しているに
も係わらず失業率は10%近くに達し、特に若者の失業率は2001年に16%(1997年12%)
となっています。先進国ではイタリアとニュージーランドを除き、雇用の伸びは低下
し、失業率は2002年に6.9%(2000年6.1%)に上昇しました。北米の失業率は急上昇
し、2002年にアメリカ5.6%(2001年4.8%)、カナダ7.6%(同7.2%)になると予測
されます。アジアはICTバブル崩壊の影響が最も激しく、アジア金融危機から回復
しかかっていた東南アジアも2002年の失業率は6.5%(2000年6%)、生産の伸びが鈍
化した東アジアは4%(2000年3.2%)になると見られます。中国都市部の公式失業率
は3.6%ですが、最新の推計では7.5%になっています。南アジアは世界的景気低迷の
影響をあまり受けなかったものの治安上の問題、天候不順などで、2002年の失業率は
3.4%(1995年2.9%)になると推計されます。サハラ以南アフリカ諸国はかなり持続
的な経済成長を示していますが、2002年の失業率は14.4%(2000年13.7%)あるいは
食糧危機の影響による更なる悪化が見込まれ、頭脳流出やHIV/エイズの影響によ
る人材の損失が問題になっています。中東・北アフリカ諸国では、2000年に6%を超え
たGDP成長率が2001年に1.5%と大幅に下落し、公共部門におけるリストラの増加は、
幾つかの国で失業率を2桁台に押し上げました。移行経済諸国の失業率も一時低下し
た後、再び上昇を始め、2002年には13.5%と2000年のレベルに戻ることが見込まれま
す。
2010年までにアジアが世界の労働力人口の6割近くを占めることになり(中国だけ
で全体の4分の1)、先進国及び移行経済諸国の割合はおおよそ5分の1に縮小しま
す。従って、今後、アジアとサハラ以南アフリカで多くの雇用が創出される必要があ
ります。
高失業率と貧困人口の増加は政府の予算目標を厳しく圧迫します。経済回復を確保
・拡大し、成長率の伸びがまともな雇用の機会を確実に最大限に増やし、失業・貧困
人口を減らし、雇用成長を回復するような施策を講じる必要があります。それには、
◇経済成長を活性化させ、雇用を多く生む投資を刺激する財政その他の措置を含む「仕
事対策」、◇途上国及び社会の最貧困層の外部ショックに対する抵抗力の増強に焦点
を当てた政策、◇男女が自由、安心、人間的尊厳といった条件のもとで、生産的で人
間的な仕事を確保するのを支援する「貧困対策」が必要と報告書は記します。
新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2003/1.htm
Global Employment Trends(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/employment/strat/download/trends.pdf
※PDFファイルをご覧になるためにはAcrobat Readerが必要です。お持ちでない方
は、こちらからダウンロードしてください。
http://www.adobe.co.jp/products/acrobat/readstep.html
◆◇2003年1月27日(月)発表ILO/03/02◇◆
★環境変化にさらされる救急・緊急公務部門の社会対話に関する合同会議(ジュネーブ
・1月27〜31日)
ILOは標記の日程で、ジュネーブの本部において、警察、救急医療、消防といった
非常事態に対処する公務員の、環境変化の中における社会対話の現状について話し合う
労使(政府)合同の会議を開催しました。同種のものとしては、1990年に消防職員の雇
用・労働条件に関する会議が開かれています。
会議に提出された討議資料は、絶えず緊張を強いられ、軍人に次ぐ危険な、しかし社
会にとってかけがえのない仕事に従事している救急・緊急部門公務員の労働条件の悪化
を警告します。
会議には、関心のある政府代表、使用者代表8名、労働者代表25名が出席し、ILO
事務局が作成した討議資料をもとに、救急・緊急部門の労働条件、安全衛生、人的資源
計画、部門間協力体制、社会対話の現状、仕事に係わる権利の状況を吟味し、これらの
問題への対処、特に非常事態に対応する労働者の健康、権利、利益を保護する最善の慣
行に関するガイドラインの策定に向けて意見交換が行われました。
新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2003/2.htm
環境変化にさらされる救急・緊急公務部門の社会対話に関する合同会議概要(英語)
----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/jmpes03/index.htm
会議討議資料(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/jmpes03/jmpes-r.pdf
◆◇2003年1月28日(火)発表ILO/03/03◇◆
★2001年9月以降、観光関連業界では12人に1人が失職−ILO新刊
