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2008/09/03

【BRASIL NEWS】ニッケイ新聞メルマガ版 318号

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   ┌────────────────────────────┐
    【BRASIL NEWS】ニッケイ新聞メルマガ版318号   2008/08/30
   └────────────────────────────┘
  これであなたもブラジル通!!! 様々な顔を持つこの国の魅力の一端を紹介  
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※ニッケイ新聞は、ブラジル国サンパウロ州サンパウロ市で発行されている移住者
や日系人、駐在員向けの日本語新聞。紙印刷版は週5回発行。このメルマガ版は本
紙記事の一部を使って、日本在住者向けに、ブラジルや日系社会に興味を持っても
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 発行は、月曜〜金曜の週5日間。配信時刻は午後7時ごろ(日本時間の翌日午前
7時ごろ)。掲載予定の記事は、「ブラジル国内ニュース」「日系社会ニュース」「樹
海」「オーリャ」の4種類です。

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 なお「ブラジル新聞」の開始後、ニッケイ新聞ホームページの更新は発行日の約
10日後となります。「Brasil News」はこれまで通り、週に1回配信します。

ニッケイ新聞編集部

===コラム「樹海」===
 第百三十九回芥川賞に楊逸(ヤン・イー)さんの「時が滲む朝」が選ばれた。外
国語を母語とする作家の受賞は初。全く日本語を知らずに日本に行ったのが二十二
歳というから、驚愕に値する▼大きなニュースにもなったし、真二つに割れた選考
委員らは、小説と文章の根源的な議論を戦わせた、という。逆に、外国で日本人が
言葉を紡いできたことは議論どころか、知られてもいない▼文芸誌『すばる』(集英
社)が日系文学に関する特集を組み、松井太郎さんの短編小説「遠い声」を掲載し
た。ブラジル日系文学会の梅崎嘉明さんは「コロニアの中で完結していたものが日
本で注目されたのは画期的」と話す▼オール讀物新人賞を受賞した醍醐麻沙夫さん
がいるじゃないかーとの声も聞こえてこよう。多彩な作品のなかでコロニアに関す
るものも多く、自身も移民だが、日本側でコロニア文学の作家というジャンル分け
はもちろんされていない▼このたび、サンパウロ人文科学研究所は「ブラジル日系
コロニア文芸」(下巻)を刊行した。コロニア文学の百年を評論した安良田済氏の力
作だ。俳句と短歌をまとめた上巻とともに、移民の心の襞が露になっている▼「シ
ネマ屋ブラジルをいく」の著作で知られる細川周平さんもまた「故郷は遠きにあり
てつくるもの」(みすず書房)いう本をまとめた。俳句、短歌を分析しながら、情で
移民を理解しようとする試論だ▼当事者しか関係のなかったミクロの世界が日伯双
方からつまびらかにされていくことに、百周年の意義があるように思う。そしてい
つかデカセギ子弟から作家が生まれる日もくるのかも知れない。 (剛)
                        (2008年08月29日)
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****▽ニュース目次▲**********************************************   

             ●今週のおすすめ記事●

○日系社会
■沖縄県人移民百周年=先人の教えを次世代に=ジアデマ=世界のウチナーンチュ
4千人=次の百年へ誓いあらたに
■1600人パレードで100周年祝う=ビラ・カロン=賑わった第6回おきなわ祭り
=2万5千人が郷土文化を堪能
■第2回海外ウチナーンチュ会議=沖縄百周年=聖市に世界の県系人集う
=「長寿の秘訣」など3氏講演
■北京五輪=柔道男女で銅メダル3つ=女子では史上初の快挙=篠原男子監督
「70点の成績」=今後は若手育成に注力
■今日から日伯親善高校野球=高校選抜20選手が着聖=5都市で伯代表と熱戦
=西谷監督「交流を財産に」
■「『武蔵』は化け物だ」=ビエナル・ド・リブロ=10万冊も売れ特別版まで
=伯文学へ日本の影響顕著
■橋本梧郎氏が死去

