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即時荷重インプラント治療の現在の到達点(5)

無歯顎への即時荷重インプラント治療編

 

1、基本的な概念について、

ご高齢の先生の中には、即時荷重インプラント何てちっとも新しくないのに、と感じている方も多いのではないだろうか。実際かつての創生期のインプラント治療は、かなりが現在の分類に拠る即時荷重で、植立時にインプラントと隣接していた天然歯も形成して連結冠の印象をして、早い所ではそれこそ48時間以内で冠を装着してのけていた治療を実際されていたりしてきていたからだ。

そして、こう言う治療の一つの方法として、下顎の総義歯の前歯部に数本植立して、ドルダーバーを翌日とかにネジ止めして、義歯の維持を劇的に改善させた即時荷重の治療も存在し、今尚この方法はレーダーマンの方法として現役を保つ実力を持っている。

つまり、即時荷重インプラント治療の中で総義歯は、最も適応症として望まれ、創生期より始められていたもので、最先端でありながら、クラッシックでもあるものなのだ。

 

こう言う歴史を踏まえると、総義歯に関してこそインプラント治療は歯科臨床に置いて切望され、今その適応が拡大し夢が叶えられるように成って来ているものなのだと、まずは理解して欲しい。

 

嫌がられる言い方をすれば、総義歯の即時荷重インプラント治療は新しいものではなく、

部分欠損におけるものこそ失敗の連続で、それを克服して適応拡大して来た新しい分野であり、最も難しいものを含んでいると言う事だ。従来の治療に置いても部分義歯こそが一番難しいと我々臨床医が悩まされて来た事実は何ら変わりがない、と言う事を再度強調して置きたい。即ち、臨床医が最も直面する部分欠損の治療こそ、インプラントでも一番難しい、治療の進め方、手術等のタイミングが難しいのは同じだと繰り返して置く。だからと言って総義歯への即時荷重インプラントが簡単な訳ではない。

 

いまだに、総義歯は独自の難しさを持ち、苦手意識を持ち続けているDRも大変に多く、講習会もかつてほどではないが、各地で開催されていて、盛況だそうである。私が歯科医に成った23年前は総義歯の神が、全国各地におり、又市井にも名もなき名人が数多存在していた。しかし、今その時代は完全に過去のものと成ってしまったようだ。

保険点数の改善も見られず、手間隙掛ければ掛けるほど大赤字と成ってしまう総義歯は、根管治療と伴に一番悲惨な状況にある。そう言った中で最近登場した総義歯に対するインプラントを用いる即時荷重治療は、患者だけに留まらずDR側にとっても福音となるものと捉えられ、大流行する事は当然起きるべきして起きている時代を象徴する事象とも言えたであろう。そこに在るのは、やはり総義歯治療は苦手であり、固定式にする事で解決するであろうと、ささやかな期待である。

だが、実はそうは問屋が卸さない。世界的に認められた独自の方法と言われるALL-ON-4が、主張している程の成功率を出せる筈もなく、風聞で中止勧告が出ているとまで言われてしまう状況なのは、インプラントで曲がりなりにも先端的治療に関わっているDRは薄々気が付いている。結果的に言うなら、総義歯の実力がなければ、あそこまで極限に支持する本数を減らした方法が、上手く成功する筈がないのである。その幻想を大々的に流布したメーカー、又、それに乗せられてしまい恋は盲目とばかりに信じ込みやってしまった専門医、双方の患者に対する責任はかなり大きなものがある。

 

私自身は、一番初めからかなり批判的であり全くしていない。私は広言して憚らない総義歯の実力者である。自分の実力の中では、今でも尚、総義歯が一番優れていると胸を晴れる。話が横にずれるが、私の総義歯の考え方は阿部二郎先生にかなり近似している。加藤武彦先生が現存しているDRの中でも総義歯は世界1と信じているが、そのさらに先には、阿部先生が行って下さるのではと密かに期待している。

 

話を戻す。私がすれば、本家を上回る成功率を出せるかも知れない。理由は総義歯が得意中の得意だからである。総義歯は極論すれば、形が整っている事、咬合調整が出来る事に尽きる。形が機能を如実に現し、具現化する為、精密な咬合調整で整える、これだけの事でしかない。無歯顎への即時荷重インプラント治療でも、この原則は全く変わらない。そして、この原則を私は体得しているから、成功されられるであろうと踏んでいるのである。

 

