<< 前のページ  |最新号|   次のページ>>

<Carbon Tax Expressのご案内>

 昨今、地球温暖化防止のための政策として、環境税・炭素税が注目されていま
す。このメールマガジンは環境税・炭素税に関わる最新動向を、月2回皆様にお
届けするためのものです。日々刻々と変化する環境税・炭素税の周辺状況を追う
ための情報源としてお使いください。

<Carbon Tax Express 創刊号発行にあたり>

 当センターは、環境税/炭素税に関し政策提案の作成、省庁や政党との対話、
セミナーの開催、書籍の出版などの活動を行ってきました。他のNGOとの連携、
省庁や議員の尽力もあり、環境税/炭素税議論は、急速に深まってきました。し
かし、企業や消費者も含めまだまだ議論が乏しく、環境税を導入すべきかすべき
でないか、導入するとしてどのような制度とすべきか、など合意がなされていま
せん。そこで、環境税/炭素税に関する国際状況やさまざまなセクターにおける
議論の最新状況を、より多くの人がシェアしながら、議論をさらに深めていくた
めに、本メールマガジンを発行することといたしました。
 このメールマガジンを是非継続的にお読みいただくとともに、その内容に関す
るアドバイスもいただけますと幸いです。

                     (JACSES事務局長 足立 治郎)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

目次:

<ヘッドライン>
1.【行政】京都議定書達成計画を閣議決定 意見募集で大きな修正なし
2.【海外】ニュージーランドが炭素税を導入
3. 【行政】環境省中央環境審議会が
「環境税の経済分析等に関する専門委員会」を発足させる
4. 【海外】EUの温室効果ガス取引スキーム イギリスで準備整う
5. 【NGO・市民】第7回炭素税議員勉強会開催される
6.【企業】日本経団連、地方団体長会において
引き続き環境税導入反対の考えを表明
7.【海外】EUの2005年グリーンウィーク 気候変動に焦点
8.【企業】JAF、自動車関係諸税の見直しなき環境税の導入に反対
9.【政治】自民党国土交通部会にて
道路特定財源の地球温暖化対策効果についての共通認識を形成
10. 【政治】「骨太方針」案のエネルギー関連の記述を巡り、
自民党予算合同会議にて激しい議論
11.【海外】ドイツCDUのメルケル党首、環境税の即座廃止を否定
12.【海外】独クレメント経済相 ガソリンスタンド保護策表明
13.【NGO・市民】ディベート甲子園、高校生の部で炭素税がテーマに
14.【行政】日本付近の年平均気温、
約100年後には約2〜3℃上昇 気象庁予測
15.【行政】03年度の日本の温室効果ガス総排出量、90年比8.3%増に
16.【行政】中環審 総合・地球環境合同部会
施策総合企画小委員会が再開される

<寄稿>
 ●諸富 徹氏 【京都大学大学院経済学研究科助教授】(前編)

<イベント情報>
 ●6月29日、第8回炭素税勉強会を開催
 ●7月7日、スタディーセッション「炭素税/環境税・道路財源入門〜
政策論議の最新動向解説つき!〜」を開催

<お知らせ>
 ☆JACSES書籍・ブックレット・資料集等の紹介
 ☆会員募集・寄付のお願い
 ☆インターン・ボランティア募集
 ☆環境税に関する情報などの募集に関するお願い

<編集後記>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<ヘッドライン>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.【行政】京都議定書達成計画を閣議決定 意見募集で大きな修正なし

 京都議定書が定める「1990年比マイナス6%」という国際公約を果たすため、
政府は4月28日、温室効果ガスの大幅削減を目指す「京都議定書目標達成計画」
を閣議決定した。3月末から4月半ばまで行われた意見募集では「環境税の検討」
「原子力発電の推進」「京都メカニズムの活用」の3項目を中心に、環境保護団体
や産業会などから約1900件の意見が寄せられたが、賛否両論が分かれたため(環
境省)、同項目では記述の修正は行われなかった。

Yahoo! ニュース(共同通信):
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050428-00000045-kyodo-soci