ILOが1月28日にインターネット上で発表した「ホテル・観光業に対する2001/02
年危機の影響(The impact of the 2001-2002 crisis on the hotel and tourism
industry)」と題する新刊書は、政治不安、世界的景気低迷、旅行者の不安感の増大に
よって、観光関連業界では、2001年から2002年にかけて、世界全体で約660万人(当該
産業就業者12人に1人)の人員削減が行われ、2005年まで状況が回復する見込みはほと
んどないとします。
2001年初めから既に全般的な景気後退の影響を受けていたホテル・観光業界ですが、
9月11日のテロ事件の打撃で、2001年の産業成長率は−1〜−5%とマイナス領域に転
じ、国際観光収入は5.1%、外国人観光客数は0.6%の減少を示しました。影響が最も
激しかったのは中東及び北米で、特に米国への外国人観光客数は前年比平均30%超の
大幅な減少が見られました。わずかに好調だったのは、近隣諸国からの観光客数が伸
びた南欧諸国や中国などで、特に中国はかなりの伸びを示し、年間観光収入は近年、
平均12.7%で伸びています。
ILOでは今年5月に、バンコクでアジア太平洋地域の観光業界における雇用問題
を話し合う政労使三者構成の地域会議を開催する予定です。
新聞発表本文(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/2003/3.htm
The impact of the 2001-2002 crisis on the hotel and tourism industry
(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/papers/tourism/impact.pdf
★ILO新聞発表の日本語概要----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/new/index.htm
★ILO新聞発表(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/index.htm
□■□■□■ 新 刊 紹 介 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
◆◇「世界の雇用情勢
Global employment outlook」◇◆
英語 2003年刊 108pp. 3,500円
上記新聞発表ILO/03/01でも取り上げた本書は、全体的な雇用情勢の概説に続き、
中南米・カリブ、東アジア、東南アジア、南アジア、中東・北アフリカ、サハラ以南
アフリカ、移行経済、先進国の8章構成で、失業率、各種経済指標などの図表を豊富
に盛り込みながら、章別に最新の経済情勢とその雇用に対する影響を分析し、労働市
場の主な特徴、雇用展望を記しています。韓国の労働時間短縮の動き、中国の製造業
における雇用吸収力の低下、南アフリカの頭脳流出、中南米・カリブの児童労働など、
特徴的な動きが19の囲み記事でまとめられています。
雇用展望は、先進国については、最近の経済成長予測が下方修正されていることか
ら、この2、3年は非常に低い成長が続くかもしれないとした上で、非常に不確実と
記しています。日本については、経済成長と雇用を引き下げる可能性のあるデフレ・
スパイラル進行の危険性があるとしながらも、失業率が上昇し、雇用の伸びもマイナ
スであるにもかかわらず、就業率は依然かなり高いとしています。
また、先進国で今後の変化が予測される分野として、高齢化、男女平等、国際労働
力移動をあげています。高齢化は高齢者にも適したパートタイム雇用創出の急速な伸
び、若者の減少から来る若年者失業率の相対的な低下、先進国外からの国際労働力移
動の増加をもたらす可能性があるとします。さらに、若者の労働異動はますます激し
くなり、男女の労働力率はさらに近づくだろうとも記しています。
報告書は、ILOのホームページからダウンロードすることもできます。
Global employment outlook電子版----->
http://www.ilo.org/public/english/employment/strat/download/trends.pdf
◆◇「公務救急サービス:環境変化の中での社会対話
Public emergency services: Social dialogue in a changing
environment」◇◆
英語 2002年刊 110pp. 2,000円
ILOでは産業を22に分類し、2年間の事業年度毎に10余りの産業別会議を開催し
ています。今年は公務、タバコ産業、商業、公益事業、海事産業、サービス業、化学
産業の7つの産業別会議が予定されています。会議にはテーマに沿って、それぞれの
産業の最新状況をまとめた報告書が討議資料として提出されます。これらの討議資料
と議事録は最近のものについては、会議の事務局を務めるILO部門別活動局のホー
