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■ありのみ句会 平成20年4月例会   於・大宮 2008年4月19日

 
   花ふぶき異国通貨で土産買う              井口 貞子
   荷ほどけば竹の子匂うさつま産             黒添 寿子
   桜鯛白磁の皿を輝かす                  本田 秀子
   姦しやカフェテラスのチューリップ                  黒添 寿子
   父母の居て生家の庭の葱坊主              庄司 恵子
   君とゆく海鮮丼春岬                    黒添 寿子
   たんぽぽのご馳走持って母の膝             栗林 養子
   ままごとのつくしたんぽぽ夕食会             栗林 養子
   深春や銀河鉄道最後の客                     平野富美子

   つくづくし孫の笑顔や土手の上                   井口 貞子
   磯の口開けて今日の鹿尾菜(ひじき)刈る           斉藤 サダ
   七十路シャンソン愉し花篝                      渥美ユキ子
   参道の花まばらなり恋雀                       中川比佐子
   宅配のやっと来た気配春の闇                   庄司 恵子
   桜咲く菩薩のような義母(はは)の席                栗林 養子

 ■■特別作品〈 かささぎ群れる韓の旅 〉     麻植  國榮

   「立春大吉」札の貼られし韓(ハン)の家
   ここは韓国かささぎ群れて日脚伸ぶ
   それぞれの歩幅きまりて韓の旅
   さりげなく身の上話韓の宿
   トルハルバンの目玉とび出す木の芽風
   粧ひし銀杏の芽吹き二分三分
   れんぎょうの途切れる辺り韓の村
   朝の月来る宋廟やさくら舞う
   桜散る窓ひとつ開け処刑棟
   花の散る隅につるされ竹婦人
   人生の役柄楽し花の中
   花の雨この唇に今ふれる
   見返へれば白い日暮れの山桜
   あわび粥分けあう旧友(とも)や仁寺洞
   ままごとの恋の予感や犬ふぐり
   禅堂の門扉に寄らむ犬ふぐり
   靴紐を結びなおしてせりを摘む
   韓国産あさりの過去が口開く
   再びの春の惑ひや朝の月

       ◆作品鑑賞◆  市原 虎児

   花ふぶき異国通貨で土産買う              井口 貞子

 作者は外国へ行ってきたらしい。そこでお土産を求めたとき、いつもの
「円」と違う通貨を使ったという感動こそあらためて発見となる。
 この句に、さらなる深化を求めるとすれば、「異国通貨」である。韓国
ならば「ウォン」、中国へなら「元」、アメリカならば「ドル」。その通
貨を明確にされると、その旅吟を定着させることができる。
   
   姦しやカフェテラスのチューリップ             黒添 寿子
 
 カフェテラスは外気にふれている喫茶室。この場合、姦しというその女
性のつきない話題は、家庭のこと世間のことーー。そのテラスにこれも今
盛りのチューリップが咲いているとなれば、絵に描いたようなリアリティ
ーである。
 
   たんぽぽのご馳走持って母の膝            栗林 養子

 「ままごとのつくしたんぽぽ夕食会」と共に可愛いままごとである。ま
まごとは女児の重要な習性か。あこがれの母をまねして母のような女性を
めざして成長してゆく。ままごとの句としては「まま事の飯もおさいも土
筆かな 星野立子」という先行句がある。

   宅配のやっと来た気配春の闇              庄司 恵子

 「宅配のおくれて来たる春の闇」と添削してみた。元句のままの「やっ
と来た」という待ちくたびれた口語表現も面白いが、それでは印象が俗ぽ
くなって軽い。「春の闇」はこわいものか、こころ踊るものか、それこそ
気配であれば句中の「気配」という説明は不要。表現したいモノを明確に
しぼることも、俳句上達のコツである。 
  

              ◆六月の予定◆

 ◆会 場  未定。今まで会場だった喫茶店が閉店のため。
       新会場が決まらないときは、通信句会とします。
  ◆と き   平成20年6月21日( 毎月第3土曜)午後2時〜4時
 ◆作 品  事前投句で当季雑詠3句以内。
         5月14日(土)必着。Fax可
 ◆会 費  1500円(コーヒー、ケーキつき)
         欠席投句の場合は1000円(現金か定額小為替)
 ◆投句先   麻植  國榮(おえ くにえ) 電話&fax 048・641・1700
         〒330−0845 さいたま市大宮区仲町1−125−6 

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 188号      編 集 後 記     莫迦正直
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 女優の藤田三保子ことなかむら句会の藤田山頭女代表が、来る5月25日
(日)のNHK俳句(午前8時より放送)に出演されます。また、6月には「俳句
王国」への出演も予定されています。ぜひその活躍にもご注視いただきたく
お知らせいたします。
 その藤田氏には、市原虎児の別人格が主宰する書道会の社中展に上記テレ
ビ番組で紹介される俳句絵も展示させていただきました。それにご来場いた
だいた日には、その会場を抜けて袋まわしもしてしまいました。

   嫁した娘のボールペンで描くさくらんぼ       藤田山頭女
   マグカップ氷鳴らせて夏兆す              市原 虎児
   嫁ぐ娘のスクランブルエッグ弾けをり        川津 与志
   嫁ぐまで納豆知らず五月晴れ            赤澤美智子

 嫁ぐというのが兼題ではなかったのですが、近々娘を嫁がせるという川
津氏のめでたい話題から、花嫁の父を冷やかしたのでした。

   消しゴムで顔の縁消す五月闇            藤田山頭女
   折り鶴を飛びたたせたい五月晴れ        市原 虎児
   黒南風やサインコサイン三角定規        赤澤美智子
   コピー紙の山に降りたり夏の蝶           川津 与志

 軽い食事とほどよいアルコールが、失礼ながらいつもの句会での作品以上
の成果があったのではないでしょうか。

    句の投稿・句会情報はこちら  tora226@gmail.com
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