京都議定書目標達成計画(pdf形式):
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ondanka/kakugi/050428keikaku.pdf

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2.【海外】ニュージーランドが炭素税を導入

 ニュージーランド政府は温暖化ガスの削減を目的とする炭素税を2007年から
導入することを発表した。税率は排出炭素量1トンにつき15NZ$(約1145円)の課
税となっており、ニュージーランド政府は年間約3億6000万NZ$(約275億円)の
税収を見込んでいる。この税収は他分野での減税などによって還元するとした。
 
ニュージーランド政府ウェブサイト:
http://www.taxpolicy.ird.govt.nz/index.php?view=362 (英語)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3.【行政】環境省中央環境審議会が
「環境税の経済分析等に関する専門委員会」を発足させる

 5月10日、環境省は「環境税の経済分析等に関する専門委員会」を発足させた。
この委員会は技術的・専門的な見地から環境税の経済的分析・調査を行い、環境
税の総合的な検討に役立てるために設置されたものであり、環境税の価格インセ
ンティブ効果・アナウンスメント効果、国民経済や産業の国際競争力に与える影
響、環境税額の価格転嫁等について、技術的・専門的観点からの調査を行う。第
一回会合は同日5月10日、第二回会合は5月27日、第三回会合は6月14日に行
われた。

環境省ウェブサイト:
http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=5945

中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
環境税の経済分析等に関する専門委員会第1回資料:
http://www.env.go.jp/council/16pol-ear/y163-01.html

中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
環境税の経済分析等に関する専門委員会第2回資料:
http://www.env.go.jp/council/16pol-ear/y163-02.html

中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
環境税の経済分析等に関する専門委員会第3回資料:
http://www.env.go.jp/council/16pol-ear/y163-03.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

4.【海外】EUの温室効果ガス取引スキーム イギリスで準備整う

 イギリス政府は5月24日、EUの温室効果ガス排出量取引スキームの対象とな
る企業に対して、取引口座の開設手続きを開始することを表明した。これは、排
出量取引スキームの第一段階における施設ごとの割当量が、同日発表されたこと
を受けたもの。登録簿が運用可能になったところで、排出量取引の運用が開始さ
れる見込み。炭素税(Climate Change Levy)を導入済みのイギリスは、このスキー
ムの活用により3年間でさらに約6500万トン(約8%)のCO2排出削減を狙う。

UK Department for Environment, Food and Rural Affairs:
http://www.defra.gov.uk/news/2005/050524a.htm (英語)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

5.【NGO・市民】第7回炭素税議員勉強会開催される

 国会議員を主な対象にした炭素税勉強会の第7回目が、炭素税研究会により5
月25日(水)に衆議院第2議員会館にて行われ、議員・マスコミ・一般の方多数が
来場した。当日は、広井良典氏(千葉大学教授)が、『環境税における福祉と環境の
統合の可能性−「持続可能な福祉社会」の構想とともに−』というテーマで報告
を行い、環境と福祉を重視した社会に向けて、炭素税の導入は不可欠との見解を
示した。主催者の炭素税研究会は、JACSES、気候ネットワーク、持続可能社会研
究会などいくつかのNGOメンバー、研究者、税理士、企業人などで構成されてお
り、地球温暖化に対処する炭素税の早期導入に向けて、研究・提言活動を行って
いる。

気候ネットワーク:
http://www.jca.apc.org/kikonet/event/event.htm#36

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

6.【企業】日本経団連、地方団体長会において
引き続き環境税導入反対の考えを表明

 日本経団連は5月25日、都道府県別の経営者協会の会長で構成する地方団体長
会の第7回会合を開催。千速地方団体長会議長があいさつの中で2005年度の導入
が見送られた環境税について言及し、同税が京都議定書目標達成計画において検
討課題とされていることから、引き続き導入反対に向けて積極的働きかけを行っ
ていかなければならないと述べた。

日本経団連タイムスNo,2769:
http://www.keidanren.or.jp/japanese/journal/times/2005/0602/03.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

