7分で理解 実録!双方向コミュニティ・マーケティング 創刊号
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7分で理解 実録!双方向コミュニティ・マーケティング
エイベック研究所
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● はじめに 〜このメルマガの内容〜
このメルマガは、見えなくなった市場に対し果敢に挑み続ける、
心ある真のマーケターの方々に向けて発行されています。
21世紀を迎え、供給過多の時代が極まり、さらに顧客の動向、気持ち
が見えなくなってきています。「ヒット広告」は生まれても「ヒット
商品」は生まれず、ついに顧客は、企業から発信される情報に信頼を
持たなくなり始めました。そして企業も、自らのサービスが提供する
顧客満足に自信を失いかけています。
「双方向コミュニティ・マーケティング」は、この問題を解決するた
この、次世代マーケティング手法です。インターネットの最大の特徴
である「双方向性」をフル活用し、企業と顧客の直接的で協調的な
関係を再構築します。
インターネット黎明期より、160社を超える企業と顧客の関係構築を
デザインしてきたエイベック研究所が、成功経験をお持ちのマーケ
ティング担当者様との双方向コミュニティ・マーケティングに関する
座談会を実録形式でお届けします。
【目次】
〔座談会〕株式会社エクシング×エイベック研究所
「双方向コミュニティ・マーケティングで
顧客との壁がなくなった!?」
第1回――「行き詰るマス・マーケティングのネクストとは?」
<市場調査で捜していた「カラオケの顧客」>
<マス・マーケティングでは消費者の動的嗜好性が見えない>
<インターネットの特性を活かした
「双方向コミュニティ・マーケティング」>
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〔座談会〕 株式会社エクシング×エイベック研究所
「双方向コミュニティ・マーケティングで
顧客との壁がなくなった!?」
みなさん。こんにちは。
エイベック研究所、ニュースレター編集部の河原奈央です。
これから皆様にお送り致しますのは、
双方向コミュニティ・マーケティングの最前線の実況中継です。
企業と顧客の新しい信頼関係の構築に向け、
いち早く、具体的施策を実践されている成功企業様をお招きして、
座談会を開催しております。
実際の苦労話、成功秘話などを、
根ほり葉ほり聞いて行きたいと思います。
第一回は、JOYSOUNDブランドで事業展開されている
エクシングさんをお招きいたしました。
エクシングさんが実行されている興味深い施策のお話を、
これから全8回にわたってお送りいたします。
「消費者の気持ちが分からない」とお悩みの企業の方々、
とくにマーケターの方、必見です!
それでは記念すべき第一回目の「双方向コミュニティ・
マーケティングで顧客との壁がなくなった!?」を
どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ。
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[出席者]
安井正博
株式会社エクシング エンタテイメントビジネス事業部
BMD 部長代行
小泉一知
株式会社エクシング ジョイサウンド事業部 企画制作部
マーケティングG グループ長
三野明美
株式会社エクシング ジョイサウンド事業部 企画制作部
マーケティングG 係長
寺西初
株式会社エクシング エンタテイメントビジネス事業部
BMD BMG
鳥山良介
株式会社エクシング エンタテイメントビジネス事業部 ACD
Amusement Contents G コンテンツディレクター
武田隆
株式会社エイベック研究所 代表取締役
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第1回――「行き詰るマス・マーケティングのネクストとは?」
<市場調査で捜していた「カラオケの顧客」>
――本日は、次代のマーケティング手法、「双方向コミュニティ・
マーケティング」のメソッドを研究・開発されたエイベック研究所
代表の武田さんと、そのメソッドを導入し、すでに「双方向コミュニ
ティ・マーケティング」を実践されている、株式会社エクシングのス
タッフの方々にお集まりいただきました。
行き詰まりを見せるマス・マーケティングのネクストとして注目され
る「双方向コミュニティ・マーケティング」について、皆さんにお話
していただきたいと思います。
それでは、まずはエクシングさんの事業内容からお話しいただけます
でしょうか。
