縄文塾通信10月−3(263 号)
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縄文塾通信 <10月−3(263 号)>
縄文暦12007年10月20日
編集・発行人《縄文塾》中村忠之
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<10月−3(263号) 目次>
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◎格差問題・再考(3) 中村 忠之
◎瓦全玉砕 月河 潔
◎加速する砂漠化 チャイナの現状 トラネコ
◎10月感銘の1冊 中村 忠之
◎編集後記 中村 忠之
◎縄文塾告知板
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格差問題・再考(3)
農村問題を考える−1
中村 忠之
ようやく本題の、農村部および最近の広域合併で農村部を併
合して大きくなった地方都市の地域間格差の実態にアプローチ
することにしたい。ご存知の通り、広域合併のお陰で農村部ま
でも、地方都市に包含されてしまったため、どうしてもこうし
た地方自治体に言及することになる。疲弊し過疎化した農村の
ダメージは、そのまま包含した地方自治体にストレートに反映
されることになるからである。
先般の夕張市の破綻と、陸続と続く破綻候補生の市町村の実
態を知れば、おそらく多くの地方自治体は夕張市の破綻を「明
日我が身」と戦々恐々としており、他人事のように思っている
市町村は皆無と言っていいだろう。
その実問題なのは、例によって政策ミスで赤字が増大しても、
一切罰則のないお役人たちや議員さん、「その時が来ればその
時」と、案外ノホホンとしている人が多いのではないか。自分
の懐が痛まなければ周りには幾らでも似た境遇のマチがあり、
ムラがあるのだ。いわば「みんなで渡れば怖くない」という思
いのお役人が、沈みかけのドロ舟の中にたんといるようだ。
彼らが量産してきた「第3セクター」の破綻にしても、結局
誰も責任を取っていない。わたしは常々、弥生に発する「コメ
文化」それを営々守り続けてきた「ムラ意識」が、日本の社会
構造を形成してきたという理論を提示して、「ヤヨイズム」の
弊害を説いてきた。それを打破して、<ヤヨイズム=農>の仕
組みに、<ジョーモニズム=工>の精神と仕組みを導入すべき
だと言い続けてきた。
さすがに無駄な出張や、研修旅行に名を借りた観光旅行は減
っただろうが、さて合併でどの程度不要な議員や職員が整理さ
れ、合併によるコスト削減の効果が上がってきたか、その後そ
の新自治体にどんな赤字がどの程度有り、それを何時までにど
のように対処していくかなどなど、住民は詳しく検証し厳しく
目を光らせ、追求していく必要がある。
(ジョーモニズムについては、今月の縄文塾通信及び縄文塾HP
“縄文が日本を救う”で詳述する
http://joumon-juku.com/help/index.html)
復習してみると、「ヤヨイズム」とは、日本という地にコメ
を定着させるために不可欠だった、「縦割り・横並び・経験至
上主義・談合・先送り・責任非追及…」という「ムラ意識」で
ある。この構造が知らぬ間に日本の強固な社会構造に成長して
いたのである。特にお役所そして官僚は、この「ヤヨイズム」
の象徴であり、牢固として抜きがたい守旧派であって、改革や
外からの異物は「前例がない」として排除し、赤字体制を墨守
し続けてきたのである。
たとえば、地方自治体に改革意欲に燃える新首長が就任した
ら、議員が束になって改革妨害をする。都市部からの移住者を
嫌い、特に自分たちの動向に口を挟むことを徹底的に排除し、
農林関連に対する新しい企業参入を拒絶するのだ。外からの新
しい血を排除し、自らもなんら改革する対策も妙案がなくして、
ただお上におねだりすることで、地域格差を云々するのは筋違
