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◇兼題 読む    (歳時記より抄出) 

 印刷物を見て内容を知ること。数をかぞえること。人のこころを推しは
かること。
   本を読む菜の花明り本にあう           山口 青邨
   雪積むや離れてよめし人ごころ          鈴木真砂女

     なかむら句会 (08・3・12)

   深読みの口固く閉じ干鱈裂く            麻植  國榮
   春炬燵「夫婦読本」置きざりに              藤井  安廣
   夕東風や読みて知りたる親心             藤田山頭女
   啓蟄や大吟醸のしおり読む             市原  虎児
   水の音ばさり広がる本を読む           野谷 真治
   空気読めぬ宰相の居て春遅し           岡部 史郎
   読むことの人生支えし年輪や            中村田恵子
   臍出すやいろはにほへと読む幼な            芦田麻衣子
   妻の心読めずにいるよ春一番           深沢 紅爐
   春もうろうと追憶のハイネ読む            赤澤美智子

   春の宵にじんだ星たちと話す            川津 与志
   メール読む眼鏡とりだす月朧             増田倭久枝
   目とこころ読めぬ侭なり草朧             鶴澤 文次
   花便り絵文字メールに友を読む             一之瀬正子
   明日を読む新聞ネタのイージス艦           高津 葆


        ◇ 鑑 賞 ◇      市原 虎児

   深読みの口固く閉じ干鱈裂く                麻植  國榮

 干鱈のかたいことと、口固い意志が重層してその印象を強調している。
深読みという、対人関係のあらぬ心理をさぐるのは、むしろ良き心づかい
がためと思いたい。

   春炬燵「夫婦読本」置きざりに                  藤井  安廣

 誰やらかが、ウフフと思わせの笑いをした。それは「夫婦読本」の解釈
からである。それは、仲の良い夫婦のための本であるのか、仲良くするた
めの本であるのか。それが「置きざりに」によって、その付句を考える読
者の心次第で、春情? もほほえましくなる。

   水の音ばさり広がる本を読む        野谷 真治

 それは、少し頁数の多い百科事典のような本を開いたと思いたまえ。そ
の時、水のことでも調べていたのだろうか。その本を開いた時の、頁のめ
くれる音から水の音がしたというのだ。また、「ばさり広がる」が上五の
「水の音」へ、下五の「本を読む」へ観音開きになるのではないかと批判
もあったが、この作品においてはむしろ利点になったと評価したい。

★新橋なかむら句会に参加興味ある方は「藤田三保子オフィシャルサイト」
 にリンクして下さい。今後の開催日・兼題の予定が出ています。

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 177号        編 集 後 記     莫迦正直
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 三月の我が家の事件としては、家族が二匹増えたこと。
 それは、飼猫の出産で、この猫はこれで三度目の経験であれば、今回は
その他の兄弟もぼくも立会いという安産だった。
 初産の時、その子どもは人目にさらさぬよう執拗に、室内の隙間をさが
して隠してばかりいたものが、野生味をなくした現在では、夜はぼくと一
緒の蒲団で寝るようになってしまった。
 まだ生れたばかりで、眼も開いていない十センチ位の大きさでしかない
のが、ぼくの手枕で寝ている。ぼくが寝返りをうつと潰しかねないので、
用心して、身を固くしているせいか、当分のぼくは熟睡できそうにない。
 昨年は十月に出産したばかりで、それはしばらくないだろうと思ってい
たのは甘い観測だった。食住足りていればあとは子孫繁栄でしかなかった。
前回は三匹で、一匹は貰われていきました。今回は二匹です。親猫は純血
のスコテッシュです。里親を募集いたします。勿論無料ですから、こころ
ある方は下記メールまでご連絡下さい。

    句の投稿・句会情報はこちら mtora226@gmail.com
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