アメリカも「考えさせる」教育をやっているのだけれど

 


国際学力テストでアメリカの点数低いですね。
日本よりもずっと低いです。

アメリカは何でも格差がある国です。
ひとつの国のなかに、先進国と開発途上国が混在しているようなものです。
学力格差も恐らく世界のトップクラスから世界の一番下まで
全部ひとつの国のなかに存在しているので、
平均すると世界の下のほうになってしまうんだと思う。

アメリカでも日本人が好んで住むような地域は、
教育に力を入れていて、
特に英語・社会など文系の科目には、日本よりも熱心だと思います。

うちの娘はアメリカの学校で小学校4年です。
学校の英語教育は、
基礎力をつけるための、いわゆる「詰め込み教育」と
応用力をつける「考えさせる教育」
のバランスが良く取れていると思います。

多読、そしてスペリングテスト(日本の漢字テストに相当)で基礎力をつけ、
読解問題は、もとの文章から抜き出して答えを書く問題だけではなく、
自分の頭で考えて答えの文章を書かせる問題も多く出されます。

例えば小学校4年の社会では、
郷土の歴史(うちの場合はカリフォルニア州)を学ぶのですが
その問題はこんなかんじです。

How did the Spanish change the economy of California
from one based on hunting and gathering?
(狩猟・採取経済だったカリフォルニアは、スペイン人が来たことで
どのように変わりましたか?)

恥ずかしながら、うちの子の答案は、
Indians gave up hunting and gathering economy and
became farmers.
(インディアンは狩猟・採取経済を捨てて、
農耕を始めました。)

この答案では50%の部分点しかもらえませんでした。
先生のコメントが書かれていて、
True, but the Spanish brought them into the missions
and taught them how to farm - they didn't just
give it up.
(その通りなんだけど、スペイン人がカリフォルニアに
ミッションを建てて、インディアンに農耕を教えたからで、
インディアンがただ単に狩猟・採取経済をあきらめたり、
捨てたわけではないですよ。)


もうひとつテストの質問:
Why did some Indians resist mission life?
(インディアンのなかにミッションでの生活に抵抗する人がいたのは
なぜですか?)

注:ミッションとは――カリフォルニアを我が物にしようとする
スペイン人がアメリカインディアンへの布教、
つまり彼らをスペイン化し、手なずけるため、
ミッションという教会を各地に建て、
インディアンを無理やりそこで生活させ
カトリックに改宗させました。
宣教師たちは、よかれと思ってやったことなのですが。


また恥ずかしながら、うちの子の答え:
The Indians resisted because they were unhappy with
the mission life.
(インディアンが抵抗したのは、ミッションでの生活がイヤだったからです。)

この答えでは、0点でした。
そして先生のコメントが、こう書かれていました。
Explain why. They did not like all the changes
in their ways of life.
(なぜイヤだったのかを、説明しなさい。
インディアンの生活が変わることの全部がイヤだったわけでは
ありませんよ。)

 


こういう質問が1セクション(教科書5〜10ページごと)のテストで5問出ます。
先生は採点がたいへんだろうな、と思います。

あとは、
conquistador(スペイン人のアメリカ征服者)
ocean current(海流)
wind patterns (風のパターン)
などボキャブラリーの意味を文章で説明する問題が4〜5個。

 

ご参考までに、社会の教科書はHarcourtの
California: A Changing State Grade 4 (Reflections)
http://www.amazon.com/California-Changing-State-Grade-Reflections/dp/0153468297/ref=pd_rhf_p_t_1

http://www.amazon.com/Reflections-California-Changing-State-Grade/dp/0153385022/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1208552478&sr=1-1
 


アメリカの小学校〜高校が文系の英語と社会に力を入れられるのは、
公立でも小学校の1クラスの人数が20人未満と、少ないからでしょう。

日本で同じように答案の採点を40人分やったら、
先生が過労で倒れてしまうのでは。

今の日本の小学校の1クラスの人数はどれくらいなのでしょう。
私が子どものときは40人くらいでした。

それから、
アメリカの小学校は文系科目では「詰め込み教育」の部分もきっちりやっています。
特に日本とちがうのは、「多読」です。

多読については前にも書きました:
http://blog.mag2.com/m/log/0000182211/108114570.html
http://blog.mag2.com/m/log/0000182211/?YEAR=2007&MONTH=3&DAY=31

毎週数百ページの読書をするように、ノルマが課せられます。
小学校1〜2年生までは、自分で読めない子も多いので、
親が読み聞かせします。親の宿題、親のノルマです。

こうして大量の情報を処理する体力をつけておいて、
(だから英語の出版物はページ数が多くなる傾向にあるのでしょう)
授業では、文章をじっくり精読させ、じっくり考えさせて
答案を書かせます。

 

でもアメリカの学校は、算数・理科の理系が弱いんです。

 


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ネイティブはこうして英語を学ぶ
発行者 齋藤レモン

バックナンバー:http://www.mag2.com/m/0000182211.html