ムページ(http://www.ilo.org/sector)からダウンロードできるようになっていま
す。
上記新聞発表ILO/03/02でも取り上げた本書は消防、警察、救急医療といった非常
事態対応を業務とする公務員の雇用、労働条件、労働安全衛生、人的資源計画・訓練、
業務調整、社会対話と仕事に係わる権利の状況をまとめたものです。犯罪・事故発生
率の上昇、偽の通報やテロ行為の影響で、救急・緊急部門公務員の負担は増加してお
り、報告書は例えば、ニュージーランドの消防隊の出動率は2年間で約30%増加した
とします。長時間労働、人員減、スト権を含む労働基本権の欠如といった状況も見ら
れます。例えば、米国の消防士の平均労働時間は週50時間以上、日本の消防士は労働
時間は週40時間とされていますが、実際には休憩時間を含め60時間勤務しています。
警察官の自殺率は高く、例えば米国では自殺が警察官の死亡原因の13.8%を占めてい
ます。
ILOの条約ではもともと、警察と軍隊は団結権、団体交渉権といった労働基本権
の制限を許していますが、消防隊員や救急医療職員にも団体交渉権やスト権を与えな
い国が多くあります。報告書は適正、中立かつ迅速な調停・仲裁手続きなど、このよ
うな労働者の利益を擁護するための許容可能な代替策を列挙します。
消防職員の数、労働条件、労働基本権など、日本の状況も詳しく紹介されています。
Public emergency services: Social dialogue in a changing environment電
子版----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/jmpes03/jmpes-r.pdf
書籍等購入方法----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/publ/index.htm
東京支局資料室新着図書一覧(2002年12月分)----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/publ/new.htm
□■□■□■ I L O 事 務 局 ニ ュ ー ス □■□■□■□■□■□
(ILOウェブサイト新着情報等より)
◆◇出版局◇◆
★ILOの論文集「International Labour Review」最新号:2002年第3号(有料・
季刊)
[目次]◇南アフリカ雇用計画から見た貧しい人々への利益移転の最大化◇全ての人々
の利益のための労働力移動−新経済移民パラダイムに向けて◇高齢者の社会的尊厳、
地位、団結の自由◇変化の型と労働者の保護
International Labour Review2002年第3号概要(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/support/publ/revue/sommaire/141-3.htm
◆◇ボン支局◇◆
★広報誌最新号:2002年3号
独語によるILO情報。社会保障におけるILOの歩みを特集
広報誌「ILO-Nachrichten」2002年3号(独語)----->
http://www.ilo.org/public/german/region/eurpro/bonn/download/ilo-nl302.pdf
◆◇国連事務総長の若者雇用ネットワーク◇◆
★若者の仕事:雇用促進のための国家戦略専門家グループ会合(ジュネーブ・2003年
1月15〜16日)
ILO、世界銀行と共に、国連事務総長が主宰する若者雇用ネットワークの活動の
一環として開かれた会合のプログラム、参加者、若者の雇用に関する各種資料
若者の仕事:雇用促進のための国家戦略専門家グループ会合(英語)----->
http://www.un.org/esa/socdev/poverty/youth_egm.htm
◆◇部門別活動局◇◆
★森林労働者ネットワーク(FORWORKNET)広報誌最新号:2002年12月号
1993年9月に創設された、森林労働者の問題に関心を持つ人々の国際ネットワー
クが発行する業界紙の最新号
FORWORKNET広報誌「Update」2002年12月号(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/newsletr/forwknet/update9.pdf
★タバコ産業の雇用の将来三者構成会議(ジュネーブ・2月24〜28日)
関心のある政府代表、労使代表各18名が出席し、ILO事務局が作成した討議資
料をもとに、タバコの栽培・製造業における現下の雇用情勢を吟味し、これが社会
と労働に与える影響の観点から見た将来展望、この変化が雇用水準と労働条件に与
えるマイナスの影響を緩和する措置の方向性について意見交換を行います。
会議概要(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/tmets03/index.htm
