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kazeのたより
発行日2008/5/15 No29-2
毎月第3木曜日定期発行誌
発行者カフェ&ギャラリーKaze
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(2)kaze日記
2008年5月3日(土)kazeにも初夏の風!
朝から良い天気!
少し暖かいので、北側の窓は、外した。
窓ガラスのない、窓は、川向の新緑が溢れ、大きな額のようだ。
風が、時折、強く店内を吹き抜けて行く。
今日からは、山瀬さんのトールペイント作品展「暮らしに彩り」が始まった。
店内は、4月とは又違った雰囲気になった。
店外は、新緑に包まれて、文字通り初夏の趣だ。
妻が昨日平野さんの作ったという竹細工を見せてくれた。
ぎざぎざの歯を、竹でごりごりすると、なんと竹とんぼのように回りだすのである。
平野さんが子供の頃、よく作って遊んでいたとか。
「平野さんて、楽しい人だね」と大笑い。
ポロは、お客さんの邪魔をしないように、向かいの畑に繋いだ。
ところが、いつもと違って、なにか異常に吠え続けた。
でも、そのままにしていたら、静かになった。みれば、小屋で寝ている。
で、目が覚めると、又、吠えていた。
夕方、4人で来られたお客さんが、窓を外した席にすわり、
すごく感動していた。
「まるで映画のセットみたいなお店」と大喜びして帰って行った。
閉店後は、ポロを自由にしてやった。
ポロは大喜びで、kazeの庭を走り回ってから、勝手口の通路にごろねした。
で、しばらく、ポロと遊んだ。
ポロも嬉しそうだった。
でも、妻が通路を通ると「ウ〜〜〜ッ!」と、うなるという。
で、妻が、用事で通路を通るときは、
僕がポロの側にいなければならない羽目になった。
僕が居ると、妻が側を通っても、ポロは知らぬ振りなのだ。
なんかにわかには、信じ難い気がするのであるが…・・
「甲斐犬は、人になつきにくいというけど、
ポロは、僕には、あんなになついているんだろうね?」というと
「あんたの前世は、甲斐犬だったんじゃない?」と妻。
「なにを言い出すやら…」
「信玄に繋がれていた甲斐犬だったじゃない?」
「そんなところで、何で信玄が出てくるんだ。
それにしてもポロは、どんな人生じゃなく、犬生を生きてきたんだろうね?
聞いても、あいつは日本語しゃべれないので、わからないけど…」
老犬だといわれるので、10年は生きてきているはずなのに、
その間、どんな生活をしていたのか知りたいものだと思った。
また、どうして、僕のkazeにやって来たのかも、不思議である。
きっと、飼い主に捨てられたんだと思う。
それだけは、確かなようだ。
夜、妻がポロのために混ぜご飯を作った。
僕をそれと水を持って、畑のポロ小屋に行った。
ポロもつい来て、フガフガ言って、夕食を食べた。
「今夜は、ここで、しっかり、鹿の番を頼んだぞ」と言って
ポロを、再びそこに繋いで帰った。
2008年5月4日(日)したたる緑、吹き抜ける風!
雲ひとつない日本晴れ、夏日和!最高温度27度。
早朝、ポロの鳴き声に起こされてしまった。
寝ぼけ顔で、畑に行き、ポロを自由にしてやる。
ポロは嬉しそうにkazeの庭に走っていった。
庭から振り返り、僕がまだ畑の中を歩いているのを見て、迎えに来た。
朝の庭で、ポロと1時間ほど戯れた。
「朝の体操」をポロの奴は、僕に披露してくれた。
開店時間に、ポロを裏庭に繋いだ。
今度は、ポロは、おとなしくしている。
やれやれ!
ところで、今日は、kaze「社員」2名が出勤するので、4名体制!
窓も、ガラス戸を外した。風が店内を吹きぬけ、さわやかだ。
庭では、花たちもにぎやかになってきた。
すごい開放感で、万歳したい気分!