いだと言えるだろう。
今まで日本という国は、改革に当たって常に「外圧」という
手段・通過儀式を必要としてきた。農林業の屋台骨がすり切れ、
腐食し傾き、いまにも崩壊する寸前だということに気付き、目
覚めなければならないところに来ているのだが、今差し迫った
外圧は、農産物の自由化である。食糧自給率の向上を願う行政
側としても、これ以上生産コストが下げられないところまで追
い込まれている農民としては、おいそれとは外圧を認めるわけ
には行かないのである。
こうした中、(10月10日の)衆議院予算委員会での、菅
直人氏の発言には驚いた。前述今回の農民への「一律ばらまき
マニフェスト」という名案が、民主党勝利に大いに作用したと
広言し、これは自民の行ってきた農村への公共投資と違って、
直接農民の体質強化に結びつくと自画自賛する。加えてヨーロ
ッパの食糧自給率の改善は、すべて農民への直接援助のせいだ
と言う。
こうした論議には、基本として一人あたりの耕作面積や、収
穫の平均数値の比較、それに農民の平均年齢や後継者の動向も
比較した上で取り上げるべきなのだが、彼の説明にはそれが一
切出てこない。日本のように狭い耕作面積しかないところでは、
まず通用しないことは、かつての減反政策とか、農業補助金が
決して農民救済・農村振興に繋がらなかったことと軌を同じく
した愚策と言わねばならない。平均年齢60歳以上という農村に
金を配って、振興策とほざくのはやめて欲しい。
本当に議論すべきは、党の施策の良否云々でなく、差し迫っ
た農村の構造改革において、現在40%を割り込んでいる「自
給率向上」と、自由化という巨大な外圧の狭間であえぐ「日本
の農」のあり方であり、目指すところなのだが、自民・民主と
も、そうした大きな課題を避けているか、あるいは理解してい
ないのかも知れない。
以下述べる提案にしろ改善策にしろ、おいそれとこの大きな
「二律背反」を解消させる力は持ち合わしていないかもしれな
い。ただ1つ言えることは、取り上げられてきた「日本の農」
は、その殆どがコメの問題であった。ところがコメは、唯一日
本が100%の自給率を達成している農作物なのだ。
10月15日のNHKテレビ番組「あなたは日本のコメを食
べたいですか?」で、苦悩する農民の姿を追っていた。ここで
は部落の農家が法人化集約化することで始めて政府から補助金
を受けられる制度に則り、集落営農法人化と小さい耕地を大き
く纏めるために努力しながら、幾つもの難問をクリアーできな
いでいる現状、またすでに大型化に踏み切りながら、農協の買
い取り価格の引き下げて赤字を余儀なくされ、直販の道を模索
しながら新たな負債の増加に苦悩している姿があった。
また同じ番組で、アメリカ・チャイナなどが「コシヒカリ・あ
きたこまち」などを生産し、着々日本への輸出のチャンスを狙
っていることも報じられた。こうした中でコメ作りが単に規模
拡大だけで対応出来る方法などあるわけない。
この放送の中には、いわばお上に依存し過ぎてきた愚直な農
民と、彼らになんらの道を示せなかった国・地方自治体、それ
に農協の大きな怠慢が見て取れる。いまさら平均年齢60歳を
超す農民に「農の活性化」を求めるのは不可のだろう。はっき
り言って、若い世代の農業参入なくして、農の再生は不可能と
言えるだろう。
なおこの番組で、日本の「匠の技=工」を高く評価してきた
経済評論家内橋克人氏が、なぜか「工の農への移植」を厳しく
排除していたことには驚かされた。
ネット上のウィキペディア(経済評論家内橋克人氏)によると、
(要約)
(内橋克人氏は)将来的に日本が国際競争力の減退により食料
輸入が不可能になる危険性を指摘しながら、競争力強化の為の
市場原理主義導入を批判するなど矛盾した主張が見られる。
とあるが、いま行き詰まった日本の農=ヤヨイズムに、日本の
工=ジョーモニズムを輸血するのがそんなに悪いことなのか、
