衛星放送で『冬のソナタ』が放映されていた年の8月、僕はこのドラマの存在さえ知らなかった。
そんな時、或る掲示板で“冬のソナタ”というハンドルネームの書き込みを見付けました。
僕は、彼女に手紙を書くつもりでメールを送りました。
それから、2人の文通が始まって・・・。


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2003−11−05 18:20
件名:冬のソナタです。もうそろそろ初雪が降るころです。

 

シュマリさんへ

なんだか最近は友達と遊んだりする事が多くて、メールの返事が遅くなってしまってごめんね。
返事を待っているときって時が経つのが遅いような気がするもんね。
まあ実際遅かったんだけど。

オーロラが見えていたのを知ったのはTVのニュースでした。
以前NHKでオーロラ中継と言うのをやっていて見たのですけど、それとは違って写真の中のオーロラは、赤みを帯びた空が写っていました。
あまりにも違っていてなんか拍子抜けしてしまったのを思い出しました。
見に行くんだったらやっぱり本場に行きたいなー。

珈琲酒って聞いたことないよねー。
間違った以外は飲んだことないし、リキュールで甘いのならあるけれど、どうなんだろう!?
ガムシロップとかミルクとか入れたらおいしいのかなぁ?(珈琲牛乳酒になっちゃうね。)
出来たら味の感想を教えてね。

ハエやゴキブリは可愛くないよー。
特にゴキブリなんか鳥肌が立つよ。
飛ばれた日には顔面蒼白だよ。
北海道にいないと思っていたらいるんだよね。
どんな環境にも適応できるなんてたくましいって思うけど気色悪いです。
可愛いと思うシュマリさんはう〜ん悪く言ってヘン、良く言ったら博愛主義者かな??

利尻島にもいきましたよ。
ここは特に思い出があって。
小学校6年ぐらいの時に夏休みで家族でキャンプに行ったときに、海で初めて溺れたんだよね。
苦しかったのを今でも鮮明に覚えています。
両親が礼文にいたのは私が就職してからなの。
お父さんは単身赴任は絶対「い・や・だ」と言っていて、お母さんが一緒に行くしかなかったんだよね。
その時に遊びに行きました。
流れ星は1秒間に1回は流れていたと思ったんだけどなぁ。
1時間に数十個ではなかったのは確かです。
何日かは忘れてしまったんだよね。
記憶違いではないと思いますよ。(得意の思い込み?)
だったらあの数の多さはなんだったんだろう?

レブンアツモリソウを見たときは<なんか場違いな花だな>と思いました。
だって高山植物のような小さめの可憐な花が多い中で、気品があって女王のような真っ白い大きな花は違和感を覚えました。
盗掘はたしかに多いそうです。
自然の中にあるからこそ美しいと思えるのにお金の為や欲望を満たす小さな事のために自然を壊して・・・同じ人間として恥かしいとさえ思えます。
レブンアツモリソウは島の人の手によって観光客や盗掘者の来ないような場所に花園を作ってあるのだそうです。

私がもし痴呆になって「家に帰りたい」と言っていたら、それはきっと千歳にある家でしょう。
柱に付いた傷の1つ1つにおじいちゃんの、おばあちゃんの、お母さんお父さん弟の思い出がしみこんでいます。
でも、北海道を離れる事にあまり抵抗はないかも。
一生戻れないんだったら考えちゃうけどね。
戻って来ることが出来るんだったら別に大丈夫かも。
患者さんもよく「家に帰りたい」と言う人がいます。
1秒後にはすぐ忘れてしまうんですけど、永遠にそのことばかりを考えて「言葉」にしていると思うと、悲しくなってしまいます。
同時にうるさいと思ってしまうんですよね。
気分が不穏になっていて、他人が何を言おうが身内がなだめようが収まる事がない事が多いです。
薬で何とかできるんですけど、なるべくだったら使って欲しくないなと思うのが本音です。
シュマリさんは東京のほうが住んでいる期間は長かったんでしょう?
旧友になかなか会えない状況でもやっぱり生まれた家が良い?