即ち、無歯顎への即時荷重インプラント治療でも、形態と咬合調整が非常に重要な要素なのである、と言う事なのである。ご理解頂けるであろうか?要するに、特殊な海外のゴッドハンドが編み出した方法に拠れば誰でも高い成功率を出せる筈がなく、根底には義歯感覚、換言すれば義歯に対する実力がものを言うのだ。にも関わらず、流行してしまったのは、非常に残念な事であった。これも全ては、真っ当な総義歯治療が余りにも少なく、世界的流れの中でも、困難を極めている患者さんが大変に多い事、それを切実に救って差し上げたいと願っている医療人達の心が重なった所に、ブラックホールが生じてしまったのだろうと、私も同情はしている。患者さん達にはどうする事も出来ない事であるので、我々医療人がまずは本当に意味での基礎力、総義歯、部分義歯の実力、根管治療、歯周病治療の実力、歯周補綴の実力を磨く外ない、であろう。

 

今流行している、GBRや歯周形成外科、審美に踊る前にすべき事は沢山ある。基礎力を身に付ければ、9割以上の患者は救えるし、そうでなければ成らない。この事は金子一芳先生を筆頭にした、火曜会等スタディグループの大きな業績として、今こそ見直すべき事であろう。若いDR達には心に深く深く刻んで欲しいものである。そして、改めて強調したい事は、こういった基礎力は自転車に乗れるともう何年も乗っていなくても、今直ぐ乗れるのと同じ原理で、修得すれば体が忘れない、又直ぐ出来る。あやふやだとすれば、それは本物ではなく到達出来ていない、と自覚し精進するしかない。

 

大変申し訳ないが、総義歯絡みの総論になるので、抽象論的に成らざるを得ない事を謝罪する。形、咬合調整と言われても、分からないDRは分からないであろう。具体的解決方法は、身近に師を見付ける他ない。インプラントしているくせに総義歯の泰斗の元に行き学ぶ事は、結構難しいかも知れない。何故なら今でも、総義歯のDRの中ではかつての影響でインプラントに対する拒否反応が残っているかも知れないからである。

私自身が両方をこなすDRであった為、蝙蝠と見做されたりして、辛い思いをした過去がある。しかし、どんなものでも患者を救う方法の一つでしかないと、私はドライに考えて、必死で修得したと言うのが事実である。今は時代が変わり、そう言う気苦労はかなり少なくなってはいるであろう。若いDRの奮起と総義歯の名人達の歩み寄りを心から期待している。

 

概念の結論から言えば、無歯顎の即時荷重は総義歯治療が、根本にあると言う事でしかない。インプラントの腕自慢するDRで義歯治療を馬鹿にし、嫌っている事を広言して憚らないDRには猛省を促したい。そのような行為が、余計に若いDR達に良くない影響を与える事は言うまでもない。何故なら、国内のみならず、今現在でも世界中に総義歯で解決が付かず苦しんでいる方が、物凄く多いからである。阿部二郎先生が海外でまで出て行ってセミナーをされている事は、賞賛に値するであろう。

 

総義歯が分かる事で、その患者の口腔内の歯牙の設定位置、そして、骨とどう繋げて行くかが見えて来る。私はそう言う意味からも、総義歯で治療する事とインプラントで治療する事には、材料の違いしかないと考えている。最終的に支えているものは骨であり歯肉で、何の違いもないのだ。そこにどう補綴物を入れて行くのか?どう支えさせて行くのか?最終的な補綴が頭に描けなければ、インプラント植立すらまともに出来はしない筈である。

これは私は嫌いな言葉だが、補綴主導型インプラント治療に成ってしまうだろう。私がこの用語を嫌う理由は、その御旗の元に、いたずらにGBRやソフトテッシュ増大手術が為されているからである。その事が余りにも大きな代償として、現在のインプラント治療に影を落としている事も、若いDRは銘記しておいて欲しい。

患者は難しい手術で120%の完璧な審美を求めてはいない。80点主義で充分、背伸びして厳しい手術されても喜んでいるのはDRだけである。はっきり言ってしまえば、そう言ったレベルの高い仕事が出来るようになるDRは、極々限られるし、そう言うDRは、自分自身で自分は出来ると言う予感がある。言うなれば選ばれた人々なのである。

 

私が目指すものは、標準化である。その境界領域を見極める力を如何に身に付けて頂き、手の届く範囲内で治療出来るか、それとも専門医に紹介して送れるか、そこが重要な心掛けであろう、と明言する。今インプラントが商売化し、自分の出来る範囲内で無理矢理治療しようとしてしまうとか、あなたはインプラント出来ません、と発言して患者を絶望の淵に追い込むような行為は、厳に慎むべきである。