多分工の一面だけを見ての発言だと思いたい。日本の「工」も、
ITという新技術を導入して甦った。日本の農もITを包含し
た「工」を輸血することで蘇生しなければ、明日はないと知る
べきである。
いま必要なことは、「農林」というより広いスタンスで、ま
た「農林」以外の要素を取り込むことで、内側から自分たちの
ムラの「新しい生き方」を見つけ出す意欲と努力が不可欠であ
り、従来の補助金や援助金などに頼る姿勢では、早晩人の住ま
ない農村になるものと知るべきである。
教訓として一般の中小製造業が、銀行の貸し渋り・貸しはが
し、親会社の極端な値引き要求という無理難題の中で、数多く
倒産していった中で、ようやく生き残ったのは、やはり痛みに
耐えて「自助努力・創意工夫」によって自立してきた企業だっ
た。痛みを避ける他力本願で、物事が解決するはずがないと知
るべきである。
(この項つづく)
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<中村のコメント>
月河さんは、中村の旧制中学時代の同期生A君の大学時代の
友人だが、その博覧強記ぶりといささか斜に構えた皮肉っぽい
文体構成に、ハタと膝を打ったり、首をかしげたりしながら読
んでいる。
「玉砕」という壮絶な死に様に、日本人は一種の美意識の見
てきたようだが、アメリカでも(「玉砕」とは呼ばないが)
「アラモの砦、デビー・クロケット」の例もある。
さて今話題になっている「沖縄での玉砕に日本軍の命令、い
や違う、関与??!!」、その点は次回に〜。
ただ朝日・毎日の11万人と、実際計数1万8千人(産経)警察
発表の4万人、一体この大差は何だ! 朝毎の数字は南京大虐
殺30万人説の一人歩きみたいに、国会での民主・菅直人と、福
田首相もこの11万人という数字を使っている事実、それに公式
に抗議もしないままの国会、そちらの方がもっと恐ろしい。
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瓦全玉砕
――朝日新聞「天声人語」氏宛擬書――
月河 潔
(島名) (死者)** (年月日(全滅)) その他・備考
サイパン 51,244 昭19. 6.15 “バンザイ・
クリフ”
アッツ 2,500 18. 5.29 住民なし
マキン・タラワ 5,400 18. 5.19
クエゼリン・ルオット 6,800 19. 2. 6
テニアン 8,000 19. 8. 3
グアム 18,000 19. 8.10
硫黄島 23,000 20. 3.17 戦闘前に民間
人引揚
小中学生引揚船
沈没
対馬丸 700名
沖縄 150,000
** 軍・民間人計。備考参照。
(軍・民の区分されたデータ入手できず)
○ ガダルカナルやルソン島なども島だが省略し、孤島と沖縄
に限定する。
1. 天声人語
10月3日の「天声人語」欄に“さとうきび畑”がとり上げら
れた。全11番までの長い歌だが、天声人語子はそのうち2番
の歌詞(むかし海の向こうからいくさがやってきた)が、以前
から少し気になっていた、という。“戦争は海に生まれた台風
ではない。「鉄の暴風」と言われる沖縄戦の悲劇は自然の営み
の果てに起きた。「いくさがやってきた」が呼びおこすイメー
ジは美しすぎはしないか。やって来たのは武器を携えた「日米
の軍隊」だったのだから。“と書く。そして沖縄戦の集団死
(自決)につづいてゆく。
コラムの字数限定枠の中での短文だから、舌足らずになる危
険はあるが、筆者は“さとうきび畑は好きな歌だ。沖縄の悲し
みを情感を込めて歌う。「ざわわ−」は詞と旋律が深い悲しみ
をたたえ、それゆえに人を癒やす不思議な歌だ。その癒しの花
が「ありったけの地獄」に根ざしていることは知っておきたい。
島の悲しみが容易には消えないことを“と締めくくる。
――この日の「天声人語」をキィに、タイトルとした「玉砕」
について少し掘り起こしてみたい。
2.玉 砕