○ブラジル社会
■Unctad報告=07年対伯投資が途上国一=BRICsの雄、伯国=来る40
年は牽引車になる=眠り竜が目を覚ますか
■中銀発表=公債金利支払いが重荷に=7カ月間で1068億Rも=伯経済は
曲がり角=債務政策の改革が必要に
■中銀発表=ローン総額が1兆670億Rに=高利でもローン依存=95年以来の
新記録に=明日は明日の風が吹く
■聖州で今も続く奴隷労働=サトウキビ収穫をめぐる抗争=アルコール躍進の
陰に死も
■発達した集落の存在確認=カブラル以前の先住民たち=伯米の考古学調査
チーム発表
■盗聴防止ビジネス繁盛=暗号化ソフトで海外進出

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★日系社会
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■沖縄県人移民百周年=先人の教えを次世代に=ジアデマ=世界のウチナーンチュ
4千人=次の百年へ誓いあらたに        2008年08月26日(火)

 先人の教えを次世代に――。沖縄県人ブラジル移民百周年記念式典が二十四日午
前十時半から、ジアデマ市の沖縄文化センターで開かれた。笠戸丸契約移民七百八
十一人のうち三百二十五人を占めた沖縄県人。式典には国内外から約四千人のウチ
ナーンチュが一堂に集い、今日の県系社会発展の礎となった先人への感謝とともに、
新たな百年に向けた第一歩を踏み出した。

 県人移民一世紀の節目を祝うため、母県からは初の南米チャーター便による三百
五十人を含む七百人が来伯。ハワイ(二百人)をはじめニューヨーク、ロサンゼル
ス、アトランタ、シカゴなど北米各地、ペルー(百三十人)やイギリス、アルゼン
チン、ボリビア、ニュージーランドなどを合わせ、国外から一千五百人の県人・県
系人が慶祝のため訪れた。
 式典には国内外から約四千人が参集し、三〇×六〇mの特設テントからはみだす
ほどの混雑を見せた。
 青壮年会コーラスによる日伯両国歌斉唱、先駆者への黙祷に続いてあいさつに立
った与儀昭雄実行委員長(県人会長)は「サントスに降り立った笠戸丸の県人移民
は、荷物は小さくとも、心の中には新天地への希望がいっぱいに詰まっていた」と
述べ、その夢が現実に打ち砕かれていく中でも苦難に耐えて十五万人の県系社会の
礎となり、農、工、商業、教育、医療など多くの分野でブラジル社会発展に貢献し
た先人の営為を称えた。
 そして「世代が移り、日本語が不自由になっても、先人が残した誇り、忍耐、規
律といった美徳を伝えていくのが、後に続く世代の責任」として、「百周年は、新た
な一世紀に向け日系社会また母県との将来の関係を改めて考える機会」と語った。
 安里カツ子副知事が仲井眞弘多知事の祝辞を代読。知事は戦後沖縄の発展を「世
界のウチナーンチュからの支援の賜物」と感謝の意を表すとともに、「永年にわたり
ブラジルで生活の基盤を築いてきた皆さんの経験と知恵を、ブラジルと沖縄県の交
流推進に役立ててほしい」と呼びかけた。
 高嶺善伸県議会議長、宮城篤実県町村会長(嘉手納町長)、西原篤一沖縄ブラジル
協会会長など母県代表、ジョゼ・デ・フィリッピ・ジュニオール・ジアデマ市長、
西林万寿夫在聖総領事、矢野敬崇県連副会長ほか県系の神谷牛太郎聖市議、パウロ・
テイシェイラ連議などブラジル側関係者も祝辞を述べた。
 県から五氏に県系人特別功労賞を贈呈。二十八人に一般功労賞、国内四十四支部
に県知事表彰が贈られた。また百歳以上十二人、九十歳以上百七十八人の高齢者が
表彰を受けた。県人会から母県の十八個人・団体への感謝状贈呈も行われた。
 式典ではまた、記念事業の資料館建設の補助金として県から二千万円、市町村四
団体、西原・沖縄ブラジル協会長からそれぞれ一千万円の目録が与儀県人会長に手
渡されたほか、記念品の贈呈などが行なわれた。
 翁長雄志・那覇市長の発声で、ブラジル、日本、沖縄のため、それぞれ万歳を三
唱。来賓一同で鏡割りを行ない祝賀昼食会に移った。
 昼食後は会場内のスクリーンで、県系社会百年を歩みをつづったスライドや、「島
人ぬ宝」などの曲でブラジルでも知られる沖縄出身バンド「BEGIN」が寄せた
祝賀メッセージの映像なども上映された。午後二時半からは祝賀芸能祭が行なわれ、
午後六時までにぎわいを見せた。
 高齢者表彰を受けた花城淑子さん(100歳)は「皆さんの労わり、思いやりの
おかげで百歳を迎えられました。感謝しています」と喜んだ。
 父の故・花城清安氏とともに沖縄文化センター発展に尽力、この日功労賞を受け
た花城清賢ジョルジさん(77、二世)は「自分達のやってきたことが認められ、
これ以上の光栄はありません」と嬉しげな表情を見せていた。