会議討議資料(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/dialogue/sector/techmeet/tmets03/tmets-r.pdf
◆◇米州間職業訓練研究・文献センター(CINTERFOR)◇◆
★新刊「訓練、生産性、ディーセント・ワーク(Training, Productivity and Decent
Work)」
経済のグローバル化は企業の競争力、そして生産性の重要度を高めました。生産性
を高めるには訓練の役割が重要です。ILOが提唱するディーセント・ワークの概念
も生産性と密接に結びついています。三者の関係を分析することによって、より良い
訓練のあり方を探ります。
Training, Productivity and Decent Work(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/region/ampro/cinterfor/publ/product/index.htm
◆◇広報局◇◆
★2003年1月24日プレス・ハイライト
1月24日付でILOが行った新刊「世界の雇用情勢」についての新聞発表の掲載
記事集
2003年1月24日プレス・ハイライト(英語等各国語)----->
http://www.ilo.org/public/english/bureau/inf/pr/jan24.htm
◆◇ローマ支局◇◆
★広報誌最新号:2003年1月号
イタリア語によるILO情報
広報誌「ILO-Roma-Newsletter」2003年1月号(イタリア語)----->
http://www.ilo.org/public/italian/region/eurpro/rome/newsletr/romenews_0301.pdf
□■□■□■ ト ピ ッ ク 解 説 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□
ILOの活動内容、仕事の世界に関係するトピックの解説を行っていきます。
第9回は、ILOの活動の柱である国際労働基準(international labour
standards)です。
◆◇国際労働基準(international labour standards)◇◆
労働条件の改善をめざした国際基準の設定−これが1919年にILOが設立された
主な目的です。
★国際労働基準の内容:国際労働基準は、ILOの総会で採択される条約
(Convention)と勧告(Recommendation)で構成されています。総会その他のI
LOの各種会議の場で採択された決議、実施基準、宣言等の合意文書も規範的な性
格を備えていますが、これらはILO憲章でいうところの国際労働基準には含まれ
ません。
国際労働基準の取り扱う分野は多岐にわたり、結社の自由、強制労働・児童労働
の廃止、機会均等・平等待遇といった基本的人権に関連するものから、雇用、社会
政策、労働行政、労使関係、労働関連災害の防止や労働時間といった労働条件、社
会保障、女性労働、児童・年少者の雇用、移民労働者、先住民・種族民、パートタ
イム労働、さらには船員、看護職員といった特別のカテゴリーの労働者の保護など、
2003年2月現在、184の条約と194の勧告が採択されています。ただし、このうち、
時代遅れのものとして、24の条約は批准が奨励されない棚上げ状態になっており、
41の勧告については撤回提案が出されています(一部は既に撤回)。
条約は批准という手続きによって効果が生じます。条約が発効するためには、普
通最低2ヵ国の批准が必要です。条約を批准した国は、これを自国の法のなかに生
かす義務を負うことになり、廃棄しないかぎり、たとえILOを脱退しても効果は
継続します。一方、勧告は批准を前提とせず、法律や労働協約の作成における指針
として用いられることを意図したものとなっています。
★基準が生まれるまで:条約と勧告は、毎年開かれるILOの総会で、政府、使
用者、労働者の三者代表の審議の結果、3分の2の多数決で採択されます。総会で
審議されるためには総会の議題となることが必要ですが、これはILO理事会また
は総会自身の手で決定されます。理事会における決定に際して、議題について提案
できるのは、◇加盟国の政府、◇もっとも代表的な全国的または国際的労使団体、
◇国際政府間機関の3つです。議題についての提案があると、事務局は、その問題
に関する各国の現行法規と慣行についての調査結果を理事会に提出します。議題と
なった事項については、事務局はさらに、総会における討論の助けとするため一層
詳細な報告(各国の概況や各加盟国に対する質問状とその回答などを内容としたも
の)を作成することになります。総会での審議は、普通2年にわたって行われます
が、このやり方を2回討議制と呼んでいます。初めの年の第1次討議では一般的な
原則を検討し、次年度の第2次討議で条約なり勧告なりのいわゆる国際文書を採択
することになります。既存の条約または勧告の部分改正といった簡単なものや特に
緊急を要する場合には1回討議制が取られることがあります。
総会における審議は、まず、その問題に関して設けられる技術的な委員会で実質