午後、路渡カッパさんがロードスターでやって来た。
で、ついでにポロもカメラに収めた。
「ポロは、横顔が精悍でいい」という。
そういうカッパさんの言葉に、フト、ポロが肝心なときに僕に横顔を見せるのは
横顔がカッコイイということがわかっているのかもしれないと思った。
連休でお向いの山崎さん宅も人の気配、
上野さん宅も、子供さんたちが帰ってきて、この谷もにぎやかになった。
それぞれkazeにも、集団で来店してくれた。
夕方、上田さんが、犬を連れて、散歩に来た。
外にいた妻と立ち話をして、帰って行った。
妻の言うには
「上田さんに、私たちがkazeにいない間、一日でいいから、お宅の犬の
散歩のついでに、ポロの面倒を見てもらえないだろうかと頼んだら、
上田さんは、『いいよ、うちの犬とも仲がいいので、いない間はうちで
預かってあげる』と言ってくれた。」
なんとも、親切で嬉しい話である。
これでポロも安心である。
「よかったね!」と妻と喜び合う。
妻は、ポロに噛みつかれたり、うなられたりしているのに、
ポロを飼うことを快く受け入れてくれているので、僕は、妻にも感謝です。
ポロを飼うことに、万全の体制が出来たと思った。
閉店後、僕は、朽木の市場まで買い物に出かけた。
買い物から帰ると、妻が「あれから3人グループのお客さんあった。
お腹をすかせて入ってきたとか、カレーをだしたよ」といった。
連休には、いろんなことが起きるらしい。
2008年5月4日(日)ポロが突然逝ってしまった!
今夜は、8時から上田さん宅で、テレビドラマ篤姫を見ることになっている。
でも、いつもと違い、買い物などで、夕食が遅れた。
僕は買い物から帰ると、ポロのところに行き、ポロと戯れた。
片時も僕から離れたくないようすのポロを見ていると
愛おしさがこみ上げてくる。
元気になったので、今度の休業日には、シャンプーをしてやろうと思った。
月曜日なら、毎週一日付き合ってやれると思うので
明日からは、フィラリアをやっつけるために、薬を飲ませようと決意した。
「お前となら、一緒に死ぬようなことになってもかまわん」という妄想さえ
浮かんできた。
ポロと一緒なら、野辺に野垂れ死にしても幸せに思えてきて、そんな自分にびっくりした。
ポロは、全身マッサージが大好きである。
ブラシで抜け毛をすいてやってから、全身マッサージをしてやった。
僕の足を枕にポロはごろんと僕の前に寝転んで気持ちよさそうである。
足をさすれば、足を延ばすし、お腹をさすれば、両前足をまげて、仰向けになる。
瞼を半分閉じて、大きな口を開け、長い舌をだら〜〜んとさせる。
その様はまさに「気持ちいい〜〜〜〜!」ってうっとりしているようである。
マッサージを止めて、立ち上がろうとすると
前足を僕の手に引っかけて、自分の方へ引き寄せる。
「もっとして!」とせがんでいるのだ。
で、又、座り込んでマッサージをしてやると、例のようにうっとりしている。
妻が、早くしないと間に合わないよと、夕食に誘うので、
ポロのひもを外し、自由にしてやった。
今日は一日、繋いでいたので、喜んで走り出すかと思ったら
立ち去ろうとしている僕を、座ったまま見つめていた。
僕は、手を振って、「またね」といって、夕食の席に付いた。
食事を始めた頃、ウエルカムロードで車の急ブレーキの音がした。
暗闇のウエルカムロードに1台の車が入ってきて、Uターンしているようである。
「また、腹をすかせた人か?」と僕らは、話し合った。
食事の後、妻は、ポロの夕食を作ったので、僕が裏庭にもって行きポロを呼んだ。
でも、ポロの姿はなかった。
見回りで忙しいのだろうと思って、そのまま夕食を置いた。
僕らはポロが僕らの姿を見つけて、追っかけてこないように
上田さん宅へ急いだ。
上田さん宅の玄関まで来たとき、僕は何か胸騒ぎを覚えた。
ポロに何か異変が襲ったのかもしれないという不安である。
篤姫を見ている間中も、なにかテレビに集中できなかった。
篤姫が終わると早々にkazeに引き返した。
裏庭に行ってみると、夕食は手付かずのままだった。
妻も含めて、現実的な不安が僕らを襲った。
二人でライトを照らし、ポロを呼びながら、探し回ったけど、
ポロの姿も気配もない。
僕らは、もしかしてと、ウエルカムロードを上がり、国道に出た。
その時、僕のライトの光りの中にうずくまるように横たわっているポロの姿が浮かんだ。
「ポロ!」と叫んでみたが、身動きひとつしない。
道路に血のあとが、転々とあった。
車のパーツが道の脇に落ちていた。
僕の頭は、真っ白になった!