■1600人パレードで100周年祝う=ビラ・カロン=賑わった第6回おきなわ祭り
=2万5千人が郷土文化を堪能         2008年08月27日(水)

 沖縄県人移民百周年を記念した「第六回おきなわ祭り」(県人会ビラ・カロン支部
主催)が二十三日正午から、同支部会館前の運動場で行われた。昨年は一万五千人
が来場した同祭り。今年は地元住民、県人会関係者など二万五千人(主催者発表)
が来場。母県沖縄、ハワイ、アメリカ、欧米などからの慶祝団も多数訪れた。同日
午後三時からは支部会館前の街路で「県人移民百周年祝賀パレード」が行われ、計
一千六百人からなる多彩なパレードで賑わいを見せた。

■第2回海外ウチナーンチュ会議=沖縄百周年=聖市に世界の県系人集う
=「長寿の秘訣」など3氏講演        2008年08月30日(土)

 ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)、WUB(ワールド・ウチナーンチュ・ビジ
ネス・アソシエーション)ブラジル主催の「第二回海外ウチナーンチュ会議」が、
二百人出席のもと、二十五日午前九時から聖市内のマクスード・プラザ・ホテルで
開かれた。午前中の講演に続き、午後からは学術、司法、教育などの分科会や第十
二回WUB会議、第二回国際女性フォーラムなどが開かれ、各国から来伯中の出席
者たちが交流を深めた。

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■北京五輪=柔道男女で銅メダル3つ=女子では史上初の快挙=篠原男子監督
「70点の成績」=今後は若手育成に注力     2008年08月28日(木)