安井
「私たちエクシングは、『ジョイサウンド』ブランドとして業務用の
通信カラオケを製造・販売しております。また、コンテンツ・プロバ
イダーとして、『ポケメロJOYSOUND』のブランドで携帯電話の着信メ
ロディを中心としたモバイルコンテンツ事業の運営を行っております。
以上が弊社の事業の2つの大きな柱です。
会社の成り立ちからお話ししますと、弊社はブラザー工業、インテッ
クなどの合弁会社として出発しております。現在の位置づけとしても、
ブラザー・グループのなかの一企業です。
会社のルーツはブラザー工業が発売した『タケル』というパソコン用
ソフトの自動販売機「TAKERU(タケル)」にあります。この事業は、
ブラザー工業が製造した自動販売機で、パッケージ化された既存の
コンテンツ(ゲームソフト)を新たに通信ネットワーク(ISDN回線)
で販売するというスキームで他社に先駆けてスタートしました。
ところが、ISDNが通信環境として成熟しなかったことと、こちらがノ
ンパッケージのまま、ゲームメーカーからソフトを仕入れて販売する、
というコンセプトが時期的に早すぎたため、このビジネス・モデルは
成功しませんでした。
そこで、このスキームを活かした新しい事業は何かと考えたときに
行き着いたのが、通信カラオケでした。
それまではレーザー・ディスクというソフトを必要としたところを、
通信によってコンテンツを提供するスタイルの、通信カラオケという
新しい事業を、14年前に立ち上げました。
こうして、通信カラオケのはしりとして一時代を築いた後、新規事業
を模索していた所、1999年、ドコモさんのiモード誕生を期に、ジョイ
サウンドで培ったMIDI(Musical Instrument Digital Interfaceの略。
楽器演奏の要素となる音の高さや大きさ長さと音色や効果を数値化し
た「演奏情報」の内容をまとめ、メーカーを越えて標準化されたもの)
を活用した、着メロダウンロードサービスという新たなビジネス展開
をはじめました。
通信カラオケ配信とモバイルコンテンツ配信、この2つを事業の柱と
しながら、現在では、新規事業の開発にも積極的に取り組んでいます」
――それらの事業を展開されるなかで、エイベック研究所と知り合わ
れる前には、どのようなマーケティング手法を実践されていたので
しょうか?
小泉
「通信カラオケを扱うジョイサウンド事業部では、定期的に定量調査
を行っていました。エンド・ユーザーもしくはチャネルに対して、
いわゆるマンパワーでのアンケート調査を実施し、それをベースに
して企画を練っていたわけです。それと、新たな企画に絡めた、
スポット的なアンケートの実施ですね。
カラオケボックス・チェーンとして大規模な店舗展開をしている場合
は、店舗への勧誘や会員の囲い込みなどを通じて、ユーザーの数を
一定の状態で保っていられます。
しかし、弊社では、大規模な店舗展開をしていないので、ジョイサウ
ンドのファン的な要素を持ったユーザーがどこにいるのか、定期的に
市場調査、定量調査を行わないと分からないんです。
つまり、ロイヤルティ(帰属意識)のあるお客様を、こちらから捜さ
なければならない状態だったんです」
武田
「そうしないと、ユーザーの素顔が見えないということですね」
小泉
「そうなんです。で、その定量調査の結果をたたき台として、チャネ
ル・ユーズに対する営業施策を組んでいくわけです。
ただし、カラオケのハードに入る楽曲、つまりソフトの編成やその
見せ方などについては、ユーザーの反応がデータとしてストレートに
伝わってきます。これが通信カラオケの利点です。
その利点を活かし、お客様の反応に応じたイメージを構築して、それ
をタイムリーに打ち出していきます。
従来のパッケージ型のレーザー・ディスクでは、ある程度ユーザーの
反応が分かっても、それからプレスして、実際に納品するまでにはか
なりのタイムラグがありました。
それが通信型のハードになり、それも一般電話回線からブロードバン
ド接続になって、さらにデータの送受信が速くなったので、画像も含
め、いろいろなサービスの提供が、よりスムーズに行えるようになり
ました。
ですから、通信のスピードが速くなればなるほど、ユーザーの反応に
即座に対応して、ソフトに反映させていくことができるようになりま
すし、また、そうしていく必要があるんです」
<マス・マーケティングでは消費者の動的嗜好性が見えない>
武田
「最近、さまざまな企業のマーケターの方たちから、科学的なマス・
マーケティングの手法が機能しなくなってきているというお話を多く
伺います。
エクシングさんの場合でも、こういった定量型のマーケティング
における課題のようなものはありますか?」
小泉