的な討議が行われ、この委員会の結論が本会議に提出されたうえ、そこで最終的に
決定をみることになります。総会の本会議に投票権をもって出席するのは政府2、
民間2(労使それぞれ1)の各国代表ですが、委員会では、政府、労、使の三者が
それぞれ平等の投票権をもつような手続きがとられます。例えば、政府側委員10名、
労使側委員各5名の委員会では、政府側委員には各1票、労使側の委員には各2票
の投票権が与えられます。
★基準採択後の加盟国の義務:加盟国政府は、総会で採択された条約や勧告を12
ヵ月(特別の場合には18ヵ月)以内に自国の権限ある機関(日本の場合は国会)に
提出しなければなりません。条約については、国会の承認があれば、政府はILO
事務局にその批准を通告します。現在、日本は、2002年に三者の間の協議(国際労
働基準)条約(第147号)、2001年に最悪の形態の児童労働条約(第182号)など、
46の条約を批准しています。
条約を批准した国は、まず第1に、その条約の諸規定を自国の法令の中に取り入
れるなど、条約の内容を実施するための措置を講じる必要があります。例えば、現
行の国内法または行政措置が条約の規定に抵触する場合は、これを廃止または改正
し、必要ならば新たに法令を制定したり行政措置を講じることになります。次に、
年次報告提出の義務が生じます。これは批准した条約の諸規定を実施するためにとっ
た措置を定期的にILO事務局に報告する義務であり、報告の様式は理事会が各条
約毎に決定します。
一方、批准しなかった条約については、加盟国は、条約で取り扱われている事項
に関する自国の法律や慣行の現況を、理事会の要請する適当な間隔で、ILO事務
局に報告しなければなりません。この報告には、立法・行政措置・団体協約または
その他によって条約の規定のどの部分がどの程度実施されているか、また実施され
ようとしているかを明示するとともに、その条約を批准できない理由または批准を
遅延させる障害について述べなければなりません。
勧告についても、そこで取り扱われている事項に関する自国の法律や慣行の現況
を、理事会の要請する適当な間隔で、ILO事務局に報告しなければなりません。
最近の例では、2002年に賃金保護条約(第95号)及び同勧告(第85号)、2003年
に雇用政策条約(第122号)、雇用政策(補足規定)勧告(第169号)、そして人的
資源開発条約(第142号)及び中小企業における雇用創出勧告(第189号)の完全雇
用、生産的な雇用、職業の自由な選択に関連する部分に関する報告提出が求められ
ています(報告書の公刊はそれぞれ翌年)。
政府はこのようにしてILO事務局に提出する報告の写しを、国内の代表的労使
団体に送付する義務があります。
★基準適用に向けた仕組み:採択された条約・勧告が各国で実際に適用されるよ
う、ILOでは、適用状況を常に審査し、また批准を促進するためさまざまな仕組
みを設けています。
まず、ILO事務局長は、各国政府より提出された条約・勧告に関する上述の報
告を取りまとめ、審議のため毎年の総会に提出する憲章上の義務があります。しか
し、非常に膨大な政府報告を、ILO事務局だけの手でまとめたり、わずか3週間
ほどの総会の会期中にすべて検討するなどということは不可能なこととなっており、
従って、現在、条約・勧告に関する国際的な専門家で構成する独立した委員会(条
約勧告適用専門家委員会・Committee of Experts on the Application of Con-
ventions and Recommendations)を作り、技術上の予備的な審査はここで行い、
その結果を、総会において政労使三者で構成する委員会(基準適用総会委員会・
Conference Committee on the Application of Standards)でさらに検討す
るという手続きが取られるようになっています。
条約勧告適用専門家委員会は、国際法、労働法などについて卓越した経験をもつ
世界的な権威者で構成されています。委員は現在20名で、それぞれ全く個人の資格
で参加しています。任期は3年間で、理事会によって指名されます。日本人では現
在、山口俊夫東京大学名誉教授が1991年3月から委員を務めています。
委員会は、毎年11〜12月に2週間の会期で開かれ、◇批准条約について加盟国が
送付した年次報告の検討、◇総会で採択された条約・勧告の国会提出に関して取っ
た措置について加盟国が送付した報告の検討、◇理事会が指定した未批准条約及び
勧告について加盟国が送付した現況報告の検討などを行います。これらの報告に関
し、労使団体が送付したコメントも取り上げられます。検討された結論は、各国政
府に送付されると共に、議題資料として総会にも提出されます。
総会に出席する政府・使用者・労働者の三者で構成される基準適用総会委員会は、
毎年ILOの総会ごとに設置され、◇批准条約に関する報告、◇未批准条約と勧告
に関する報告、◇条約・勧告の国会提出に関する状況報告、◇条約勧告適用専門家
委員会の報告などを審議します。委員会での討論と結論は、本会議に提出されてそ