 「全体では七十点。金メダルを取っていたら九十点から百点の成績だった」――。
先の北京五輪を終え、このほど帰伯したブラジル男子柔道の篠原ルイス監督(54、
三世)は、少し物足りそうな表情を浮かべてこう振り返った。
 今回の五輪でブラジル柔道は、男女含めて三つの銅メダルを獲得した。女子では、
ケトリン・グアドロス選手(57キロ)がブラジル女子柔道会に初めてのメダルを
もたらすなど大きな躍進を印象付けた。
 一方、昨年のリオ世界選手権大会で、金三つを獲得するなど大活躍を見せた男子
は、最有力のジョアン・デルリ選手(66キロ、〇五年、〇七年同選手権金)が二
回戦で敗退。シドニーで銀、アテネで銅のチアゴ・カミーロ選手(81キロ)は今
回も銅、レアンドロ・ギリェイロ選手(73キロ)もアテネに続いて銅に終わった。
 とくに期待されたデルリ選手については、ポルトガルの選手に先に反則を取られ
たことに焦り、投げ技を仕掛けたのが逆に返されての技あり。そのまま時間切れで
負けた。「デルリはメダルを意識しすぎていた。主導権を先に取られたのが敗因」と
篠原監督。金メダル候補のまさかの敗退を残念がった。
 こうした結果に終わりながらも、日本人移民が芽吹かせたブラジル柔道は、石井
千秋さんが一九七二年にミュンヘン五輪で銅メダルを取って以来、五輪では通算十
五個のメダルを獲得。今回の五輪を含めると、ヨット競技に続いて、ブラジルの二
番目のメダル獲得種目にもなった。
 このような実績を着実に積み重ねた要因として、篠原監督や全伯講道館柔道有段
者会の関根隆範副会長は、「ブラジル柔道界はオリンピック委員会や政府、企業から
の資金援助を受けて、代表選手に専属の栄養士やカウンセラーをつけるなど、積極
的な支援を続けている。有望な選手が柔道に打ち込める体制が整っていることが大
きい」と話す。
 加えて石井さんは、〇六年三月に日本政府の資金援助のもと聖市イビラプエラ地
区に建設された〃南米の講道館〃の役割も評価する。「これのおかげでブラジルの選
手が外国に出ずに、世界中の一流選手と腕を磨けるようになったことは忘れること
はできません」。
 また篠原監督や関根副会長によれば、ブラジル柔道は、将来を見据えて、女子を
含めた若手選手の育成にも力を入れている。今回の五輪には、代表選手とともに二
十三歳以下のブラジルの若手選手を初めて同行させ、代表選手の練習相手として、
五輪直前まで千葉県勝浦市の国際武道大学で合宿した。「四年後には今の代表選手も
年齢的にきつくなる。だから今から若手に国際舞台を経験させるのが大事です」。

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■今日から日伯親善高校野球=高校選抜20選手が着聖=5都市で伯代表と熱戦
=西谷監督「交流を財産に」         2008年08月30日(土)

 夏の甲子園再現へ――。ブラジル日本移民百周年を記念した十一年ぶり四回目の
「日伯親善高校野球大会」が、三十日のバストスを皮切りに、五都市で八試合行わ
れる。日本選抜は、今年行われた夏の甲子園大会でベスト八に入ったチームを中心
に二十人の選手が来伯している。今年の大会も様々なドラマを生み、数々の感動を
与えてきた。ブラジルの大地でも熱いドラマが再現される。
 ブラジルで行われた高校野球の親善試合は、一九六九年に開催されて以降、八八、
九七年と過去三回開催。今年十一年ぶり四度目。ブラジルからは、九二、九八、〇
七年と三回訪日している。
 日本選抜は大会終了後、大阪市内で一週間の合宿を行って、アメリカ選抜のアー
バンユースアカデミーと二十五日に甲子園での試合で、十一対二と投打で圧勝した。
 一方、ブラジル選抜は〇七年に、群馬、茨城、福島、岐阜、三重、東京の各選抜
チームと八試合行い、三勝五敗の成績。今回の代表チームは、昨年のメンバーの大
半が残っている。
 今回の派遣団の団長を務める脇村春夫日本高等学校野球連盟会長は「甲子園で見
せたハツラツとしたプレーをしてほしい」と選手に期待を込める。また「ブラジル
ほど日本人、日系人の地位が確立されているところはないと思っている。そんなと
ころも肌で感じて欲しい」と話した。
 日本選抜の監督を務める西谷浩一大阪桐蔭監督は「ブラジルという日本と関係の
深いところで試合ができることが嬉しい」と素直に喜び、「全て勝つつもりで挑む」
と力強く語った。最後に「ブラジルの選手たちと交流して、良い財産になれば」と
希望を述べた。
 初めて海外を訪れた浦添商業(沖縄)の山城一樹捕手(三年)は「ブラジル人が
どういう野球をしているのか見てみたい」と目を輝かせた。「不安はあるけども、し
っかりと楽しみたい」と力強く語った。

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■「『武蔵』は化け物だ」=ビエナル・ド・リブロ=10万冊も売れ特別版まで
=伯文学へ日本の影響顕著          2008年08月29日(金)