放浪新婚旅行問題にせよ、旅行でも日帰りでも、どんな状況でも私は楽しみたい意識がとても強くて、喧嘩なんて真っ平ごめんです。
喧嘩しそうになったら楽しくなれそうな方法を思案します。
例えば2人で車に乗っていて目的地がわからなくなってしまったら、助手席の人は地図を見ながら説明しなければなりません。
特に女の人だったら地図をぐるぐる回しながら見る人が多いでしょう。
そんな光景を運転席の人は横目に見ながらイライラする。
なんて話はよく聞く話じゃないですか?(運転手、助手席、隣が女の人か男の人かでも状況は変わってしまうと思うけどね。・・・)

話はずれてしまったんですけど、旅の本質をわかっていないとえらそうに言われてしまった。・・・
どこかに行きたくなった時にふらりと出かけたくなるじゃないですか。
平凡な日常の生活があるからこその楽しみでもあるし、・・・やっぱりわかっていない?
シュマリさんの放浪新婚旅行にしようと言われた想定の答えは、共感と言うより行く気満々のように取れましたが・・・ちがった?

複数の患者さんと向き合う努力はしているけれども、無理なのかも・・・と考えることもあります。
でも諦めずにどう私の中で結論づけられていくのかが今から楽しみです。
諦めてしまうのかそれとも答えが見つかるのかどうなんだろうってね。(他人事みたいに言っちゃた。・・・)
でも、一つの方法ではなくいろいろな引き出しが見つかると理想なんだけど・・・まだまだひよっこです。・・・

シュマリさんは自分に正直に生きていけてますか?
一人以外で自分らしくいられた場所を思い返してみました。
ほんの一握りですね。
あっただけ幸せだと思います。
あっ、また日常の生活が幸せなのを忘れていた!(苦笑)

泣き虫と言えば私はなにか悔しい事があったりすると泣いてしまうことが多いんですけど、泣いた事があるのを見た人は、「3歳児みたいに泣くねって言うか泣きじゃくるよね」と言われた事があります。(たしかにそうかも。)
そういうときの涙って冷たいんですよね。
感動して流した涙は暖かい。
不思議です・・・。
そういえば最近は映画の「A.I.」のラストシーンで泣いたなー。

編物は秋になって風が冷たくなると毎年編みたくなります。
この間はロングマフラーを編み終えました。
色はダークブラウンで首にかけると床までつくぐらい長いタイプです。
いまはお父さんのベストをクリスマスプレゼント用に編んでいる最中です。
猪突猛進タイプだけど、作り物はけっこう好きで、夏はビーズアクセサリーなんかも作っていたんですよ。
年間通しては、パステル画なんかもしますよ。(意外だった?)

空のウロコ雲が朝日に照らされ金色に輝いて、ちょこっといい気分だった冬のソナタでした。

P.S.

そういえば前にお酒はあまり飲まないって書いてあったと思うけど、飲めないの?
飲まないの?
たしなむ程度?
でも梅酒やかりん酒、今は珈琲酒を作っているもんね???
作るのがすきなの?

私の連絡先はどう教えようか楽しい方法を思案中です・・・。
楽しみにしていて!

別に負担に思うことはないよ。
私は楽しくやっているから大丈夫!
返事が来るのは楽しみだしね!
ホント話し出したらきりがないのは私も一緒。

 

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本小説は、フィクションであり、登場する人物、団体等は全て架空の物です。
尚、実在の地域、地名、団体、組織等が登場する場合であっても、それらは全て虚構の世界を形作っているものに過ぎず、現実の世界とは何ら繋がりがありません。

発行者:シュマリ
バックナンバーは、以下サイトで。
発行者WebページURL:http://shumari.seesaa.net/