「ポロ!どうしたん!」と妻は泣き声で叫んだ。
僕は、ひざまずいて、ポロの体を触った。
ポロは、もう息絶えていた。
目をうっすら開けていたが、瞳孔はすでに生気を失って、にごっていた。
僕は、ポロの瞼を閉じてやった。
4本の足は、傷つき、無残に折れ曲がっていたが、顔だけは、無傷で
まるで眠っているようだった。
妻はたったまま、ポロの名を呼び、泣いていた。
僕はといえば、涙のひとつもなく、ただただ、夕食前にポロにした
マッサージと同じように、ポロの体をさすり続けた。
フト我に帰った僕は、妻に駐在さんに電話して、
どうすれば良いのか聞いてくるように頼んだ。
妻はkazeに引き返して行った。
僕は、真っ暗な国道の端で、右手でライトを国道を照らし、
左手でポロをさすり続けていた。
走り抜ける車の中には、スピードを緩めて、眺めていく者もいた。
真っ暗な人家も見えない国道のすみに人がライトを片手に座り込んでいれば
何事かと思うのも、至極当たり前のことだろうが、
僕はポロが、再び車にひかれないように
と思って、ライトを運転者が直ぐわかるように照らしていたのだ。
足音がして、妻が帰ってきた。
妻は、一輪車を押していた。
「どうだった?」と聞くと
「死んだ動物は、生ゴミ処理となるけど、連休だから回収に来るのは7日なるらしい。
こちらで埋葬しても良いかと聞いたら、かまわないということだった。
ポロを生ゴミなんかにしない!」と妻は決然と言った。
僕は、ポロを抱き上げた。ポロの口から、血がどっと流れ出た。
きっと内臓が破裂しているのだと思った。
一輪車のダンボールの上に、ポロを横たえ、僕が一輪車を押し、妻がライトを照らし
Kazeに帰った。
妻は、我がkazeの裏の畑に埋めようといったが、僕は3年前自分で植えた
イチョウの木の根元に埋めたいというと妻も承諾した。
僕は、ツルハシとスコップ2つを運んで、
ライトの明かりの中で、まずツルハシで穴を掘り始めた。
妻は、もうひとつのライトを取って来るけど他にないかというので、
水が飲みたいといった。
のどがカラカラである。
妻はライトとコップにお茶を入れて持ってきた。
ライトはイチョウの枝の間に挟んだ。
大きな石をツルハシで掘り出し、後は妻とスコップで掘っていく。
その時になって、僕は突然、悲しみの大津波に襲われた。
どっと涙が噴出してきて、掘っている穴の中にポタポタと落ち、嗚咽が止まらない。
妻も、同じように、泣いていた。
僕らは、泣きながら穴を深く掘った。
それから、僕がポロをダンボールごと抱き上げて、そっと穴に下ろし、寝かせた。
ポロの体も僕の涙が流れた。
妻は、側に咲いていた黄色の可憐な花、ウマノアシガタを手折り、
ポロの顔の前に供えた。
僕は、ポロが小屋で敷いていた冬用の綿入りジージャンを運んで、ポロの体に着せた。
それから、ポロが食べることのなかった夕食と水を運んで、ポロの横にいれた。
それが済むと妻と二人で、手で少しずつ土をかぶせて行った。
土は、僕らの涙を吸い込みながら、ポロを埋めていった。
土の墓標ができると、僕は、掘り出した石の中に犬の顔そっくりの石がある事を
発見し、盛り上げた土の山の上に置いた。
ポロを埋める前に外した赤い首輪を、その石の下に置いた。