「それはまず、定量調査はマンパワーで実施しなければならないとい
うことですね。相当な数の人からアンケートをとらなければならない
ことの難しさが、そこにはあります。
それと、お客様の動向を知るために、定期的に大々的な定量調査を行
い、定点観測をしなければならないことの大変さもあります。
そのうえ、この方法で調査を行っても、ジョイサウンドのファンとい
える人が一定の期間サービスを受け、そこから意見がどのように変化
したか、というところを抽出しづらいんです。
継続的な調査ではありませんから、かいつまんだ点と点の部分は分か
るけれども、見えていない部分は推測で補うしかありません。見えて
いる点と点を結んで、おそらくお客様の動向はこうであろう、と思う
しかないんですね」
武田
「常に変化している動的な生活者が、定量調査では見えづらい、と
いうことですね」
小泉
「はい。それに、定量調査の場合、何か企画を立てた前後、あるいは
施策を打った前後のユーザーの反応が測りづらいということもありま
す」
寺西
「カラオケボックスに行くお客様は、ハードではなくて、その店舗
自体をまず選びますよね。ジョイサウンドの通信カラオケを体験する
前にワンクッションあるわけです。
ですから、ジョイサウンド・ブランドがお客様には見えにくいという
ところもあると思います。お客様がふだん行っているカラオケボック
スと、ジョイサウンドというブランドがなかなか結びつかないんじゃ
ないか。
そんななかでの定量調査となると、顧客の嗜好が正確には読み取りづ
らいかな、と。たしかに、そういう問題点もあるかもしれません」
武田
「顧客の顔が見えない、顧客の動向がつかめない、というのは、
消費者の価値が多様化・細分した現在、どの企業でも抱えている問題
だと思います。
直接、顧客に触れずに、調査結果をレポートで眺めるだけでは、市場
の動きがピンと来ないとおっしゃる方が増えています。
それは、観察者である企業と、観察される側である消費者モニターと
いう、主体と客体が明確に別れた関係では、解り合えることに限界が
あるということだと思います。」
<インターネットの特性を活かした
「双方向コミュニティ・マーケティング」>
安井
「私たちエンタテイメントビジネス事業部では、着メロなど各サイト
のなかで、リクエストを受け付けたり、アンケートを行ったりと、ユ
ーザーの声をすでに聞いてはいました。以前からポケメロ会員の声を
拾う機会は持ってはいたんです。
一方で、カラオケのジョイサウンド事業部と同じように、マンパワー
による市場調査、定量調査も行っていました。また、人をひとつのス
ペースに集め、私たちがモデレーターと一緒に作成したテーマに基づ
いて進行するグループインタビューも何回か実施していました。
しかし、グループインタビューはそれなりの効果はありますが、
時間的な拘束も受けるしコストもかかります。
そこへ、エイベックさんを紹介され、企業がスポンサーとなってオン
ライン・コミュニティをつくり、それが新しいマーケティングの手段
になるというお話をお聞きしたんです。
同じような嗜好性を持ったオンラインのユーザーがコミュニティを
形成し、それを活性化させ大きくしていく、というお話だったんです
が、それはまだ私たちが知らなかった、新しいマーケティングの世界
でした」
――オンライン・コミュニティを形成してマーケティングを行うとい
うのは、具体的にはどういうことなのですか?
武田
「そもそも、オンライン・コミュニティの歴史は、パソコン通信、た
とえばニフティ・サーブのころから現在までずっと続いているもので
す。
自社のホームページに来訪者を定着させたいという企業が、掲示板を
設置するなど、オンライン上でコミュニティを形成する動きが出てき
たのは、‘97〜‘98年ころでしょう。
こうして企業とオンライン・コミュニティの関わりが始まったのです
が、そのうちに、2つの運営コスト上の問題が浮上してきました。
ひとつは、コミュニティに参加するユーザーの極度に細分化する嗜好
を満足させることにかかる活性維持コスト、もうひとつが、コミュニ
ティ内で起こる人間関係の揉め事の対応にかかる安全維持コストです。
オンライン・コミュニティを運営するにあたっての企業の負担が相当
なものになっていったんです。本業ではないコミュニティにあまり
コストを掛けていられない、というのが企業の本音でした。
しかし、こうした問題は、逆にいえば、オンライン・コミュニティに
ユーザーがたくさん集まるから起きることです。コミュニティのユー
ザーとはすなわち潜在的な優良顧客です。自ら集まってくる彼らを
逃す手はありません」
――では、従来のオンライン・コミュニティと、エイベック研究所が
開発したものとでは、どのような違いがあるのですか?