上には上がいる、出来るDRは出来る。私自身がそうして患者さんを何とか救って来た。巷では類するような事が、インプラントに長けたDR間で多数発生し、出来もしない事されて悲惨な状況に成ってしまっているとか、出来ないと断られた患者を救う事で、てんてこ舞いだと漏れ聞いている。

 

何度でも言うが、無歯顎即時荷重インプラント治療は、総義歯に通ずる以外にない。そう言う意味から、今成されている治療等には、私は暗いイメージしか抱けない。その理由は総義歯の出来るDRが激減している事は、誰の目から見ても明らかだからである。このような時代の趨勢には、私は残念ながら危惧を抱いている。今回はインプラントの話なので、総義歯の話は出来ないが、成書を繰り返し見て形を体得頂きたい。これで基礎的概念を解説出来たと思う。

 

2、臨床実例紹介

最初に謝らなければいけない。ここで紹介して来た症例は治療終了したものを出して、それなりに方法論が確立しているものを、お役に立てて頂きたいと考えて出して来ていたが、今回のケースに関しては終了までを写真撮影したものがない。なので方法を解説はするが、その結果に関しては、別症例となってしまう、ご容赦頂きたい。

今回ご紹介する方法は、私の知る限りでは何処にも出ていない世界初出の筈で、にも関わらず、私自身が総義歯治療に長けている為に、余り記録保存に燃える事がなく、慌ててて一つ症例を仕上げようとしたが、間に合わなかったのである。平に平にお許し頂きたい。根本的解決の一方法として、私自身は確立させていて、十何症例しているのだが、写真を撮っていなかった、申し訳ない。

今回ご紹介するケースは、臨床上こう言うのに遭遇して、いきなり総義歯をしなければいけなくなる症例として学んで頂ける面が多いと信じている。

 

まず、現在考えているインプラントの植立であるが、一般的には掌を下に向けて指を少し広げた状態でやるのが正しいとされている。しかし、私はこれに反対している。私は基本的に、無歯顎になってしまってまで、天然歯の如き生え方を模倣する必要はないだろうと信じている。そこにあるのは骨と粘膜だけであり、自由度がかなり広い。従って、出来る限り全てのインプラントが平行に成るように植立するのが、ベターであろう、私自身はベストであると信じている。

インプラントが平行に植立出来れば、補綴もやり易くなる。今は技工士が角度を変えてアバットメントで平行性を取ってというのが常道であろうが、手順が増えれば増えるほどそこに誤差が入り込み、微妙にずれてしまう。それが結果的に補綴の複雑化を招き、しかもネジ止めの方式にしたりしたら、更に力の配分が均等でなくなり、何処かのインプラント体のみに応力集中を招きかねない危険性が、非常に高いと指摘して置こう。

始めから平行に植立出来ていれば、今のCAD/CAMシステムならかなりシンプルになり、セメント仮着、合着も可能に成り力の偏在を避ける事が出来る。シンプル・イズ・ベストは常に有効な法則なのである。

 

では何処に基準を求めて、無歯顎に植立するかである。その前に断っておかなければ行けないが、総義歯の装着期間が長い患者さんでインプラント治療をする場合は、大変に難しい。粘膜切開して全顎的に剥離してしまうと、全く基準が無くなってしまうからである。やれば分かるが、骨しかない中では、基準を見付けるのが非常に難しい。なので、所謂フラップレスで植立出来るならすべきである、とお勧めする。粘膜があればそれが目安になるからである。

 

そして、各インプラントの植立であるが、まずは正中1番部位を決めて始めるのが良いと感じている。対合との関係で歯冠の来る位置の想定をして、そこと骨の安定する部位を素直に結ぶように植立するのが良い。これがかなり難しい。なので、総義歯に目安と成る穴を開けておいて、使うステント方式が有効である。その時も、136部位辺りに穴を開けたりするのだが、穴の向きは全て平行にしてみるとよりやりやすくなるであろう。

つまり、私は総義歯とかの即時荷重では1番が基準となり、他の5本以上のインプラントは全てこれに平行になるように工夫して植立するのが良いと信じている。

 