古来、“言の葉の味わう国”と自称している我が国、日本に
は、ひとつの事象を多くの別名、美称で言い換える習慣という
か、ひとつの「文化」をもつ。欧州諸国の言葉あそびの数をは
るかに越えて、種々のあそびがある。天声人語子の書く「集団
死」についても、「自決」「自裁」「玉砕」「自爆」から「悠
久の大儀」「万朶の桜」「靖国」まで。まだ、まだ、あるだろ
う。
「瓦全玉砕」は中国の古諺だ、という以外出所不詳だが、“瓦
のようにつまらないものは残り、玉のように貴い(美しい)も
のは砕ける“という意らしい。――ここから、“美しい玉は砕
けても美しい”“美しい玉は砕けるときも美しい”という意が
副生したようだ。辞書には「玉のように美しく砕けること」
「忠義や名誉を重んじて、いさぎよく死ぬこと」とある。「瓦
全」の方は、「瓦となって安全に残ること」「瓦のようにつま
らないものとなって、何をなすこともなく、いたずらに生き長
らえていること」である。
日本には昔から(死が避けられないと見たとき)“いさぎよ
く死ぬ”というモラルがあったようだ。このモラルの反対の極
が“死に恥をさらす”“未練な死にざま”だろう。
* この代表例が「忠臣蔵」だろう。
“恨みを包んだ死”“逃げかくれた揚句の死”そして“潔
(イサギ)よい(集団の)美しい死“。
どんなに芝居が不況でも、忠臣蔵を出せば必ず当る、独参湯
と呼ばれたこの芝居は、更に忠義・義理・人情という要素が加
えてあるせいか、欧米人には分かりにくいようだ。
**「いさぎよい」はpure, 忠義は loyalty といちおうなって
いるが、どうも私たちがもっているイメージとちがうようだ。
こういう下地をもつ日本人たちが、更に「玉砕」のイメージ
を明確にした戦闘は二つあった、と私は視る。
最初は昭和十八年の「アッツ島玉砕」である。司令山崎大佐
が大本営に増援を要請して、すげなく脚下され、全員二千五百
名“玉砕”した。
* 軍上層部は流石に寝ざめが悪く、大佐を二階級特進、軍神と
して大きく報道した。
次は「サイパン島玉砕」になる。昭和十九年六月。軍はトラ
ック諸島が戦場になるものと想定して、そちらの増兵・陣地の
強化・民間人の内地引揚げに力点を置いた。
* 現に、私の中学の同窓生に、パラオ島から引揚げて来た男
がいた。山根という名前だが、皆がつけた仇名はパラオ。
卒業後、消息不明。
** 米軍の戦略は飛び石伝いに攻めのぼるもので, “Leap frog”
op. と呼んでいた。「チンバ蛙」の意。エドガー・アラン・
ポオの短編小説に同名のものがある。誰か小説好きのスタッ
フの命名だろうか。
マッピ岬での民間人集団自殺については、詳細を省略する。
しかし、不意をつかれた形で始まったサイパン戦は、多くの民
間人をいやおうなしに戦火に巻きこんだ。そして、民間人も
「玉砕」に、ごく自然に巻き込まれてゆく。軍からの命令の有
無が、沖縄戦でいろいろ言われているが、次の3つの条件づけ
が計画されたわけではないのに、つづいて起っている。
1.「戦陣訓」の公布。昭和16年1月8日
就中、「第八 名を惜しむ」
「生きて虜囚の辱(ハズカシメ)を受けず、死して罪科の
汚名を残すこと勿(ナカ)れ」
軍人に与えられた訓(オシエ)だが、国民たちも知っていた。
* 歌もあった。“軍人たるの本分は、心は忠に気は勇み、義
は山よりも猶重く、死をば軽しと覚悟せよ」二番以下省略
流石にひどいので、戦後出版の「軍歌集」も省略している。こ
の「生きて〜」は、上は将軍から下は一兵卒まで覚えていた筈
だ。
**「玉砕」した諸島に住んでいた民間人は、「志願兵」「市民
兵」、「義勇隊」と呼んだ島もある。言葉・文字だけなら戦陣
訓が適用される。「この一節がなかったら、こんなに何十万に
もなる犠牲者を出さないですんだかも知れませんね」――従軍
看護婦大山タイさん。
2.アッツ・サイパン戦の報道
1. 「玉砕」の語を初めて使用。(見殺しのヒケ目からか)
口を極めて賞賛している。(アッツ)