 「『武蔵』は化け物だ」。聖市アニェンビー国際展示場で十四〜二十四日に開催さ
れた第二十回ビエナル・ド・リブロでは、日本移民百周年記念で十五日に「伯国に
おける日本文学の行方」というテーマの講演会が行われ、改めてベストセラー『宮
本武蔵』の評価の高さが確認された。
 当日は、国際交流基金の協力により講演会がコーディネートされた。司会の高橋
ジョー氏は最初に、「ブラジルの日本文学は『武蔵』の前と後で区切られる」と説明。
上下巻合わせて千八百頁の大作にも関わらず、九九年の出版以来、現在までに十万
冊が販売された。
 出版したエスタソン・リベルダーデ社役員アジェル・ボジャセン氏は「小さな出
版社だったので最初は破産を覚悟で取り組んだ」と決意のほどを振り返る。売れた
理由を尋ねると「我々も分からない。ただ、米国では省略した翻訳本しか出版され
なかった。あれではただのチャンバラ。我々は哲学的な部分も含めた完訳をしたの
が良かったのでは」と分析した。
 さらに、「『武蔵』以前の出版物は、英語版をポ語に翻訳していた。でもそれ以降、
日本語から直接に翻訳することが当たり前になった」と出版業界全体へのインパク
トの大きさを語った。「谷崎潤一郎、川端康成、夏目漱石などもよく売れているが吉
川英治とは比べモノにならない。まるで化け物です」。
 『武蔵』を皮切りに、すでに十冊以上を刊行した翻訳家の後藤田怜子氏は「子供
四人を育て、彼らに日本文化や倫理を知ってもらうのに本で読んでもらうのが一番
だと思った」と翻訳を始めた動機を語った。だが「『武蔵』の原稿を持ち込んだ全て
の出版社で断られた。唯一、覚悟を決めて踏み切ってくれたのがエスタソン・リベ
ルダーデだった」という。
 日本の児童書や絵本の翻訳出版を手がける編集者カシアーノ・エリック・マシャ
ード氏は「私は子供時代にウルトラセブンをテレビで見て育ち、柔道や合気道も習
い、寿司刺身を食べ、カラオケに通い、SOHOで髪を切る。自宅には前衛芸術家・
草間彌生の版画が飾ってある」と自己紹介し、「サンパウロ育ちにはそれが自然。事
実、ブラジル文学にも東京を舞台にするものが幾つも出てくる。日本の影響は顕著
だ」と語った。
 「こんなに影響力のある日系コミュニティがサンパウロにあるのに、フォーリャ
が村上春樹に取材したとき、そのことを知らなかった」と残念そうに語った。
 海外翻訳出版事情に詳しい日本著作権輸出センターの栗田明子取締役会長も「『武
蔵』が十万部とはびっくりした。日本でもそんなに売れてない」と驚いた様子。ボ
ジャセン氏は年末には『武蔵』の特別装幀版を出す予定だと明かした。基金の高橋
氏は「この十年で日本文学は軽く三十冊は出版されている」とし、『武蔵』以前に比
べ「出版点数が顕著に増えている」と語った。

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■橋本梧郎氏が死去
                       2008年08月28日(木)