7.【海外】EUの2005年グリーンウィーク 気候変動に焦点

 5月31日から6月3日にかけて行われたヨーロッパ連合のグリーンウィークで
は、”Get to Grips with Climate Change”がスローガン・目標として掲げられ
た。グリーンウィークは、EUの環境政策を内外に示す毎年恒例のイベントであり、
今年は欧州、世界から200人の報告者が、気候変動を様々な面から探る20以上の
会議、ワークショップ、会合に招待された。代表的なテーマとして、EUの排出量
取引スキームの評価と今後、航空機からの温室効果ガス排出問題、未来の低炭素
経済、気候変動に関する報道のあり方、自然はどの程度まで気温の上昇に適応で
きるのかといったものが含まれた。

EUROPA:
http://europa.eu.int/rapid/pressReleasesAction.do?
reference=IP/05/624&format=HTML&aged=0&language=EN&guiLanguage=en (英語)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

8.【企業】JAF、自動車関係諸税の見直しなき環境税の導入に反対

 2005年5月31日にJAF(日本自動車連盟)が「平成17年度税制改正に関する要
望書」を発表。その中に「環境税については、慎重な検討と議論を尽くす必要が
あり、自動車関係諸税を見直すことなく導入する事には反対」との意見が記され
ている。

JAFの税制改正に関する要望活動のページ内
「平成17年度税制改正に関する要望書」:
http://www.jaf.or.jp/profile/report/youbou/fr/f_index.htm

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

9.【政治】自民党国土交通部会にて
道路特定財源の地球温暖化対策効果についての共通認識を形成

 6月3日に開催された自民党の自民党国土交通部会において、2006年度予算に
向けて政府が今月中に策定する「骨太の方針」に(1)公益事業費をこれ以上削減し
ない(2)道路特定財源を一般財源化しないことなどを盛り込むよう求めていくこ
とで合意した。道路特定財源の環境税への転用を求める声に対し、「道路整備で
渋滞を解消することこそ地球温暖化対策に役立つ」との認識で一致した。

Yahoo! ニュース − 共同通信:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050603-00000076-kyodo-pol

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

10.【政治】「骨太方針」案のエネルギー関連の記述を巡り、
自民党予算合同会議にて激しい議論

 6月8日に開催された自民党の「予算合同会議」において、経済財政諮問会議
が近く取りまとめる予定の2005年の「骨太方針」案の記述を巡り、環境税の導入
を明記するか、道路特定財源の余剰金をどう扱うかなどに関しての議論が繰り広
げられた。それぞれの問題に対して、賛成、反対双方の議員間で激しい議論がな
されたが、この議論は最終的な結論には至らず、今後も同党内での激しい議論が
予測される。

「ぜんせき」6月11日号(発行元:全国石油商業組合連合会)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

11.【海外】ドイツCDUのメルケル党首、環境税の即座廃止を否定

 ドイツ最大野党キリスト教民主同盟(CDU)の党首で、次期首相候補のメルケル氏
がエネルギー産業団体の前で公演し、CDUが選挙で勝利した場合にも、すぐさま
環境税を廃止する考えがないことを示した。同氏は環境税の価格インセンティブ
効果には懐疑的なスタンスを示しながらも、国家財政が圧迫されている現状では
税を廃止できないと表明した。メルケル党首はコール政権下では環境相などを務
めた経歴を持ち、この秋行われる選挙にて、ドイツ初の女性首相を目指している。

Vereinigte Wirtschaftsdienste GmbH:
http://www.vwd.de/vwd/news.htm?id=23695205&navi=home&sektion=wirtschaftp
olitik
 (ドイツ語)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

12.【海外】独クレメント経済相 ガソリンスタンド保護策表明

 ドイツのクレメント経済相は、ドイツの国境地域の住民がより安いガソリンを
求めて近隣諸国に買出しに行くことにより、それらの地域で営業するガソリン販
売業者が廃業に追い込まれている問題に対し、こうした業者に対しては鉱油税
(Mineraloelsteuer)を1リットルあたり1セント軽減する措置をとることを示唆
した。専門家や野党有力者はこうした措置は検討に値するとする一方で、現実性
という意味では難色を示している。