二人は、店に戻り、洗物や明日の営業の準備をそれぞれ黙って始めた。
静かな店内に二人の鼻をすする音だけが流れていた。
なにか言えば、もう、我を失って泣き崩れそうなのを、必死でこらえた。
こういうとき、日常の仕事が、どれだけ、自分を失いそうになるのを助けてくれるかを
身をもって感じた。
すべてが済むと居間にすわり、ポロの登録異動届けを書いた。
「犬」のステッカーも「犬鑑札」も薬も、全く使えなかった。
夕食のときに車がウエルカムロードの入り口で止まっていたのが、ポロが事故で死んだ
時だったのだと思う。
それは、僕がポロにマッサージをしてから、いくらも時間の経ってないのだ。
ポロは、僕が夕食のため、店に入った後直ぐ、国道に向かい事故に遭った事になる。
これまで、自由に走り回っても、決して一人で行かなかった国道に
それも、僕と離れてすぐに、国道に行ったことが不思議でならない。
妻と二人「どうして? どうして?」と言って泣いた。
僕が、夕食を運んだ時刻には、もうポロは、この世に生きていなかったと思うと
かわいそうで悲しさ次から次へと、込み上げてきて、号泣してしまう。
外では強風が吹き始めた。
窓の外から、コトコトと時折、ノックするような音が聞こえてきた。
ポロが生返って、僕らを呼んでいるような気がした。
で、僕は立ち上がり、勝手口のドアを開けた。
電灯に照らされた勝手口の通路は、がらんとしていた。
いつもは、そこにポロが寝ていたのであるが…・
音のする方に行って見ると、壁に下げた温度計が、強風にあおられて、ゆれていた。
もう12時を過ぎてるから、明日の営業があるから寝ようと布団に入るが眠れない。
枕がぬれてしまったので、タオルを取ってきて、涙を拭きにした。
ポロの推定死亡時刻 2008年5月4日 午後7時20分頃
2008年5月5日(月)春の妖精!?
今日は、久しぶりに朝からどんよりとした雲が空を覆い、時折、雨と風。
夜明けと共に起きて、水を持ってポロのお墓に行き、土の付いたままの墓標の石を
きれいに洗う。
瞼が泣きはれているのが、鏡を見なくてもわかる。
それでも、ポロの墓の前にたたずむと、止め処もなく涙が溢れ、嗚咽が止まらない。
それでも、開店準備はしなければならない。
朝食をしながら、ポロのことを考えると、涙がこみ上げてきて、テーブルを濡らす。
「ポロのことを考えると後悔ばかりがこみ上げてくるよ。
あの時、ああしてやればよかったとか、なぜあの時夕食を先に出さなかったのかとか
ポロの綱を外さなければよかったとか…」と僕が言うと
「そんな風に考えずに、やせ衰えて死に場所を求めて、ここにやってきて
愛され、かわいがられて、最後の世話をしてくれる人を見つけて、
ポロは幸せだったんではないかと考えたら」と妻が言う。
「幸せの絶頂で最後を迎えることが出来たと思わなければ…」と妻も声を詰まらせた。
「ポロは、春の妖精だったんだと思う。kazeの桜の開花と共に、ここにやってきて
ウエルカムロードの遅咲きの八重桜が散るのと一緒に散って逝ったんだから…」
「そうだね、そう思わなければ…・」
しかし、突然僕らの前に現れ、ここに住み着き、突然逝ってしまったポロのことを思うと
ポロは、僕らに何を語りたかったのだろうと考え込んでしまう。
僕らは、ポロから何を学ぶべきなのだろうか?