 サンパウロ博物研究会(通称・博研)の創立者で顧問の植物学者、橋本梧郎さん
が二十六日午後十一時半、多臓器不全のため入院先の日伯友好病院で亡くなった。
九十五歳。
 心臓や腎臓の持病があったが急に容態が悪くなり、十二日からUTIに入ってい
た。
 静岡県掛川市出身で一九三四年、「モンテビデオ丸」で移住、サンパウロ市郊外に
あるエメボイ農業学校を卒業する。
 モジ市の日本語学校で校長、三八年「栗原自然科学研究所」生物学部長、五〇年
に「博物研究会」を設立する。
 五四年にパラナ州グァイラ市の農事試験農場長として活躍するかたわら、日系人
による初の博物館「セッテ・ケーダス博物館」を同地に創設、館長に就任。
 パラナ州農務省で勤務ののち、七七年、同州ローランジャ市にある「パラナ開拓
農業博物館」の資料収集、初代館長となる。
 聖市イタケーラ区の博研本部に八四年、主に植物標本を展示した「博物記念標本
館」を設立、館長を務めていた。九〇年に勲五等双光旭日章。『ブラジル産薬用植物
事典』『ブラジル植物記』など著書多数。
 博研の会員で三十年来のつきあいだった沖真一さんは、「研究熱心でいつも書き物
や調査をしていた。かつてはブラジルの学者らと丁々発止の議論をしていた」と話
し、「私自身も色々教えてもらった。コロニアにとって貴重な存在だった」とその死
を悼んでいた。
 葬儀は博研で二十七日に執り行われ、午後三時に出棺、イタケーラ区のカルモ墓
地に埋葬された。
 初七日は九月一日午後四時から、博研本部(Rua Jaime Ribeiro Wright, 618 ? 
Itaquera、電話=11・2522・8299)で営まれる。

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★ブラジル社会
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■Unctad報告=07年対伯投資が途上国一=BRICsの雄、伯国=来る40
年は牽引車になる=眠り竜が目を覚ますか     2008年08月26日(火)

 国連貿易開発会議(Unctad)は二十四日、ブラジルへは二〇〇六年から二〇
〇七年にかけ、発展途上国では最大の直接投資が行われたことを発表と二十五日付
けエスタード紙が報じた。投資額は前年の百八十八億ドルから一挙に三百七十四億
ドルと飛躍し、中国やインドを上回った。二〇〇八年は世界的に投資が三七%減と
落ち込む中、ブラジルへは七月までに二百億ドルが投じられた。
 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)は七年前、ゴールドマン・サック
ス銀行がブラジルの台頭を予見して命名した名前であるが、二〇〇六年まで「来る
四十年BRICSsの指導者がブラジル」とは誰も信じていなかった。
 多くの多国籍企業や大手ファンドが、ブラジルを見直したのは最近のことだ。こ
れまでブラジルの産業発展を「鶏の羽ばたき」と揶揄したが、新しい時代のときめ
きが今訪れたのだ。世界の投資家が長期投資先として、ブラジルに白羽の矢を立て
たからだ。
 ブラジルのマクロ経済が、確固とした地盤を築いた数々の現象がある。インフレ
が、コントロールされている。基本金利は、引き下げ傾向にある。所得の向上、拡
大ローンの消化、消費力の激増。自動車産業やゼネコン、食品工業、銀行、電子電
気メーカーの業績が順調なことなど。
 弱点は、国内市場がBRICs中最小。労働法が現実に即していない。それでも
国外投資家は、ブラジルの消費市場に魅力を感じている。
 資源では人材と天然資源に恵まれ、BRICs中で最高。アルセロール・ミタル
が二十二日、八億三千万ドルを投じて鉄鉱石の鉱山を購入したことで納得できる。
その他に、岩塩下油田やエタノールがある。
 二〇〇八年のビッグ・ニュースは、ブラジル人の五一%が中流階級入りしたこと
だ。これでウオル・マートは今年、十八億レアルを投資する。レデ・アメリカーナ
が十二億レアルを。
 もう一つ特記すべきは、ブラジルの技術開発費がBRICs中で最大であること。
特に多いのは、ソフト・ウエアとサービス。二〇〇六年には、BRICcsのBは、
どこへ行ったといわれた。それが二〇〇七年、コンピューターの爆発的売れ行きで
蘇った。

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■中銀発表=公債金利支払いが重荷に=7カ月間で1068億Rも=伯経済は
曲がり角=債務政策の改革が必要に       2008年08月29日(金)