2. “吾等の屍をもって太平洋の防波堤を築かんと欲す”と
いう最後の電文は、名文なだけに、報道の具として、国
民の覚悟をうながした。
3.日本人のモラル:「美しい死」
先に細目を書いたから、ここでは具体例をいくつか挙げて
みる。
“陛下への御恩返し”“陛下へのお詫び”(忠・孝・義理)
“万朶の桜”“靖国神社”“護国の鬼”(義務・責任・夢)
“大東亜共栄圏の礎”“皇運の扶翼”“大政の翼賛”(夢)
“――弾丸は飛び来る、マストは折れる、ここが生命のネ、
捨てどころ、ダンチョネ“ (自己憐憫)
“身を鴻毛の軽きに〜”“信義に厚きは軍人の〜”(タテ
マエ)「白虎隊」「楠正行」他の戦史・軍神・肉弾三勇士、
他。
(以下次号) Th-185 H19.10.10
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<中村のコメント>
先般本誌に掲載した、hideおじさんの日の丸・君が代問題
から、教科書検定での沖縄の渡嘉敷村での玉砕問題などに絡ん
で、私達の左傾バイアスを指摘されたトラネコさんから、以下
の文をいただきました。
今後日本の出来る国際貢献として、かつての公害を見事に
克服してきた、環境先進国日本の精神と技術の移転をトップ
に持ってくることだと思います。
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加速する砂漠化 チャイナの現状
トラネコ
「四川省;加速する砂漠化」を読んでの感想です。
14日(日曜日)のTBSの報道特集でもシナの環境問題が取
り上げられていました。
場所は失念しましたが、かつての湖がダム建設によって砂漠
化し年間40〜80メートルの速さで砂漠化が広まっていると
のこと。
これは旧ソ連時代のアラル海もまったく同様で、アラル海東
部の砂漠地帯を綿花畑に「改良」するためにアラル海に注ぐ川
のながれを変えて砂漠への灌漑用水にしたところ、アラル海は
干上って漁業は全滅、周辺地域は塩害で農地が全滅。「一石二
鳥」の大失敗でした。
シナはこの共産主義の先輩をまったく学んでいません。あの
鳴り物入りではじまった三峡ダムも失敗だったと、最近共産党
幹部は認めてましたね。科学的社会主義とはお笑いネタですか?
旧ソ連も今のシナも社会主義・共産主義という全体主義は、
正論を言う人は弾圧され、党中央のイエスマンのみが残り、政
策失敗しても責任をとらないという無責任体質で非効率的なシ
ステムです。
なんか、こう書いていてよその国の話ではないような・・・
これに関して当サイトの中村先生や安田先生(環境考古学)
の話を思い出しました。
かつてのメソポタミア文明や古代エーゲ海文明、ギリシャ・
ローマ文明など西洋文明のすべては「森を破壊して成長し、森
の死滅とともに文明も滅んだ。」ということですね。
このことはインダス文明もシナ文明さらには、謎の多かった
中央アメリカのマヤ文明も、同様に森の破壊=文明あるいは都
市の滅亡に共通しているといいます。
唯一日本文明のみが「森を神聖なものとして、森とともに生
きる縄文人」の伝統を受け継いできた民族であることに先人の
優れた知恵と先見性を感じつつ、感謝の気持ちがわいてきまし
た。地球環境を守れる思想はキリスト教やイスラム教という一
神教でもなく、マルクス主義や主体思想という擬似宗教的イデ
オロギーでもなく、それは「ドグマなきイデオロギー」とでも
いうのでしょうか、矛盾した言い方ですが、縄文思想(=日本
文明)であると確信します。
神話の時代から江戸時代を経て今日も、なお営々と植林事業
を国家事業としてきた伝統はまさに日本の文化ともいえるので
はないでしょうか。
あらためて先人の偉大さに感謝するしだいであります。
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10月感銘の1冊
“深層水「湧昇」、海を耕す!”