特に上顎では、この13部位が骨の残存量が多く、厚みもある事が多く活用し易いだろうと考えているのである。上顎は特に24番は頬側の陥凹が見られる事が多い。なのでそこは避けた方が安全であろうと判断している。勿論3DX等のCT画像上で余裕があれば、植立する位置は審美等色々な事を考慮して、ポンティックを上手く使う方法もある。

 

そして、出来る限り1,3部位等に関しては即時荷重を狙うなら長いインプラントを用いる事をお勧めする。3DXで見るとストローマンの一番長いインプラント16mmでもまだかなり余裕があり、20mm位全然大丈夫と言う方は結構多い。パノラマ上では16mmくらいが限界に見えるかも知れないが、CTで見ると余裕がまだ沢山ある。この事実をメーカー側には伝えており、もっと18mmとか20mmとかを欲しい、と言ってはいるがいまだ改善されていない。残念で仕方がない、もっと長いので行ければ、即時もし易いのにである。

因みに、こう言った場合、ドリルで削る方法はかなり厳しい。冷却上の問題が生じるであろう。その点を改善して、ホール形成するにはオステオトームが一番良いであろう。上顎なら殆どこれで行ける。

 

一番最初に1番に植立する。そこから隣とか後ろとか、支えてくれるインプラントを植立して行く。目安としては4本以上が35N以上で植立されれば、そこにソリッドアバットメントを捻じ込み、総義歯の穴を即重レジンで埋めて、簡易コーヌス義歯型に仕上げられれば手術日は終了である。35N以上を超えている本数が4本では固定式の即時荷重は、私はしていない。固定式でやる時は6本以上の時だけだ。しかも、これは完全に見た目の回復の為であり、咬合が維持される部位は前歯にして、奥では噛まない事をお願いしている。

 

このような簡易コーヌス方式の即時荷重は、最も難易度が高く、義歯にまで完全に通じていないと不可能であろう。義歯治療の実力まで必要とする所以である。義歯単独でも動かない状態を提供出来、それにインプラントによる維持が加わり無口蓋に出来る。そうすると患者さんは凄く楽に成ったと喜ばれる。

上顎の入れ歯が嫌がられるのは口蓋部だ。ここが無ければ、相当の方が義歯の悩みから開放されるので、私は固定式に拘ってはいない。しかし、かなり難しいのは事実である。

下顎でも総義歯の形を出せていれば、インプラントの支持が加わる事で動きを殆ど封じ込められ、粘膜の疼痛を防げるので、やはり患者さんから相当に喜ばれる。

 

平行に植立し切る事を達成出来たものは、パノラマ写真を撮ると独特の画像を呈する。パノラマ上で平行に植立されているものは口腔内では平行ではない。3次元的に平行を目指すには、3DXが物凄く有効である。ある特定の面でスライスした骨の状態を見せてくれるので、一定方向で骨の分布を見せてくれる、この機能こそ3DXの独壇場とも言えるもので、その決めた方法でどうなるかのシュミレーションも完璧である。ここが私の独自の方法の要諦なのである。

 

具体的症例解説をしておこう。

Nさんは全顎的歯周外科治療を受けたのだが、その後引越ししたりしてメインテナンスが保たれず、残念ながら下顎両側臼歯部、上顎全顎インプラント治療となった。

まず、上顎に先立ち下の臼歯部をインプラントして、上顎に移る。

 

上顎の残存歯は全てグラグラであり、一気に総義歯になってしまう。ところが口蓋隆起があり、床に拠る封鎖が期待出来ない、その上、本人はそこまで大きな義歯はしたくないと言う事でインプラントを必ず成功させて、簡易コーヌスで仕上げて差し上げないといけない。

3DX上で残存している歯と使えそうな骨の量との関係を読み込み、植立位置を決める。

一番気を付けなければ行けないのは、抜歯時に骨を痛め付けない事である。そして、病巣を完全に取り切る事、これが難しい。以前の連載でも触れているが再び強調しておくが、国内の器具では短いし大きい。もっと長く小さい器具が必要なのである。

 

この方の植立も削る事は最小限に留めている。そして、かなり長いインプラントを用いている事はレントゲンで分かるであろう。この画像が先程触れた状況の画像である。幸いにして前歯部のインプラント4本が35Nを超えた。直ぐにソリッドヘッドを留めて、簡易コーヌスで無口蓋総義歯を入れられるようにする。後方のインプラントは植立だけで精一杯で、オッセオインテグレーションを待つ。ペリオテストで満足出来る数値に成ったら、ソリッドヘッドを留めて、順次支台に加えて行く。

