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  ◆山口県防府市阿弥陀寺吟行    2006年6月23日金曜日

 山口県防府市の阿弥陀寺は、周南市の月輪寺(がちりんじ)とともに山口県
では古刹として有名である。
 実は句誌『炎環』の主宰者、石寒太氏が昨年山口県に来県の折、阿弥陀寺
に立ち寄ったのであるが、時季がずれて阿弥陀寺が輝く時(阿弥陀寺はまた紫
陽花寺として知られている。)にもう一度、とのことであったそうである。こ
のことから今年6月23日(金)に同寺において紫陽花句会を開催する運びと
なった。
 また、前日女優でもあり『炎環』に所属している藤田三保子氏(俳号・山頭
女)が地元テレビの生放送で参加を呼びかけたこともあって、俳句は初めて、
という人の参加もあった。参加人員は38名、阿弥陀寺を散策吟行ののち一
人二句提出、全員で選を行った。が、人員が多いこともあり石寒太氏が選評
を行い。山口県俳句作家協会の役員である河村正浩、田中賢治、および山口
県現代俳句協会長久行保徳氏が特選一句の評を行い終了した。
 この句会には多くの現代俳句協会員も参加したが

   ・寺の蚊を打つたっぷりと水の音   藤井八重子
   ・人妻に抱かれし鉢の濃紫陽花    河村 正浩

らが多くの選をあつめた。
 石寒太氏の選については次の通りである。

 天  童顔の佛か神かてまりばな     中原 寛也
 地  紫陽花に我が血濃くなるまで憩ふ  佐藤冨美江
 人  あぢさゐや世界のどこか揺れてゐる 三輪 初子
 入選
    けぶりつつ山紫陽花になってゐる  さぬきせつ子
    紫陽花の中に金剛力士の眼     河村 正浩
    あじさいに寺のいちにち香もえる  大村ひさ子
    あじさいの空はももいろ昼の夢   さぬきせつ子
    紫陽花の毬に結界ゆるがざる    田島みつ子
    しんがりを登るでで虫仏坂     田中 賢治
    山口弁紫陽花寺を盛りあげる    山本加須子
    借景も人も消したる男梅雨     山本加須子
    人よしもほどほどにして七変化   大谷 房代
    紫陽花へ眉間濃くする女坂     久行 保徳
    身の丈に添う紫陽花に近づきぬ   渡辺美代子
    三界の紫陽花の中にいる      時広 智里
    寺の蚊を打つたっぷりと水の音   藤井八重子
    紫陽花の風を伽藍を仰ぎけり    藤井八重子
    紫陽花の毬に記憶の母の背ナ    佐藤冨美江

 その他の特選は以下の通り
 藤田山頭女選
 特選 寺の蚊を打つたっぷりと水の音   藤井八重子

 三輪初子選
 特選 紫陽花を佛の雫と思いけり     時広智里

 河村正浩選
 特選 濃あじさいむらさき太りゆく吐息  安田阿佐子

              資料提供 たむらのぶゆき・藤田山頭女

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★7月の俳句 その2

兼題 半夏生(はんげしょう)  歳時記より紹介

  ・病室に降る煤のあり半夏生    石田 波郷
  ・夜へ継ぐ工場の炎や半夏雨    角川 源義
  ・橋越えし人もけものも半夏生   伊藤 梢
  ・半夏生猫は片手で顔洗う     村井 和一
 
 半夏生は雑節の一つ(72候夏至から11日目)。とドクダミ科の植物の二
種あるが、どちらも縁起悪そうな雰囲気がある。

    なかむら句会 ’05 7月13日より 

  ・洗いざらしの魂でいる半夏生   林のりゆき
  ・半夏生おとこ坂行く四つん這い  千葉督太郎
  ・半夏雨打たれし肩や破戒僧    芦田麻衣子
  ・気紛れに香焚いており半夏生   高橋 英美
  ・半夏生空ダムの皺数えをり    藤田山頭女
  ・体臭のあわきを愛しみ半夏生   麻植 国栄
  ・観覧車電池きれたる半夏生    市原 虎児
  ・独り居にしなだれかかる半夏生  岡部 史郎
  ・瀬戸内やつづく塩田半夏生    森岡 都
  ・ひとあめと石の声する半夏生   野谷 真治
  ・草刈りて黒々肌に半夏雨     高津 葆

    ◆作品鑑賞◆   林のりゆき
 
 「半夏生」は、時候と植物の何れも詠むに苦労する題の代表格である。そ
んな中で皆んが頭でのイメージだけでなく、それぞれの「とらえ方」をきっ
ちりやっているのには感心した。

  ・体臭のあわきを愛しみ半夏生   麻植 国栄 

 半夏生という題を見事に読みこなした。半夏生(夏至から11日目)という
時候が、季語として「生きて」いるのである。半夏生を体臭という切り口で
詠んだ句を私は知らない。やはり女性の句である。

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        編 集 後 記
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 先の、防府市での吟行句会の情報をいただきました。超結社句会だったこと
もあって、句会での初顔あわせも多く、出句者名の表記の正確さに多少の不安
があり、不本意ながら、当日参加者の紹介を兼ねた一人一句は省略させていた
だきました。
 なお、句の特別作品も募集しています。投稿を頂くときはタイトルつきで、
五句以上まとめて。俳句に関わる句集評などの一文も、よみきりになるものを
歓迎いたします。
    句の投稿・句会情報はこちら⇒omiyage@kai-raku.net

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