長沼 毅著 集英社新書 693円(税込)
9月18日、NHKテレビ「プロフェッショナル 仕事の流
儀」で、はじめて著者を知った。肩書きは広島大学大学院生物
生産学部 生物海洋学研究室の準教授で、専門は生物海洋学・
微生物生態学、従来の海洋生物学から軸足を生物に置き換えた、
全く新しい研究分野の第一人者である。テレビでは、高温・有
毒ガスの充満する火山口などに棲む、生命発生に繋がる微生物
を探して歩くフィールド派(行動学者)の姿を映し出して
いる。
著者はかつて、深海探査艇「しんかい6500」で幾多の深
海探査に従事、特に「チューブワーム」という深海生物の生態
観察で有名になった。チューブワームは、深海の熱水噴出孔付
近で、硫化水素などを栄養源としている微生物との共生によっ
て生きている、口も消化管も持たないチューブ状の不思議な生
物である。
同著は、学生への生物海洋学「講義ノート」をベースにして
いるとあるが、シャレや言葉遊びも交えた平易な表現で、私た
ちの知らなかった海洋生態圏の食物連鎖・海洋気象学、それに
表題となっている「湧昇(ゆうしょう)」を始め、海流のメカ
ニズムなど多様な知識を与えてくれる。
日本は古くから魚食が中心で生きてきたが、世界的に見ると
圧倒的少数派で、現在(牛乳・乳製品を除く)農業生産は年間
約35億7000万トンに対し、漁業生産は1億3300万ト
ンに過ぎないという。漁業は古代からの漁撈という延長路線を
踏襲しているが、より以上収量を求める手段として、養殖(幼
魚まで飼育して放流する方法と、成魚まで飼育する方法がある)
という方法が採られているが、特に成魚まで飼育する方法には、
環境破壊と病気の発生が大きな問題となっている。
いま地球上には65億人という人類がおり、ごく一部の飽食
社会を除き、今でも飢えに苦しむ多くの人たちがいる。しかも
今世紀末には100億人を突破することが確実視されている。
その時点において従来の陸上由来の食料だけでは到底賄いきれ
ないが、今までいわば眠っていた海洋由来の食料を、「湧昇」
という自然現象を活用し、且つそれに人知を付加することで、
マグロで100億人が賄えるという試算を提示しているのが本
著である。
本著は陸上にしろ海洋にしろ、食物連鎖のスタートは、日光に
よる光合成であることを再認識させてくれるが、それが陸上で
は草であり、それを食べる草食動物なのだが、草は有機物を消
化できない。従って土中の微生物や菌類などがそれを無機質に
代えたものを吸収する。そして草を消化できないヒトは、草を
消化できる家畜を食べることで食物連鎖の頂点「人間生態圏」
を構築している。
海においては、川から流れ込んだ、また浅い海中で発生して
光合成を行う植物プランクトンを、動物プランクトンが食べ、
それを小魚や幼魚が、またそれをイワシ・サンマなど中型魚が
、最後に極相(クライマックス)としてマグロという連鎖サイ
クルで形成され、その過程や極相で人間生態圏に組み入れられ
る構図が見えてくる。
以上が「生食連鎖」と呼ばれるが、実はもう一つ「死骸・食
べ残し」という、いわば陸上の生ゴミといえる存在があり、そ
れがマリン・スーノーになって海中を浮遊し、再び動物プラン
クトンや幼魚などの掃除屋に70%は食べられ、30%が深海
に堆積されて行くのだが、そうした堆積物が「湧昇」という現
象によって 再び海面近くに上昇して、再び植物性プランクト
のエサとしての発生にリユースされる。これを「腐食連鎖」と
呼んでいる。そうしたメカニズムを生むのが海流であり、その
循環過程で引き起こす「湧昇」という現象が、この「腐食連鎖」
というサイクルの主役である。
大きな漁場は「生食連鎖」に「腐食連鎖」が加わった恩恵の
上に成り立っている。さしずめ、新車の流通という「動脈流通」
と、中古車のリサイクル・リユース流通に当たる「静脈流通」
とに当たると考えると分かり易い。ちなみに植物性プランクト
ンの必要とする栄養源は、窒素分でありリンであり、ケイ素
(シリコン)というミネラル分である。
ではなぜこの「湧昇」が海の豊穣をもたらすかだが、堆積物