武田
「私たちのシステムでは、ユーザーに、コミュニティ内でそれぞれの
趣味嗜好に合わせたサークルを立ち上げる自由を与えています。
たとえば、『韓流映画好き集まれ!』とか『大分の5時からを遊ぶOL
の会』というように、ユーザー自身がメンバーを募ってサークルを
作るわけです。
作られたサークルは、全てのユーザーが目にする検索ボードに登録さ
れます。サークルは、更新日順に並び替えられて表示されるので、
人気のあるサークルは益々メンバーを獲得できる機会が得られる
仕組みです。
こうすることでサークルは、人気に応じて適切なスケールまで自然
拡張し、コミュニティの活性が自律的に維持されるようになります。
私たちはこれを、『コミュニティ版・神の見えざる手』と呼んでいま
す。
また、それまでサーバーの管理者しか持っていなかった、参加申込み
の許可・拒否、個別の発言に対する注意、退会処理、サークルの解散
などの権限を、オーナーとしての彼らサークル発起人に与えました。
こうしたことで、サークル内の揉め事は、すべてオーナーによって
解決されるようになりました。ユーザー自身の活動により、コミュニ
ティが自己浄化される仕組みです。
こうしたコミュニティの自律システムの完成によって、企業は、活発
で安全なコミュニティを、低コストでユーザーに提供することが可能
になりました。
しかも、オンライン・コミュニティは広くインターネット上に開放さ
れているため、メンバーがメンバーを呼び、企業にとっては潜在的な
優良顧客が自己増殖することになります。
そうして醸成されるコミュニティに対して、企業は専用の管理ツール
を使い、ユーザーが主体的に活動する様子、いわばライフスタイル
全般にかかる活動状況を鳥瞰することができます。
さらに、特徴的なユーザーを選んで、オンラインでの定性調査、グルー
プインタビューを即座に行うことも可能になったのです。」
安井
「私たちも昨年の12月から今年の2月にかけて、エイベックさんの
メソッドによって、はじめてオンラインでのグループインタビューを
行いました。マーケティングの一環としてそうした試みを行ってみ
ても面白いんじゃないかな、と思って実施してみたわけです。
オンラインでのグループインタビューを実施したもうひとつの理由は、
エクシングという会社の形態にも関係します。
弊社のカラオケジョイサウンド事業部の企画・制作部門は名古屋にあ
ります。事業部の本部機能も名古屋です。方や、モバイルコンテンツ
事業に関しては、そのほとんどが、東京が拠点となって事業展開をし
ています。
ですので、これまでは地域の離れた2つの事業部が、同じユーザーに
対して別々の視点で見ていたと思います。
それが、弊社がスポンサーとなったオンライン・コミュニティ、
『ジョイサウンド・サークル』を両事業部が一緒になって立ち上げた
ことで、同じユーザーのなかにカラオケとモバイルの両方に対して
興味の軸がある人が、相当数いるということに気づかされました。
なかにはカラオケのほうがより好きな人がいたり、モバイルのほうに
関心の強い人がいたりもするでしょうが、いずれにしても、彼らコ
ミュニティのユーザーを対象として、カラオケとモバイルの両事業部
が、一緒にオンラインでグループインタビューすることができるんで
す。
いってみれば縦割り的な部分があった両事業部の間をつなげる役割を
してくれたわけなんです。これが、オンラインで運営が出来るという
意味でもエイベックさんのメソッドの興味深い点だと思います。
そこから、今まで見えなかったお客様の動向が見えるんじゃないかと
いう期待がありました」
武田
「顧客との対話を、負荷なく大人数で同時に行えるのは、双方向とい
うインターネットの特性によるものです。
実際、エクシングさんが実施されたオンライン・グループインタビュー
は、顧客との接触を通して、非常に興味深い結果が得られました」
安井
「そうですね。私たちが予期していなかったユーザーとのやりとりが、
そこで展開されたのが、非常に面白かったです」
(2005年5月19日、東京、株式会社エクシング会議室にて)
――第二回目につづく――
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みなさん。いかがでしたでしょうか。
ニュースレター編集部の河原です。
メルマガは、Blogやホームページと違って修正ができないので
送信する際には緊張しますね。
かくにん、かくにん、再かくにんでお送りしなければ、です。
それにしても、この緊張感はとても良いものですね。
同じインターネットを使った情報発信でも、
送り手側の姿勢が大きく違います。
観察してみますと、
コミュニティ内で交わされる情報と、検索して閲覧する情報とでは、
内容が同じであってもやはり受け取り方や伝わり方が違って来ます。
そのあたり、私自身もとても興味をそそられるところです。
コミュニティを語るうえで、
利用者どうしが信頼で結ばれている状況下で交わす情報は、
それ以外での情報交換と質的に異なる、というのは、
とても新鮮なテーマですね。
この情報の絆に、企業のマーケティング活動を
自然な形で溶け込ませる手法が、
双方向コミュニティ・マーケティングの真骨頂です。
次回もエクシングさんとの座談会の続きをお送りしますので、
どうぞお楽しみに。
ご指摘、ご感想などを頂ける場合には、こちらまでお願いします。
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