 連邦政府と地方自治体の公債に対する利子返済額が一月から七月までで一千六十
八億レアルにも達し、昨年同期比一四・九%増となったと中央銀行は二十七日に発
表したと翌日付けのエスタード紙が報じた。公債の金利支払いが七カ月間で一千億
レアルを超え、負担となり始めたのは初めてのこと。二〇一〇年の黒字財政計画が、
色褪せつつあるようだ。
 国庫は堅調な税収増のお陰で、基礎収支の黒字を保っている。だが、利子支払い
を含む歳出は、歳入より多いので名目収支では八十五億七千九百万レアルも赤字に
転落した。それでも一月から七月の累積名目赤字は、昨年同期比三五%減で一九九
三年以来の最低水準とヴァロール・オンラインは報じている。

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■中銀発表=ローン総額が1兆670億Rに=高利でもローン依存=95年以来の
新記録に=明日は明日の風が吹く        2008年08月27日(水)

 中央銀行は二十五日、企業や個人が高金利に関わらず益々ローンを受けることに
奔走と発表したことを二十六日付けエスタード紙が報じた。七月の融資総額は、前
月比一・七%増の一兆六百七十億レアルに達し、GDP(国内総生産)の三七%に相
当という。金融機関は、平均で三九・四%の利子を徴収している。
 ローンの増加は、国民が所得の向上で生活にゆとりを感じ始めた徴と関係者は見
ている。法人、個人ともに高金利は、眼中にない。中銀の基本金利引上げの歯止め
は、効果がないようだ。
 八月十三日時点で平均金利は四〇%、個人ローンの金利は五一・九%にも達する。
貸越特別小切手に至っては、年一六五・四%だ。中銀が金利を上げても、返済期限
を引き伸ばせば、引き上げ効果など溶解する。
 生活費の高騰を先送りすることで、生活の豊かさを即時に満喫しているのだ。明
日は、明日の風が吹くということ。企業は消費市場の需要に応えるため、銀行融資
を受けて増産する。特に運転資金が必要だ。
 中銀は、ローンの限度をGDPの四〇%としている。これを超えると最後の晩餐
になり、米国の轍を踏む。ローンの攻勢には、銀行スプレッド(銀行間取引)の影響
がある。スプレッドの平均金利は今、二五・六%。銀行は必要な資金を調達するた
めに手綱を緩め、市中金利を引き上げた。

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■聖州で今も続く奴隷労働=サトウキビ収穫をめぐる抗争=アルコール躍進の
陰に死も                   2008年08月27日(水)

 二十六日フォーリャ紙に、地面に押さえつけられた青年や、銃を手に取り巻く警
官の写真。聖州サトウキビ労働者のスト中に起きた二度目の衝突の様子を伝えるも
のだ。
 国内のサトウキビ生産の六〇%を占める聖州での労働者スト開始から一週間。砂
糖アルコール業界は二十二日に、労働者のバス運行阻止を禁ずる裁判所の仮処分を
得たが、これを不服に思う労働者らは労働者組合前に集結。基本給一〇%引上げと
収穫量毎の報酬(畝一メートル当たり八〜一三センターボ)の二〇センターボへの
引上げ要求中の労働者らの抗議行動は、三人逮捕、六人負傷の事態にまで及んだ。
 二〇一四年までに収穫の完全機械化を目指すサトウキビ栽培では、機械より高く
つく人件費は安く抑えたいところ。大躍進の砂糖アルコール業界の収益は収穫労働
者にまで届いていない状態だ。
 二十日フォーリャ紙によれば、サトウキビ労働者の日給は、一九八五年の三二・
七レアルから二〇〇七年の二八・九レアルと減額。一方、一人当たりの一日の平均
収穫量は、同時期に五トンから九・三トンに増加している。
 この一人当たりの収穫量増加は、労働者が休憩時間を削って勝ち取ったもの。そ
のため、過労死、身体を壊した労働者、鎮痛や労働効率を上げるための麻薬常用な
どの問題も引起こした。
 また、労働者の文盲を悪用し日当を少なく払う雇用者や、防具も提供せずに働か
せる、劣悪な条件の住居など、奴隷労働にあたるケースも多い。
 最新技術を集約した工場や、大統領も英雄扱いする業界の陰に、聖州では家族収
入が二最低賃金以下の労働者が八一%という実態や、この分野の黒人や黒人系労働
者が人口比や農業全体の構成比より各々七六%、五四%増の四九%(全伯では四三・
四%、五五%に対し六三・七%)と多い、平均就学年数は三・七年などの事実をど
れだけの人が知っているだろうか。
 夜明け前から働く父親を見慣れず、父親が怖いと泣き出す子や、奴隷労働から解
放のニュースも読めない労働者。日々の糧を得るために働く労働者にはスト実行者
の考えがわからないのか、スト参加率も低いという。
 日々の糧のために奴隷労働に追われ、将来の失職の恐怖に悩む人々。サトウキビ
栽培だけを見ても、社会の歪みはなかなかなくなりそうもない。