「ポロが国道に死ぬために入ったような気がする」と僕。
「なにか不思議な力に導かれて国道に行ったとしか思えないわね」と妻。
勝手口を通るたびに、そこにポロが寝そべっているような気がした。
妻もそうだという。
開店後、僕は登録事項変更届けのはがきを葛川郵便局に出しに行った。
帰ってみると、いつもより早くモモちゃんが来ていて、
僕の姿を見ると、両手を挙げて、僕の肩を叩き、慰めてくれた。
きっと、妻からポロの死を聞いたのだ。
モモちゃんも、ポロの墓にお参りし、涙を流してくれたとか。
マスターは、今日の天気のようにブルーなんだとモモちゃんが言う。
全く、その通りで、じっとしていると、ポロのことを思い出して、涙、涙である。
厨房の片隅で、鼻を鳴らしてしまう。
こんな日に訪れてきたお客さんに、
「チャイがとても美味しかったよ!」といわれると、なにか救われたような気がする。
午後、妻は、雨の中でテラスを長い時間かけて、たわしで磨き上げた。
なにかしてなかったら、悲しみに飲み込まれそうだったという。
ポロに捧げる鎮魂歌
お前は4月8日の朝、突然、風の様にkazeにやって来た。
雨に濡れ、やせ衰え、足をぶるぶる震わせて、
立っているのがやっとの姿で、玄関に現れた。
妻は、お前を見て、ボロボロの犬だといい、ボロと名づけた。
余りの姿に僕らは食パン厚切り4枚をお前に与えた。
お前は、必死でそれを食べた。
その日は、僕らはkazeを去る日だった。
車でkazeを出て行く僕らを
お前は、玄関に衛兵のようにお座りをして
手を振る僕らを見送った。
3日後の午後、僕がkazeに来ると、
なんとお前は、勝手口の通路から駆け出してきた。
びっくりしている僕に嬉しそうに尾を振ってついて回る。
食パンの入ったかごを見ると、くれくれとせがむ。
パンをだしてやるとお前は、フガフガ言って美味しそうに食べた。
僕らが休業日でkazeを去ろうとすると
お前は車を追いかけてきて、「置いていくな」とばかり
車の周りを吠えながら、走り回り
僕らを悩ませた。
お前は、次の週も同じように僕らを待っていた。
しかし、お前はkazeの敷地から出ることはなかった。
Kazeの直ぐ前の畑でさえ、好まず、直ぐ引き返してしまう。
まるで、kazeの敷地を知っているかのように
おまけに、時折、kazeの敷地を回り、チェックさえしていた。
お前は、僕を見ると片時も側を離れなかった。
すっかり僕になついてくれた。
僕の姿が見えないと店の周りを走り回って探したものだった。
そして、夜は、勝手口の通路を自らの住処と決めて、寝そべっていた。
僕は、そういうお前がいとおしく思えて、名前もポロに変えた。
お前が居るおかげで、今年はkazeの花々が鹿に荒らされずに
きれいな花を咲かせた。
紫陽花等も鹿のえさにならずに、元気に新芽を出した。
ここ数年、花を咲かせる前に食べられていたニワトコも
生き生きとして花を咲かせ実を付けた。
みんな、お前のおかげだと思う。
ところが3週目の金曜日
僕らがkazeに来ると入り口の鎖が断ち切られていた。
お前は、僕らの姿を見ると、玄関の床下から、よたよたと現れた。
後ろ足を引きずり、僕の前で倒れこんだ。
僕が断ち切られた鎖を修理にウエルカムロードに行くと
お前は、必死で立ち上がり、歩いて僕の後を追うが、
坂道を上がる力がない。
立ち止まって、悲しい声で「オ〜〜〜、オ〜〜〜」と鳴いた。
傷つき倒れても、尚、僕と共に居たいというお前に
僕の心は、お前への慈しみで震えた。
そしてまる3日間、お前は、横になったまま過ごした。
4日目に、腫れ上がった足を引きずりながら、僕の側に来た。
誠に、お前は、僕から離れたくなかったのだ!