Leipziger Volkszeitung:
http://www.lvz-online.de/lvz-heute/1490.html (ドイツ語)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

13.【NGO・市民】ディベート甲子園、高校生の部で炭素税がテーマに

 NPO法人の「全国教室ディベート連盟」が「全国中学・高校ディベート選手権」
(通称:ディベート甲子園)を開催。2005年大会高校生の部の論題に「日本は炭素
税を導入すべきである。是か非か。」という題が上がった。現在、8月の全国大会
に向けて地区大会が始まっている。

全国教室ディベート連盟ウェブサイト:
http://nade.jp/koshien/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

14.【行政】日本付近の年平均気温、
約100年後には約2〜3℃上昇 気象庁予測

 気象庁は2100年ごろの日本付近の通年の気候変化予測を行った「地球温暖化予
測情報 第6巻」をまとめ、同庁ホームページに掲載した。予測結果としては、
(1)日本付近の年平均気温は全国的に2〜3℃程度上昇する、(2)年間冬日日数(最
低気温0℃未満の日数)が全国的に減少する一方、熱帯夜日数(最高気温25℃以上
の日数)は全国的に増加する、(3)年降水量はほとんどの地域で増加し、最大20%
程度の増加が見込まれることなどが示されている。

EICネット国内ニュース:
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=10286&oversea=0

気象庁平成17年報道発表資料:
http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/press/0505/18b/climate_prediction.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

15.【行政】03年度の日本の温室効果ガス総排出量、90年比8.3%増に

 環境省は、2003年度の日本の温室効果ガスの総排出量を算出、京都議定書の基
準年(1990年度)の総排出量を8.3%上回る13億3900万トンと公表した。増加の
要因としては、人口・世帯数の増加、経済規模の拡大、自動車保有台数の増加ほ
か、原発長期停止で火力発電量が02年度よりも243億キロワット(約4.8%)増え
たことが指摘された。

環境省報道発表資料:
http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=6009

EIC国内ニュース:
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=10340&oversea

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

16.【行政】中環審 総合・地球環境合同部会
 施策総合企画小委員会が再開される

 6月16日、産業界、学識経験者、専門家等からなる環境省中央環境審議会総合
政策・地球環境合同部会の施策総合企画小委員会が昨年の12月ぶりに再開され、
環境税及び関連する施策の最近の検討状況に関して、確認と議論がなされた。各
委員からは、現在別途に進行中で学識経験者からなる「環境税の経済分析等に関
する専門委員会」の討議内容に関する質問が挙がったほか、7月から同委員会が
再開する地方ヒアリングの形態に関しても指摘がなされた。

環境省ウェブサイト:
http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=6076

議事録・当日配布資料等:
http://www.env.go.jp/council/16pol-ear/y162-18a.html
http://www.env.go.jp/council/16pol-ear/y162-18.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<寄稿>

 Carbon Tax Express創刊号の寄稿欄の執筆を引き受けて下さったのは、京都大
学大学院諸富徹さんです。諸富さんは京都大学で経済学の視点から環境税を研究
してこられた専門家であり、現在、アメリカのミシガン大学で客員研究員をなさ
っています。前編にあたる今回はご自身の研究内容やアメリカの各レベルでの気
候変動に対する状況などをお話頂きました。後編は次号メールマガジンに掲載す
る予定です!お楽しみに!!

             * * * * *

 私はいま、アメリカミシガン州のアナーバーという美しい小さな大学町に、ミ
シガン大学客員研究員として滞在しています。研究生活はきわめて快適ですが、
他のアメリカの都市と同様、ここでも自動車がなければ生活上、様々な不利益を
被ってしまいます。ヨーロッパなら中心部に立地しているはずのショッピングセ
ンターをはじめとする公共的な施設が市内各所に分散しており、そこへは自動車
でやって来ることが前提とされています。バスも本数が少なく、こうして自動車
が「生活必需品」と化している実情を考えると、この国にとって自動車利用を抑
制したり、ガソリン価格を引き上げたりするあらゆる試みがいかに不人気な政策
か、実感としてよく分かります。