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■発達した集落の存在確認=カブラル以前の先住民たち=伯米の考古学調査
チーム発表                  2008年08月30日(土)

 アマゾンのシング―河上流域に、小国家ともいうべき先住民の大規模集落が形成
されていたと考古学者たちが発表した。
 二十九日伯字紙によると、この研究は伯米の学者の共同作業。未踏のアマゾンと
みられていたマット・グロッソ州(MT)シングー先住民公園域内での、市街地化
された大規模集落形成が確認されたという。
 伯国の歴史はカブラルによるブラジル発見(一五〇〇年四月二十二日)からと考
え易いが、それ以前から国内に住んでいた先住民は相当数おり、今回の研究地域で
の一二〇〇〜一六〇〇年の先住民人口も五万〜一〇万と推定。一万七五〇〇平方キ
ロ(五万平方キロに及ぶ可能性もあるという)の地域に広がる先住民国家は、防護
壁で囲まれ三〇ヘクタール以上の面積の市と、それより小規模な町や村から成る。
学者たちが実に計画的に形成されているという市街地は、宗教的儀式などのための
広場を中心に住居が広がり、各集落間も道路網でつながっている。
 また、一五カ所はあったと考えられる市は、すべて丸太で作った防護壁で囲まれ、
大きいものは五〇ヘクタール、人口も二五〇〇人規模と考えられている。また、防
護壁外ではマンジョッカや果実の栽培も行い、集落の端には、農漁業の道具や収穫
物保存用の小さ目の小屋もあったという。

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■盗聴防止ビジネス繁盛=暗号化ソフトで海外進出
                       2008年08月30日(土)

 連邦警察の盗聴作戦で、盗聴ビジネスが表面化。ブラジルには全国で五十万の不
法盗聴機器がある。盗聴防止機器も多数、出回っている。
 盗聴機器は年々高性能化し、三〇%増の勢いで普及。盗聴器は、事業家や政治家、
弁護士、金融市場のオペには、なくてはならない商売道具となっている。
 価格は、二千七百レアルから一千八百七十レアルへ値下がり。設備の工事費は、
三千五百レアル。盗聴防止は、電話器や携帯電話の中にソフトを装填するだけ。
 イスラエル製の音声を暗号化するソフトが、六〇%を占める。ミナス州のブレメ
ル社は、盗聴防止ソフトを開発、国外進出を検討中だ。
 ブラジルの盗聴防止ビジネスは、年三〇%増の勢いで増加。ブラジルばかりでな
く、ラテン・アメリカ全域やアジア地域でも新ビジネスとして、事業拡張にいとま
がない。

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《邦字紙用語解説》リベルダーデ=日本人移民が集住する地区、別名は東洋人街、
聖市=サンパウロ市、聖州=サンパウロ州、ポ語=ポルトガル語、日語=日本語、
コロニア=移民一世を中心とした日系社会の一部、伯国=ブラジル、伯人=ブラジ
ル人、南大河州=リオ・グランデ・ド・スル州、亜国=アルゼンチン、R$=ブラ
ジル通貨単位レアル。

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Tel=国番号(55)11-3208-3977(代)
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