その姿に、僕の心は、お前に占領されてしまった。
僕も、お前なしに生活できなくなった。
そして、僕は、お前と共に生きてやろうと飼い主になった。
お前は、元気を取り戻し
僕ら夫婦の会話の中心を占めた。
お前は、僕らの家族になってしまったのだ。
5月4日の夜
お前は、突然逝ってしまった!
お前が僕らの家族となったばかりの時なのに
お前と出逢って、たった27日間で
お前は、僕らを悲しませ、静かにkazeに眠った。
お前は、本当に春の風のように
僕らに温かい心を運んでくれた。
お前は、紛れもなく人生の天使だった。
僕らに生きる意味と愛する夢を運んでくれた。
僕らは、お前を偲んで、悲しみに泣いているが
決して、不幸ではない!
生きてることの喜びと悲しみを
お前は、身をもって僕らに示してくれたのだ。
お前は、かけがえのない僕らの天使だ!
ポロ!
僕らの愛の天使よ!
お前は僕らの心に生き続けている!
お前の墓標は、僕らの記念碑なのだ!
大切な、大切な記念碑なのだ!
2008年5月6日(火)追憶!
朝11度、晴れ、さわやかな風が吹きぬける。
でも、僕らは、さわやかな気分ではない。
ブログでポロを紹介してくれた植木屋タケさんご夫妻も来店。
三重の津坂さんご夫妻も来店
共にポロの死を悼んでくれた。
お昼前に安倉さんご夫妻が来店。
奥様がやっとポロに逢う決心をされて、チーズをポロの土産に持参。
だけど、僕らは、ポロが亡くなったことを告げなければならなかった。
奥様は、涙を拭いてポロの墓前にチーズをひとつ供えてくれた。
今日は、懐かしい人たちが大勢来店してくださって、
店内は、華やいだ雰囲気になり、僕らも笑えるまでになった。
みなさんに励まされた気分だ。
でも、やはり、独りになると、ポロのことが思い出され
厨房の隅で密かに泣いた。
そんな姿をなんと言われようと、止めることが出来ない。
心は、「ポロ、ポロ、愛しいポロ、かわいそうなポロ!」と叫び続けている。
おまけに、裏庭にポロのブラシや紐を見ると、寂しさが勝るのである。
妻が、励ましの意味も含めてだろうが、庭に誘う。
スズランがかわいい花を咲かせていた。
妻は、スズランにすごく感激している。
スズランは、英語では "a lily of the valley"
つまり、逆に訳せば「谷間の百合」なのである。
同名のバルザックの小説もある。
妻は、不思議がっている。
スズランをどう見ても「谷間の百合」とは思えないらしい。
でも、白百合は「純潔」の象徴として、
ヨーロッパでは、聖母マリアの花とされているのだ。
その代表格は "Madonna lily" (フランスユリ)。
スズランは、別名 君影草(きみかげそう)とも言い、
花言葉は「幸福が訪れる」「純潔」「純粋」
結婚式の花ともなり、葬儀の花ともなるのだ。
Kazeのスズランは、ポロに捧げよう。
2008年5月7日(水)kazeのおめかし日!
朝から今日も良い天気だ!
花壇のドウダンツツジも花を咲かせた。
今日は、テラスに防腐・防虫剤を塗ることにした。
妻が、雨の中、テラスを磨いてくれたので、今日は溶剤を塗るだけだ。
でも、少し量が足りないので、午前中、高島のアヤハディオに出かけた。
妻は、その間にテラスの手すり部分を塗ってくれた。
昼食の準備が出来た頃、車が入ってきた。
友人のご夫妻である。
で、コーヒーとケーキで歓談すること1時間。
その後昼食をとり、二人で作業を始めた。
テラスの側で、ニワトコが青い実を付け、風に揺れている。
向かいの里山は、益々緑を深めてきた。
塗り終わったのは、5時。
それから、片づけをしてちょっと早目の夕食をした。
kazeを出るとき
ポロが追っかけてこないので、安心して帰れるが
それが逆に寂しい!