こで採択されることになりますが、これは、過去1年間における国際基準の実施面
における進歩を示す有用な文書となります。
この2つの通常の監視機構に加え、ILO憲章には、個別批准条約の実施上の問
題点に関する苦情の申立に基づく、次の2つの審査手続きが明記されています。(1)
まず、使用者または労働者の産業上の団体は、ILO憲章第24条及び第25条に基づ
き、ある国がその批准条約を遵守していないという申立をILOに提起することが
できます。申立の処理には理事会が当たり、政労使3人の理事から構成される委員
会が設けられます。理事会は当該政府に申立の弁明を請求しますが、相当の期間内
に弁明が受領されなかった場合、あるいは弁明が満足できるものでなかった場合、
申立及び弁明を公表します。(2)また、憲章第26〜29条及び第31〜34条に基づき、あ
る条約の批准国は同じ条約を批准した他の国が条約を遵守していないとの苦情を申
し立てることができます。同様の手続きは、理事会がその発意によってもまたは総
会の代表から苦情を受けたときにも開始することができます。この場合、理事会は
適当と認めるときに独立した3人の専門家から構成される審査委員会を設けます。
委員会は苦情を審査したのち、事実問題に関する認定事項、苦情に応じるために取
るべき措置や期限を記載した報告書を作成し、公表します。当該政府は審査委員会
の報告書に含まれている勧告を受諾するかしないか、受諾しない場合には国際司法
裁判所に苦情を付託する意図があるかどうかを、3ヵ月以内に事務局長に通知しな
ければなりません。国際司法裁判所は付託された苦情に関する審査委員会の認定ま
たは勧告の確認、変更、または破棄を行うことができますが、国際司法裁判所のこ
の決定が最終的なものとなります。
申立や苦情申立の手続きは従来は年に2、3件程度とあまり一般的ではありませ
んでしたが、近年、この件数は急増しています。現在も続いているミャンマーの強
制労働条約(第29号)違反に関する手続きは、1996年の総会で、複数の総会労働者
代表が第26条に基づく苦情申立を行ったことによって開始されたものです。
以上の手段を補足するものとして、労働組合権の侵害に関する労使団体または政
府からの申立を審査する特別機構が1950年にILOと国連の合意に基づき設立され
ています。これが結社の自由に関する実情調査調停委員会(Fact-Finding and
Conciliation Commission on Freedom of Association)と理事会の結社の自由
委員会(Governing Body Committee on Freedom of Association)です。この
機構の特徴は、結社の自由の原則はILO加盟国が正式に受諾するILO憲章に内
在する義務のひとつであるとして、関連するILO条約、つまり結社の自由及び団
結権保護条約(第87号)及び団結権及び団体交渉権条約(第98号)未批准国に対し
ても違反を申し立てることができるという点です。
結社の自由に関する実情調査調停委員会は、理事会より付託される結社の自由の
違反に関する申立を審査します。理事会により任命される9人の独立した専門家か
ら構成されますが、具体的な事件が付託されると、通常このうちから3人が小委員
会を構成して対応します。委員会の手続きは、憲章に基づく上記の審査委員会と等
しく、審査結果が報告書として公表されます。第87号と第98号条約未批准国の場合
には、当該国の同意を得て初めて案件が付託されます。この委員会による審査が初
めて行われたのは1964年の日本の案件に関するものでした。
理事会は実情調査調停委員会に付託する申立の予備審査を行ないます。当初、こ
れは理事会の役員が行っていましたが、申立数の増加に伴い、1951年に役員に代わっ
て予備審査を行う特別の委員会が設置されました。これが結社の自由委員会であり、
ILO理事9名(政労使3名ずつ)と独立した専門家である委員長から構成されま
す。委員会は年3回、理事会開催に合わせて開催され、結論と勧告を理事会に提出
します。委員会の報告書はILOの官報に掲載されます。労働組合権侵害の事実が
立証されると、委員会は当該国に対策を講じ、一定の期限内に講じた対策について
報告するよう求めますが、必要な場合には申立を更に実情調査調停委員会に付託し
たり、第87号と第98号条約批准国の場合には条約勧告適用専門家委員会のフォロー
アップに託すこともあります。委員会の過去の審査件数は2,000件を超えます。委員
は理事改選期に合わせて3年毎に改選されています。
さらに、基本条約について、新しい手続きが2000年から開始されています。これ
は1998年の総会で採択された、「労働における基本的な原則及び権利に関するIL
Oの宣言並びにそのフォローアップ」に基づくものです。この宣言は、ILO加盟
国は加盟の事実によって労働における基本的原則及び権利( a 結社の自由及び団体
交渉権の効果的な承認、b 強制労働の禁止、c 児童労働の廃止、d 雇用及び職業に
おける差別の除去)の尊重、促進、実現に向けた義務を負うとし、対応する8基本
