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平成18年4月22日(土) 於:横浜市幸ヶ谷集会所

     テーマ「落ちる」を詠む

  落丁のわたくしである桜山       金子 弓湖
  穴あれば必ず穴に落ちて春       大山 迷子
  椿落ちるあなたも僕も掛時計      佐藤 榮市
  謝らぬ女たっぷり八重桜        鹿又 英一
  風呂敷は墓より広し桃の花       志水のりお
  桜だし春は自堕落さ          田中 耕司
  抽斗にサクマドロップ春の昼      田付 賢一
  桜すら潮時を知らす落差        森須 蘭
  団塊の妻は春風行ったきり       藤方さくら
  春空を落とすピエロの宙返り      左近 ゆみ
  春怪し季語派キレ派のKK氏       渡辺 隆夫
  思う壺に嵌まっている春愁       菊池 悦子
  花筏海に注げば硯箱          金子 泉
  落ちる落ちる底まで落ちる万愚節    高越 研次
  落ち着ける所へ落ちる春の暮      杉本青三郎
  跡青や四股に蹄のあるごとく      鈴木 了斎
  逞しき寝釈迦に添ひて犬ふぐり     渡辺 洋一
  介錯を待たず落ちけり白椿       金子八重子
  粉飾粉職粉食風信子          金子 嵩
  落ちてゆく凧の未来を捕まえる     わたなべ柊
  ゴヤから落ちた 犬が一匹砂まみれ   森田 栄一
  また落ちる温故知新の春ショール    周藤迪之相
  なすがまますうぷのすぷうんとなる   野谷 真治
  落ちない林檎信じた母を責められぬ   安藤 紀楽
  勃起して風に惑へり葱坊主       広瀬 元幸
  桜時舞い降りて来る美人力      吉田カタクリ
  うるうるとピラニアの目に花吹雪    東 國 人
  ゆうるりとベッドを落ちて毛もくじゃら 浅沼 ハク
  らふばいのさびしさやひとを愛すあと  松崎あきら

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    ★7月の俳句 その1

     兼題 鱧(はも) 歳時記より紹介

  ・鱧の酢に文句をつける堺の出     伊藤 白潮
  ・鱧湯びき洛北の尼さそひ出す     赤松 恵子
  ・関東の男も多弁鱧ましろ       宇多喜代子
  ・妻留守の裁ち鋏鱧の皮を剪る     岡本 圭岳

 関西の風物料理。関東ではなぢみが少ない分、どのようなことばで料理し
ましょうか。

     なかむら句会 ’05 7月13日より 

  ・鱧食べて私がだんだん透けてくる   林のりゆき
  ・鰻好き浪速に嫁して鱧に慣れ     増田倭久枝
  ・京のれん怪しき魚鱧の店       高津 葆
  ・楽しんでいとまごいして鱧の皮    鶴澤文次郎
  ・はんなりと風をもらいてはも料理   赤澤美智子
  ・雨しずく鱧さげてゆく虹の下     野谷 真治
  ・鱧の皮噛み切る空に鉾囃子      芦田麻衣子
  ・京都弁のジャズシンガー鱧ましろ   藤田山頭女
  ・はんなりと京言葉の裏鱧の骨     高橋 英美
  ・江戸っ子だい鱧料理なんか喰えるかい 深沢 紅炉

     ◆作品鑑賞◆   林のりゆき

 「鱧」は関東の方ではあまり食さないため、イメージ作りが難しい。

  ・鱧の皮噛み切る空に鉾囃子      芦田麻衣子

 何の変哲もない句であるが、鱧料理と祇園祭は切り離せない。
 京都に住んでいる息子によると、鱧はあちらでは極普通の魚で、スーパー
でも売っているという。鱧を食べながら、家の前を過ぎる鉾を見ている景が
さりげなく描写されている。歳時記の例句にでも出てきそうだ。

  ・江戸っ子だい鱧料理なんか喰えるかい 深沢 紅炉

 関東じんの思いを代弁した様な句である。思わず我が意を得たと思った。
食文化の違いというのは海の内外ばかりではなく、日本の国内ですらあるの
だ。長い歴史が作ってきた物の重みを、しみじみ思ったことであった。  

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        編 集 後 記
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 今回は、横浜の精鋭のグループから句会報をいただきました。ありがとう
ございます。
 これは前にも記したことですが、従来の句会のありようは、始めから終わ
りまで極々仲間内に限られた評価でしかなく、その作品はその後個人句集に
でもならない限り正当な読者にめぐり合う機会は少ない。まして主宰者のあ
るいわゆる結社の句会であれば、主宰者の句風以外認められにくく、他の句
会を覗くことは浮気者・危険分子とみなされることもある。これこそ日本独
自の短詩形発祥時代の封建の遺骸をひきずって、師匠おもいの美風・伝統な
どと思い違いしている人もあるかもしれない。そんな狭い了見の垣根を取り
払い、句会仲間以外にも開放されることで良き読者、よき俳縁にめぐり合え
る広場、言い換えれば、健康な俳句の出会い系サイトを目指しているのが、
このメール・マガジンです。これからも句会情報をお寄せください。
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