 これまで私は環境税を研究してきましたが、アメリカではちょっと変わって「政
策課税論」について研究しています。どちらかといえば財政学の領域に属する研
究ですが、環境税も政策課税の一種なので、広い意味では環境税を財政学の側面
から根拠づける研究だとも言えます。

 環境税に対する批判としてよく、「租税はあくまでも財源調達手段であって、そ
れを政策手段として用いるのは邪道だ」という主張があります。しかし現実には、
既存税制も累進税制による所得再分配や、配当軽課による投資促進、法人税の加
速度償却による設備投資促進など、たびたび政策目的に用いられています。ただ、
環境税を含め、公共的な目的を実現するために政策課税を用いる際の理論的根拠
が十分ではないので、それをしっかり構築したいというのが今の私の目標になり
ます。ドイツの憲法裁判所でも最近(2004年4月)、「政策課税としての環境税」
に合憲の判断が下りましたが、この報には私も勇気づけられました。

 アメリカの気候変動政策の現状については、私もメディアを通じて見聞きする
ぐらいですので、読者の皆様に報告できるほどの材料を持ち合わせていません。
それでも、アメリカ社会すべてが温暖化問題を無視しているわけではない点は、
少なくともお伝えしておきたいと思います。

 現政権下の連邦政府部内では新たな動きは全く見られませんが、それでも議会
レベルでは上限価格つきのキャップ&トレード型排出量取引を提案する動きが見
られますし、京都議定書が発効するのを見た産業界の中には、将来的には何らか
の規制導入は不可避だと見て、予見可能な形で自ら対策に取り組むためにも、今
からなんらかの規制を全国レベルで導入すべきだという声すらあります。しかし、
現政権下ではこれらの声が吸い上げられることはありません。アメリカに生じる
変化のすべては、ブッシュ政権後にどのような政権が誕生するかにかかっている
でしょう。

(諸富徹)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<イベント情報>

●6月29日、第8回炭素税勉強会を開催

 国会議員を主対象にした炭素税勉強会の第8回目が、炭素税研究会により6月
29日(水)の15:30から17:00にかけ、衆議院第2議員会館第1会議室で開催さ
れます。今回は、スウェーデンから帰国されて間もない飯野靖四氏(慶応義塾大学)
が、「炭素税導入から14年のスウェーデン−その最新状況と課題−」というテー
マで報告をする予定です。時間、開催場所など詳しい内容は以下のホームページ
にて確認をお願い致します。

気候ネットワークホームページ イベント情報:
http://www.jca.apc.org/kikonet/event/event.htm#39


●7月7日、スタディーセッション「炭素税/環境税・道路財源入門〜
政策論議の最新動向解説つき!〜」を開催

 7月7日に、炭素税/環境税および道路財源についての疑問をときほぐし、「炭
素税/環境税および道路財源の基本的なしくみ」と「日本における政党や省庁の
議論の最新状況」をわかりやすく理解していただくためのスタディーセッション
を開催致します。炭素税/環境税や道路財源に関する意見表明やとりくみを考え
ている市民、NGOや企業の方、教科書にも載っていない社会の最新動向を勉強し
たい学生の方などなど、ふるってご来場ください!なお、時間、開催場所など詳
しい内容は以下のホームページにて確認をお願い致します。

JACSESホームページ イベント情報:
http://www.jacses.org/index.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<お知らせ>

☆JACSES書籍・ブックレット・資料集等の紹介

●『環境税−税財政改革と持続可能な福祉社会−』
 環境税/炭素税に関し、国内外の現状、環境保全効果、経済/雇用や生活/福
祉への影響、税制・財政の中での位置づけ、具体的な制度のデザイン、政策プロ
セスと市民参加などについて包括的に論じた書籍。環境税/炭素税に関する総合
的な理解のための一冊。

●『地球温暖化防止のための環境税資料集 〜適正な制度構築に向けて〜 
  政党部会・省庁・NGO提案と分析、報道資料』
 日本の地球温暖化防止のための環境税/炭素税の政党部会・環境省・炭素税研
究会の制度提案の内容と、その評価、報道資料をまとめた資料集。環境税/炭素
税の議論の最新状況を把握するためにオススメ。