2008年5月9日(金)癒しの日のはずなんだけど・・・
今日から3日間、湖西手仕事工房めぐり「あけっぴろげ」が始まった。
で、早速、kazeから一直線に山口工房へ出かけた。
森の中の工房に着くと、風が迎えてくれた。
ザーザーと森の木々を揺らして吹く風の音にしばし耳を傾ける。
大木の枝に戯れる風の音は、本当に心を慰めてくれる。
ご主人の鉄の工芸作品を鑑賞、
次いで奥様の陶芸工房訪問。
妻は、鬼っ子がステップを踏んでるかわいい小さな作品を見つけて買った。
僕は、同じ鬼っ子でも、ちょっと大きな作品とお多福の作品を
妹のために買った。
また、九州の妹が大喜びするだろうと期待している。
Kazeに帰って、掃除をしていたら、時折、大きな音がするので、
なんだろうと注意していたら、カラスが窓ガラスに突進してくるのだ。
で、よく見るとガラスが汚れている。
先日、塗料を塗って、さっぱりしたテラスには、糞が一杯!
なんたること!!
鳥の餌箱に一杯入れていたパンもなくなっている。
カラスが食べたのだと思う。
同じ鳥でもカラスのためにパンを入れたのではない!
しばらくは、もう、えさ箱は、餌なしだ!
カラスなんかにやるもんか!
夜は、夜で向かいの杉林に鹿が一杯!
追っ払っても、1時間もすると、また来てる。
おまけに、ライトの中で、僕らに尻を向けて隠れたつもりらしい。
なかなか逃げようともしない。
だんだん鹿も横着になってきた。
ポロがいないので、いい気になっているみたいで、悔しい!
2008年5月10日(土)しっとりとした雨の初七日!
朝から雨、気温は9度で、ちと寒い!
妻は、眠たいという。
朝早くからゴトゴト製氷機の音がして寝れなかったと言う。
しかし、僕が厨房に行くと、音は製氷機とは異なった方向から聞こえる。
音のする方向は、本棚のある方向である。
で、行ってみると、窓の外からカラスが3匹、
窓ガラスをつついているのだ。
僕の姿を見ると、逃げていった。
こんなの初めてのことだ。
窓の外にある鉢植えのバイカオウレンが、無残なことになっている。
おまけに、昨日磨いたばかりのガラスも汚れていた。
とりあえず、窓ガラスだけはきれいにした。
流石に今日は、寒い!
しっとりとした感じの日である。
畑の草花や木々は、久しぶりの雨に生き生きとしている。
緑が眼にしみる。
雨の中、猿の集団が来店?
お尻に小さな子猿をしがみ付かせている母猿の姿は、
なんかほほえましい。
浦崎さんが来店
ポロのことでお悔やみを言われた。
ブログを読んだという。
「パソコン買ったの?」と聞くと携帯で見たという。
僕は、びっくりした。
僕のブログが携帯で見れるとは、思わなかった。
でも、目の前で「ほら!」と見せられて納得!
午後、気温は、下がり8度になった。
雨は、降り続いている。
今日は、ポロの初7日だ。
そう妻にいうと、「流石にあんたは寺の子だ!」といった。
静かにポロの墓標に向かって、合掌した。
2008年5月11日(日)鹿の楽園は、嫌だ!
今朝もカラスに妻は起こされた。
僕は、鹿が死んでる夢を見た!
妻に起こされて、ガラス戸を見ると、また、カラスに
汚されていた。
で、鳥インフルエンザのことが心配で
殺菌剤でガラスを拭く。
テラスのカラス糞も、棒タワシで掃除し、殺菌剤で消毒!