 

尚、オステルとペリオテストの比較が良く問われるが、私はペリオテストを臨床上有用と感じている。理由は、そのまま計測出来るのが最大の特徴であり、インプラント体に回転力を掛けないで済むからである。オステルは常に回転力を掛けないと計測出来ない。特に逆回転力を掛ける事は、私は嫌っていてその為使わない。

 

上部構造をネジ留めにするのを嫌いセメント合着方式を好むのも、回転力をインプラント体に掛けたくないからで、ストローマンインプラントは、特にインプラント体そのものに力が掛かるように出来るインプラントとして優れていると考えている。他のインプラントは全てジョイントのネジの部分に最終的に力が掛かる方式であり、この点においてもストローマンが随一即時荷重に適しているとも、私は考えているのである。

 

繰り返しに成るが世界の学会に出ると、即時荷重の話では、相当の方がストローマンユーザーだ。恐らく8割以上であろう。が何故か、その長所をメーカーは強調したがらない。そして、ノーベルがその点を突いているのは、面白い現象である。

ノーベルは審美に強い。が、即時負荷と言う呼称を商称登録してまで売りにしようとしている。互いに本来自らの強みを売りとせず、急所と思われる所でもカバーできているのだと言う戦略を取っているのは、非常に興味深い現象である。

 

そして、最終補綴形態だが、私はソリッドヘッド上にマグネットの付いているテーパーの大きめのコーヌス冠を被せ、無口蓋の殆ど頬側の床しかない金属床義歯を装着する。

下顎でもかなりボリュームを減らす事が出来、時に取り外せるブリッジと出来る事はコーヌス式補綴と全く同様である。こうすればかなり小さい義歯と成り、患者さん自身は満足して下さる。こう言う治し方の方が頬側の膨らみが再現出来、私は審美的であると感じている。これを無理して固定式にするとなると大きな谷のような部位が出来てしまい清掃性が問題であろう。

その点、私の方法は非常に清掃性に優れ、長期に安定してくれるものと期待出来る。しかも、咬合調整が口腔外で出来るので患者さんが楽である。

 

無歯顎の即時荷重は固定式ばかりが持て囃され、今回出したような治療は、私個人的には世界でも見た事がない。義歯治療の力、インプラントの力、そのコラボレーションを計れる事、と非常にハードルは高いが、固定式よりも汎用性は多い筈である。これ以外の方法だと、ドルダーバーとかのクリック方式の固定か、マグネット根面板方式であろう。因みに恩師のDRラムは全くこのような解決方法は取っていないので、これは私のオリジナルである。

 

最期に最新のボストンのAOアカデミー・オブ・オッセオインテグレーション、インプラント学会での情報であるが、世界の潮流は完全に歯科用CT下で、徹底的に机の上で出来る事は済ませておいて、それを後は実行するのみと言う方向のMISミニマムインバッシブサージェリー最小限の手術で最大の効果を挙げる方向へとシフトしている。

しかし、それぞれの個人個人のDRの手技の差が有り、こんなに大きな手術でMI?と首を傾げるようなものもまだまだ多い。最終日の最終一般講演が、今回の内容ともろに被っていて、不思議な感慨を覚えたが、彼らと私の差は大きく、議論百出であろうと予想するものである。

 

次回は、トラブルの解決編で、世界でも類例を見ないものを又ご報告する。

  

 

PS.編集長へ

正直に言って、世界はまだまだ侵襲の大きな派手な見栄えのする外科を、殊更に自慢げに講演する方々が主流です。かのJIADSとかSJCD(こちらは最近顕微鏡を押し出しているので改善が見られますが)の患者不在の治療ばかりで、嫌に成ります。

なので、又ご提案なのですが、MISについて特別編で書かせて頂けませんでしょうか?

今のインプラント界は百花繚乱で、しかも皆が唯我独尊です。人の話に聞く耳を持って貰えません。ですから、私の書くものは蟷螂の斧なのかも知れませんが、インプラント界の良心として、書かずには要られません。是非にお願いします。





具体的にこんな事を聴きたいと言うリクエストをお寄せ下さい。専門家からの症例相談も受け付けます。勿論患者様からの質問が一番大切なので、何が不安で何を知りたいのかを聞かせて下さい。マガジン内で答えられるものは、そこで説明します。個人的にお答えを希望される方はメールでお返事します。
kmdental21_genmatsumoto@yahoo.co.jpまでどうぞ。