本の詳細やご注文の方法など詳しい内容は以下のページでご確認下さい。
http://www.jacses.org/pub/index.html



☆賛助会員/サポーター募集・寄付のお願い

 JACSESでは、持続可能な社会の実現に向けて、国内外のNPO・政府機関などと
協力しつつ、調査研究・政策提言・情報提供活動などを行っています。現在の具
体的なプログラム/プロジェクトには、「税財政改革」、「ODA改革」、「貿易システム
改革」、「国際会議フォローアップ」、「持続可能な社会像の提示」などがありま
す。これらの活動は、賛助会員/サポーターなど、多くの方々のご支援によって
支えられております。当センターの理念/活動の意義/成果などをご理解頂き、
資金面でのご支援をいただけますと、誠に幸いです。なお、当センターの活動/
成果、会員制度/各種特典など、詳しい内容に関しましては、以下のページをご
覧下さい。
http://www.jacses.org/about_jacses/members.html


☆インターン・ボランティア募集

 JACSESでは「こんなことを実現してみたい」「こんなスキルを身に付けたい」
という積極的なインターン・ボランティアを募集しています。詳しい募集内容は
こちらのページをご覧ください。
http://www.jacses.org/about_jacses/internship.htm
http://www.jacses.org/about_jacses/volunteer.htm

ぜひ、皆様の応募をお待ちしています!



☆環境税に関する情報などの募集に関するお願い

 Carbon Tax Expressの発行にともない、環境税関連の情報を募集しております。
情報を寄せて頂ける方は<adachi@jacses.org>までお願い致します。また、より
良いメールマガジンを作るために、ご意見、ご感想も募集しておりますので、是
非同アドレスまでご連絡下さい。(なお、ご提供頂きましたメールマガジンへの掲
載可否、記事にする際の編集に関しては、当方が責任を持って決定させて頂きま
すので、ご了承下さい。)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

<編集後記>

 Carbon Tax Express創刊号、お役に立てたでしょうか?創刊号の発行に安心す
ることなく、これからも少しずつ、大切に、このメールマガジンを育てていきた
いと思っております。そのためにも、ご助言・ご意見などを頂ければ、とても嬉
しく思います。

 2005年の6月14日に開催された中央環境審議会総合政策・地球環境合同部会
の「環境税の経済分析等に関する専門委員会」第3回会合に行ってきました。今
回の会合では、(1)環境税の効果(特に価格弾力性について)(2)国境税調整につい
て主に話し合われました。価格弾力性については、短期と長期の定義の問題など、
幾つかの点で議論されましたが、大筋では、短期・長期共に環境税の効果が期待
できるという意見が大勢を占めました。

 京都議定書の約束期間が目前に迫る中、焦りを感じもします。議定書という世
界と交わした約束を守らないで良いわけもなく、炭素税の早期導入が必要かと思
いますが、その一方で、今後の日本に大きく関わる制度である以上、いい加減な
制度になることは避けなければなりません。実りのある議論を早期に重ねていか
なければならないと感じました。そしてその中で、自分は何が出来るのかをもっ
としっかりと考えていかなければならないと思いました。

    (JACSESインターン佐々木)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆発行◆

 特定非営利活動法人 「環境・持続社会」研究センター (JACSES)
 〒106−0047 東京都港区南麻布5-2-32 興和広尾ビル2階
 TEL:03-3447-9515 FAX:03-3447-9383
 E-mail:jacses@jacses.org URL:http://www.jacses.org

 発行責任者 足立 治郎
 編集 坂本 耕・篠原 真希・佐々木 琢哉
協力 田辺 有輝 

 このメールマガジンは一部「環境再生保全機構地球環境基金」の助成を受けて
発行されています。

※本文中のリンクは、発行日の時点で有効なものです。リンク先の内容に関して
は、当方では責任を負いかねますのでご理解頂きますようお願い申し上げます。
また、不適切なリンクのある場合は、次回号より訂正致しますのでご指摘いただ
けますと幸いです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<< 前のページ  | 最新号 |   次のページ>>