舞台の幕が開く。
場所はパリのとあるレストラン。
ステージ中央には、もう一つのステージが。
スカーフを被り、サングラスをして、
色あせたボロ服に身を包んだ太ったおばちゃんが、
モップを持って床磨きをしている。

オーナー役の永六輔が語る。
「今ここでこうして掃除婦やってる
 おばちゃんも、20年前は歌手として
 このステージで歌ってたんです・・・」

バンマス 「まだ客来てないし、一曲歌うかい?」

掃除婦 「あら、いいの?じゃあねぇ、あれ、やってちょうだいな」

バンドの音楽がスタートする。
掃除婦のおばちゃんは、昔語りをしながら、
スカーフを取り、サングラスを外し、
着ているものを順番に脱いでいくと・・・

今年で44回目を迎える、シャンソンの祭典、
「パリ祭」の第2部は、こうして芝居仕立てに
幕が上がりました。
構成演出は、タモリクラブや笑っていいともで
お馴染みの高平哲郎さん。その高平さんが
重要な役どころに抜擢したのが、
わが師、荒井洸子さんなのです。
さもありなん。この役は洸子さんにしかできまい。
歌うだけでも大変なのに、台詞を言いながら、、
しかも身ぐるみ脱いでいくという
テクニックを要求される役柄は、
彼女を置いて他に考えられません。

プロなら皆できるのは当たり前
と思われるかもしれませんが、
歌って踊れて、芝居もできるという
シャンソン歌手はそう多くはないのです。

掃除婦の衣装の下、
オレンジ色の豪華なドレスに
身を包んだ金髪の洸子さん。
「女歌手は二十歳」をさらりと歌い上げ、
NHKホールの観客を、これから始まる
芝居の中に引っ張り込んだことは
言うまでもありません。

80歳を過ぎ、かくしゃくとしてらっしゃる
石井好子さんはまた、別の意味で
感動を呼びました。

夕べのお楽しみの会、パリ祭の夜は
こうして更けて行ったのです。
                            菜 花


水木菜花オフィシャルページ 是非お立ち寄りください
 
 http://www.mizuki-nabana.com

菜花の作品とメッセージをセレクトした
もう一つのブログ「SomeTime」版もご覧ください。

 http://blogs.yahoo.co.jp/mizuki_nabana

アドレスをクリックできないときはブラウザのアドレス欄に
コピー&ペーストしてください。