が持つ窒素分の再利用である。深海では、硝酸化された窒素分
が、海面地殻に上がってくると、植物プランク論が光合成によ
って大発生を促すことになる。これは陸上でのマメ科植物が、
根粒菌の働きで地中に窒素固定を行うことと似た現象と言える
だろう。ご存知窒素分は肥料の主成分である。
地球上には、海流の位置によって幾つもの大小「湧昇」ゾー
ンがあり、豊かな堆積物のあるところには大きな動物性プラン
クトンが育つ。例えばヒゲクジラやペンギンのエサになり、世
界最大の哺乳類シロナガスクジラを生んだ南極の動物性プラン
クトン、オキアミは体長5センチもある。またカリフォルニア
沖では、ウニやアワビを大発生させ、それがラッコのエサにな
って、ジャイアントケルプの大森林を守っている。
著者によると、もしこのオキアミをマグロの味に出来たら、
すぐにでも100億人は養えるというのだが、海での捕食者た
ちは、多くの場合サイズがその下のエサの10倍くらいになる
そうだが、陸上でも同様、頂点に近づくほど個体数が減少する。
そのために、本当にマグロで100億人を養うより、「ヒトが
トラを食べる」という比喩を用いて、生態系の頂点にいるマグ
ロを食べることより、その過程にあるオキアミ・イワシ・サン
マなどを食べ、マグロは100億人が祭りの日に、ご馳走とし
て食べることで結んでいる。
自然の力に比べて、悲しいことヒトの力はまだまだ弱小であ
るが、英知を絞って人工湧昇に取り組む必要を説いている。た
とえば現在(いま)、ポンプによる汲み上げとか、人工海底山
脈を造り上昇海流を起こそうという試みがなされているという。
ここから敷衍すれば、未開発の海に比べて、環境問題とも絡
んで陸上における耕地の開発、食料生産量は限界に近いといえ
る。とすればいつでもウナギを、牛肉を食べるということが困
難になってくる日は近い。
やはりウナギは土用の丑の日に食べるべきで、牛肉はハレの
日という昔の生活に活路を見出すと共に、100億人時代にも
なれば、もはや飼料効率の低いウシからブタ、ブタからニワト
リへというように、動物タンパク源は、マグロを頂点とした海
洋生産物の利用と同調して、(エサ要求率の低い捕食の中位以
下の動物)例えばニワトリの肉やタマゴ主体にシフトすべき事
を示唆している。
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<10月−3 編集後記>
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最近思うところがあって、呼吸器科・胃腸科で貰うクスリを
(ごく一部を除いて)止めてしまった。どうもその方が体調が
いいのである。と言ってこの何時までも暑かった反動で、昨今
平年は11月にくる日中と夜間の温度差が、1月早くやってき
た。私の弱点は風邪引きである。その予防・対応が難しい。
さて、「格差問題」が妙に拡大してしまっている。本題にし
たかったのは「農村の再生」なのだが、なかなかそこに辿り着
けないでいる。「自給率の改善:食料自由化」という、大きな
二律背反の狭間で、多くの賢人を含めて言及し、取り組んでさ
え解決できなかったものを、わずかな字数や考えで、簡単に解
決すると言うほどの自信なんかは全くない。
次回なんとか謂わんとすることを纏めたいのだが、果たして
共感や賛同を得られるかどうか…。またその程度のことで、世
の中万事うまくいけば(それこそ)学者も学校もいらなくなる。
本号では、将来の食料問題の活路を海に求めるという著書を
紹介した。今後いろんな方の英知を結集しなければならないと
真剣に思っている。ぜひご意見をお寄せ下さい。(中村)
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名にし負う粗忽男中村です。懲りもせず「脱字・誤字・
変換ミス…」多発のこと、陳謝!多謝!深謝!
「笑って許して」下さい。 (中村)
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