条約(87、98、29、105、138、182、100、111の各条約)を未批准の場合でも、こ
の原則の推進に向けて努めるべきとします。そして、ILOはそのための支援を提供
するものとし、(1)未批准の基本条約に関する年次フォローアップと(2)グローバル
・レポートの2つのフォローアップ手続きを定めています。(1)は、基本条約未批准
国より毎年、関連する法及び慣行における変化に関する報告を求め、専門家グループ
(現在7名)による予備審議を経て、理事会で検討するものです。(2)の報告書は、
基本的原則及び権利の上記4分野を毎年1つずつ、a→b→c→d→a...の順番で扱
い、(1)や基準適用監視機構などから得られた情報をもとに、事務局長が編纂し、
総会に提出します。理事会は、技術協力の優先事項及び行動計画に関する討議にお
いて、この総会での審議を参考にします。この手続きに基づき、児童労働の廃止な
ど、基本的原則の推進に向けた具体的な技術協力活動が展開されています。
★基準の解釈:加盟国がある条約を批准するにあたって起こってくる問題に、条
約の規定に関する解釈の問題があります。条約の解釈について疑問がある場合に、
加盟国政府は、まずILO事務局の意見を求めるのが慣例になっています。ILO
憲章では、条約の解釈については国際司法裁判所の勧告的意見を最終のものとして
いますが、国際司法裁判所に対して条約の解釈問題を付託したケースは、今日まで
に1件あるにすぎません。従って、ILO事務局が加盟国に回答する際には、先例、
総会での審議過程、各国の慣行などを考慮して解釈を与えていますが、いずれもそ
の意見は非公式なものという留保が付けられています。この他に、条約勧告適用専
門家委員会、総会基準適用委員会、審査委員会、理事会の結社の自由委員会、実情
調査調停委員会といった適用監視機構の報告書も解釈の指針として用いられていま
す。
★時代にあった基準の確保:ILOが条約の採択という基準設定活動を開始して
からすでに84年が経過し、採択された条約・勧告もあわせて400近くと膨大なものに
なっています。そこで当然、大分以前にできたもので今日の現状と乖離してしまっ
たものや基準の引き上げが必要なものが出てきます。このため、理事会は、常に一
定の間隔をおいて、基準の改正の必要性について検討を行っています。このように
して、今日までに多くの改正文書ができています。最近では、1995年11月より理事
会に作業部会を設け、条約・勧告の改正基準に関する検討を行いました。作業部会
は既存の条約・勧告を、(1)時宜に即した文書、(2)改正すべき文書、(3)時代遅れの
文書、(4)さらなる検討のための情報が必要な文書、(5)その他の文書、の5つに分
類し、2002年3月に分類作業を終了しました。
1997年のILO総会で、ILO憲章に、所期の目的を失っている条約、ILOの
目的を達成するために有益な貢献をしていないと思われる条約については、理事会
の提案に基づき、総会は、出席代表の3分の2以上の賛成によりその条約を廃止で
きるとの規定を挿入する憲章改正文書が採択されました。憲章改正文書の発効には
一定の要件(10主要産業国の内5カ国を含む加盟国の3分の2以上の批准または受
諾により発効)が必要で、現在はまだ発効していないため、既に発効している条約
の廃止は現段階ではできません。ただし、発効していない条約及び勧告の撤回に関
しては、憲章改正に伴って実施された総会及び理事会の議事規則の改正によって手
続き規定が新設され、既にこれに基づき2000年の総会では労働時間と移民労働に関
する未発効の5条約が、2002年には戦前・戦中に採択された20勧告が撤回されてい
ます。
国際労働基準基礎情報(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/standards/norm/index.htm
国際労働基準データベースILOLEX(英語)−条約・勧告の原文、批准状況、
適用監視機構の意見等----->
http://ilolex.ilo.ch:1567/english/index.htm
基準・労働における基本的原則及び権利総局(英語)----->
http://www.ilo.org/public/english/standards/index.htm
日本の批准条約一覧----->
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/ratcon.htm
□■□■□■ I L O の 現 勢 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□
(2003年2月1日現在)
◇加盟国数...175 ◇日本の批准条約数.......46
◇条約の数...184(うち撤回5) ◇加盟国の平均批准数......41
◇勧告の数...194(うち撤回20) ◇OECD諸国の平均批准数...70
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