[ 創作・二次創作 ]

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小説の館 Vol.14
発行日:2007年10月30日
発行人:丘澄絵梨奈

webサイト:Creation World

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【コンテンツ】
二次創作小説「満月の呪い」第8話
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     ★「満月の呪い」第8話★
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 シュリケンジャーに指示された場所にようやくたどり着いた一甲が見たものは、

地面に倒れている一鍬の姿だった。
「一鍬!!」
 一甲は駆け寄って弟を抱き起こした。
「一鍬、しっかりしろ!」
 その声に一鍬がゆっくり目を開けると、心配そうに自分を見ている兄の姿があった。
「兄者…」
「大丈夫か? 一鍬。 いったい、何があったんだ?」
「すまない。 兄者…」
「何を謝る? おまえが謝ることは何もない」
「あのとき、兄者の命が消えていこうとしているのに、

俺はただ黙って見ているだけしかできなかった… 

兄者を失うのが怖くて、何もできなかった!! 迅雷の里で俺に言ったよな? 

『サソリの毒で苦しんでいた俺の命を救うことができないなんて、見損なった』と。

本当にすまない。 許してくれ。 兄者…」
 縋りついて、涙を流しながら謝る一鍬に、一甲は思考をめぐらせた。
 あの日、一鍬を探して迅雷の里に行った自分は、弟のチェンジャーは見つけたが、

一鍬の姿はどこにもなく、ジャカンジャと戦ったらしい名残があった。
(マンマルバめ、俺に化けて一鍬を惑わせるとは、許さん!!)
 一甲は一鍬が落ち着くまで、背中をなでた。
「一鍬、あのときのことは何も心配しなくていい。 

俺のほうこそ、おまえを一人おいていこうとした。 すまない… 

だが俺はこれからもおまえと共に生きていきたい。 一鍬、これからも俺のそばにいてくれ」
「本当にいいのか? 兄者…」
「あたりまえだろう。 おまえは俺のたった一人の弟なのだから」
「ありがとう…」
 そういって、一鍬が一甲に笑顔を向けようとしたとき、胸にまたあの痛みが走った。
「一鍬!? どうした?」
「大丈夫だ… 兄者… うっ!!」
「一鍬!!」
 一甲は一鍬が無理をすることのないように背中を支えた。
「いったん家へ戻ろう」
 一甲は一鍬を支えて家へと戻っていった。


 一方、おぼろ研究所へ呼び戻された鷹介たちは、

おぼろからキラーに秘められた能力を聞かされていた。
「今の話、本当なの? おぼろさん」
「間違いない。 キラーはどんなものにでも姿を変えられるコピー能力を持っているんや。 

その人物の声やしぐさ、特徴までもしっかりとコピーし、本物とも区別がつかない状態や」
「じゃあ、迅雷の里に一鍬を呼び出したのは、キラーってことか?」と、鷹介。
「おそらく、一鍬を呼び出したのがマンマルバで、キラーは一甲に化けていたんじゃないのか? 

そして、一鍬の動揺を誘うようなことを言って、一鍬を連れ去った。 

こうは考えられないかな?」
「あたしも、吼太の意見に賛成や。 

本当はこのことを一甲にも伝えよう思ってたんやけど、一甲はどこに行ったんや?」
「一甲だったら、一鍬のところへ行かせたよ」
「なんやて?」
「シュリケンジャーから一鍬が見つかったって連絡があったの。 それで…」
「それやったら、仕方ないわ。 一甲には明日話すとしよう」

 

 一甲は一鍬を支えて家へ入った。
「大丈夫か? 一鍬」
「ああ、大丈夫だ」
 一甲は一鍬を座敷に座らせると、隣の部屋へと入った。 

そこは普段、2人が寝室として使用している場所だった。
 一甲は布団を1組敷いて、座敷へと戻った。
「一鍬、隣で少し休め。 俺は風呂に入ってくる」
「ああ。 ありがとう」
 一鍬は、部屋へ入るとジャケットを脱いで横になった。


 数分後、一甲が入浴を済ませて戻ってくると、一鍬がうなされていた。
 怖い夢でも見ているのかと思い、一甲は寝室の戸を開けて中へと入った。
 一鍬は胸を抑え、顔を苦痛にゆがめていた。
 一甲は、一鍬の身にいったいなにがおこっているのか確かめるため、

透視術を行うことにした。
「超忍法、透視術!!」
 一甲の全身から紅い稲妻の粒子がたちのぼり、一鍬の体内へと入っていく。
 一甲は目を閉じて、精神を粒子のほうへ集中させた。
 一鍬の胸のあたりに粒子が集まる。
「こ、これは…!!」
 一甲にも見覚えのある形をしたものが、一鍬の胸にはうえつけられていた。
「宇宙サソリの卵!!」
 一甲は目を開けた。
(おのれ、マンマルバ!! 俺だけでなく一鍬までも!!)
 さらに一甲は、数日前に見た悪夢のことを思い出した。 

自分の腕の中で、苦しみながら命を落とした一鍬の夢…
 全身の震えが止まらず、身体から力が抜けていった。
 自分の体内にサソリが埋め込まれていたとき、一鍬がどんな思いをしていたのか、

逆の立場になって ようやくわかったのだ。
(俺はおまえにこんなつらい思いをさせていたのか… 許してくれ… 一鍬…)
 一甲は弟の汗を乾いたタオルで拭き取った。
 一鍬が目覚める気配はまだなく、表情は苦悶のままだった。
 掛け布団の上に出ている一鍬の手が震えている。
 一甲は弟の手を両手で握りしめながら、心に誓った。
(一鍬、おまえを死なせはしない!!)

第9話に続く


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