[ これも横浜本? ]
★この本から感じる「横浜」:商売が思想に貫かれているまち・横浜
これも横浜本である。
メガネ選びのハウトゥー本である本書の著者は、伊勢佐木町に店を構える「メガネの春田」の経営者。
全98ページのこの本は、「メガネを楽しもう」という思想に貫かれている。
少し目次を抜粋してみる。
年齢によるメガネの楽しい選び方
初めてのメガネの楽しい選び方
顔、形によるメガネの楽しい選び方
使用目的によるメガネの楽しい選び方
カラーによるメガネの楽しい選び方
度数によるメガネの楽しい選び方
ブランドによるメガネの楽しい選び方
素材によるメガネの楽しい選び方
価格によるメガネの楽しい選び方
サングラスの楽しい選び方
以上、全10章である。
視点はさまざまだが主張はただ一つ、「メガネは楽しくなければいけない」ということ。
通常メガネは視力の低下など、やむにやまれない状況でかけるものだが、
それをネガティヴに考えるのではなく、かけていてウキウキするようなメガネを
選ぶことでメガネライフをエンジョイしてほしい、という想いが大いに伝わってくる。
この本を読んだ後、早速伊勢佐木町の店舗に行ってみた。
すると、店員の対応は見事に「メガネを楽しむ」という思想に貫かれていた。
基本的に対人型の営業スタイルで、欲しいメガネの特徴を言うと、
壁一面の作り付けの棚から次から次へとメガネを取り出してきて薦めてくれるのだが、
その際の決めゼリフは「こういうメガネをすると楽しいですよ!」。
なるほど、メガネをかけるというのは楽しいことだったのか。
私はすっかり春田のエンジョイ・メガネ思想に「洗脳」されてしまった。
実際にはそこで薦められたメガネは、ちょっと派手すぎて日常の仕事などには
かけていきにくいものも多かった気もするが、そういうメガネをかけてこそ、
「メガネが人生を変える」ということが起こりうるのかもしれない。
いずれにしても、商売が実利を超えた思想に貫かれているということは素晴らしいし、
こういう商売のあり方が「横浜らしさ」として広がればいいなと思う。
あと一点、私としては、本の出版を販促ツールとして活用するということも
なかなか素敵なことだと思う。
現在、メガネの春田の店頭ファサード部分には、本書の大きな写真と、
「この本の著者は/メガネの春田/大多和です」
という売り文句が大きく張り出してある。
つまり、本の内容でお店をPRするだけでなく、
「本を出しているお店である」ということ自体を「売り」にしているわけだ。
本ブログ36冊目で、飛行機からビラを撒いたり「シウマイ娘」を登場させた崎陽軒は
横浜らしいPR上手な企業であると書いたが、
同様にメガネの春田もPR上手な横浜らしいお店として位置づけさせていただきたい。
ちなみにメガネの春田はホームページもなかなか粋なつくりになっている。
ぜひホームページ上のお店にも「入って」見ていただきたい。
【書誌データ】
書 名:楽しいメガネの選び方
著 者:大多和由男
出 版:近代文芸社
出版年:2004年8月
価 格:952円
ISBN: 978-4-7733-7178-9
