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    ★4月の兼題 深 い

◇兼題 深い    (歳時記より抄出) 

 形容詞。文語、ふかし。入口から奥までの距離がながい、奥まって
いる。程度がはなはだしい。時が経ちたけなわになっている。
   地へ深くみどりの昆虫おりてゆく         穴井 太
   眼の隈は沼の深さに白鳥座           八木三日女
   昼寝ふかし男の乳房固くして            伊沢 唯夫
   蝶病めりふかくて蒼い檻の中           岡田 芝兆
   春深し失語の夫に沖ばかり            安井 昌子   

     なかむら句会 (08・4・9)

   春深し孤独な猫の高鼾                      杉浦  正勝
   孕み鹿マタイ・マルコの深き息                 鶴澤  文次
   桜ちるとき西行の深いしわ                     市原  虎児

   年次報記す春愁の森深し                     川津  与志
   春深む遺影の微笑謎のまま                 赤澤美智子
   春深し大江戸メトロ二段重ね                    島田圭佑子

   深なさけ迷ひ込んだる花の闇                  岡部  史郎
   鎌倉彫深い一刀仕上がりぬ                   麻植  國榮
   花びらの積もりたる下道春深し                深沢  紅爐

       ◆作品鑑賞◆  市原 虎児

   樹木医の花びら深く噛みにけり             牛村  幹男

 樹木医という、比較的新しい職種が新鮮な好感を呼ぶ。樹木を愛でるそ
れは、人を恋う感情にも通じて、その樹の花を口に含むこそアガペーであ
る。

   ためらいの深くしだれて咲くさくら              千葉督太郎

 しだれさくらのその形状が、物思いにふける誰かの心象風景である。た
だ惜しむらくは、「ためらい」という具体的な人情が出てしまったこと。
それは、しだれ咲くというその姿勢を鮮明にした手柄もあれば、平明にな
った不満を残しつつ、これはこれで良いか。

   読み深し崩せぬ一手碁会場                高津  葆

 〈深読みの一手崩せぬ春の囲碁〉と添削してみた。なぜなら、原作のま
まだと、無季の三段切れであり、俳句というよりは川柳らしく読めたから
である。もちろん、この添削にしても「春の囲碁」とは安易な季語と非難
されそうであるがーー。日常の具体的風景に取材したという態度に好感が
持てる。

★新橋なかむら句会に参加興味ある方は「藤田三保子オフィシャルサイト」
 にリンクして下さい。今後の開催日・兼題の予定が出ています。
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 185号      編 集 後 記     莫迦正直
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 先月の中旬よりパソコンの操作に不具合があり、機械のご機嫌を伺いな
がら、と思っていたが、ますます不機嫌らしく、最近はメールがどこに届
いているのか、行方不明で開けないでいる。
 原稿を送ったが見られたか。という電話をいただいても、すでに一ヶ月
以上それは不自由になっている。
 したがって、その原因などさぐるのは、ぼくにとって大変高度な知識が
必要のようなので、無理難題とあきらめ、新しいGメールを設定しました。
 以後はこちらにお願いいたします。この一ヶ月間にもしメッセージをお
送りいただきました方があれば、それは改めてご送付くださいますよう、
お願いとお詫び申し上げます。

    句の投稿・句会情報はこちら  tora226@gmail.com
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