お客さんから頂いた鳥の忌避剤を塗る。
テラスの下を眺めていたら、
アザミがひとつ、あざやかな赤い花を咲かせていた。
今朝は、気温8度で。外は冷たい風が吹いている。
朝から迷わず、薪ストーブに火を入れる。
「寒い、寒い!」といいながら安倉さんご夫妻が来店
ポロのためにモッコウバラの花輪を持参
ポロの墓標に捧げてくれた。
安倉さんも、愛犬を事故で亡くした体験があるだけに
他人事ではなかったのだと思う。
続いて、モモちゃんが来店。
ポロの墓前に線香を供えてくれた。
ポロの死を悼んでくれる人たちに、僕らも癒された。
トールペイント展の山瀬さんも来店。
トールペイントが大好きなお客さんと話しに花を咲かせていた。
また、ひとつ人の輪が広がったようだ。
夕方、京都精華大学の学生さんと先生が車3台で来店。
ゼミ合宿の帰り道に寄ってくれたようだ。
でも、カフェ代金は、先生のポケットマネーから(笑!)
夜は、又、何度も鹿を追う!
あつかましくも、苦労して育てている畑の花を
バシバシと音を立てて食べている。
追っ払っても、一時間もすると又来てる!
しかも、数が増えて10頭ほどが、あちこちに居る。
ウエルカムロードの入り口まで、闊歩してる。
なんたること!
人生の楽園作りの努力は、
鹿の楽園作りになってしまった感がある。
今朝の夢は、正夢ではなく、全く逆だった!
トホホ…・・!
フト、夜空を見上げると
なんと、こぼれんばかりの満天の星!
kazeも、夜は、星の国でもあるのだ!
2008年5月12日(月)心休まる日!
朝11度、曇り。
今朝は、カラスに起こされずにすんだ。
窓ガラスも汚れていない。
忌避剤が効いたのかもしれない。
昨日ほどの寒さではないけど、薪ストーブに火を入れる。
朝一番に、バイクで来られたお客さんが
ポロの墓前に線香とロウソクを供えてくれた。
一昨日の雨のおかげで、木々も草花も一層元気になった。
Kazeの庭も華やいできた。
玄関のモッコウバラもやっと花を咲かせ始めた。
Kaze全体が、緑に包まれたような気がする。
空には、朝から珍しくヘリが2台飛び回っている。
「kazeを見に来たんだろうか?」と妻。
「あほか!」と僕。
今日は、お店ものんびりなので、お客さんも、のんびり!
僕らも、のんびり!
で、のんびり会話がお客さんと弾む!
僕は、ポロの墓標の手入れをした。
僕のマスコットのひとつをポロに供えた。
墓標の回りに、白い柵を設置した。
ところが、それを見た妻は、ポロは自然が一番と
柵を撤去してしまった。
妻の言うように、ポロは柵で囲わない方が喜ぶだろうと
僕も反省!
妻は、畑のクローバーを庭のケヤキの根元に移植した。
なにか心休まる一日だった。
(3)kazeからのお知らせ
●5月ギャラリーのご案内
暮らしを彩る2
-トールペイントの世界-
出品者 山瀬洋子さん
プロフィール
1954年 滋賀県に生まれる。
1978年 結婚を機に京都に住む。
1989年 トールペイントと出会う。
1995年 AFAA(アメリカンフォークアート協会)の
認定講師となる。
現在 自宅教室で教える。
趣味 お花(ガーデニング) スポーツ(ママさんバレー)
お菓子作り
夢 田舎でガーデニングをしながら、
トールペイントをすることです。
出品者の一言
これを機にたくさんの人と出会えることができれば幸せです。
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発行者:カフェ&ギャラリーkaze(風)
風の友達(カフェ&ギャラリーkazeのホームページ名):
http://www016.upp.so-net.ne.jp/kazenotomodati/index.html
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