[ 横浜資料 ]
★この本から感じる「横浜」:横浜プロモーションの「仕掛人」・横浜信金
1923年(大正12年)7月創業の横浜信用金庫は、2003年の創立80周年を機に、『横浜ルネサンス』という小冊子の発行を
スタートした。
『横浜ルネサンス』は、さまざまなジャンルで活躍する横浜の「仕掛人(プロデューサー)」へのインタビューを中心に構成されている、
ユニークなフリーペーパー。
現在は年2回の発行で、最新号の第10号「横浜を拓く」は先週出たばかり。
今回「横浜本」として紹介するのは、2002年から2003年にかけて発行された
『横浜ルネサンス』第1号から第3号の内容を再編集して書籍化したもの。
およそ30人もの「仕掛人」たちが、語りに語っている。
読み所は、「それぞれの横浜」。
いくつか抜き書きしてみると、
(株)むごん劇かんぱにい主宰 IKUO三橋氏
「ここが野毛らしいなと思ったのは、初めての大道芸のときビルの屋上に
上がって見たら、街がブルーだったんです。トタン屋根のブルー。
焼鳥屋の親子が、野毛の焼け跡から立ち上げてそのままやってるような。」
ジャズスポット「ドルフィー」オーナー 小室恒彦氏
「日本でも1,2を争うバンドに「Fuse」というのがあるんですが、
4人のメンバーのうち、3人までが横浜育ちです。このバンドはもったいないと
思うんですが、なぜか日本全国この店でしか演奏しないんです。」
小説家 山崎洋子氏
「思うに横浜は巨大な闇鍋ではないだろうか。ベースは鰹だしに醤油でも、
オリーブオイルや魚醤やトマトソースなどが勝手に放り込まれ、
混ざり合って独特のスープを創りあげている。」
(株)飾一代表取締役社長 岩宮陽子氏
「横浜は、何かひとつに限定してこだわりを持つのではなく、
いろいろなことに興味を持ちながら融合させていく街」
...という具合に、全く違う分野の人たちが横浜を熱く語っていく。
本書を読みながら「横浜って何?」ということを考えていると、とても心地よい。
こんな本を創った横浜信金もまた、「横浜の仕掛人」そのものだと言えよう。
先日横浜信金に電話をして、『横浜ルネサンス』書籍版第2弾の出版計画を
聞いたのだが、予定はないとのことだった。
あるいは第1弾の売り上げが芳しくなかったのかもしれない。
しかし、横浜の「人」にスポットを当てる『横浜ルネサンス』の取り組みは、
横浜の潜在的なパワーを見せつけてくれる、極めて貴重なものだと思う。
まずは冊子版第10号とともに、本書を手に取ってみていただければ幸いです。
【書誌データ】
書 名:横浜ルネサンス
著 者:横浜信用金庫『横浜ルネサンス』制作室
出 版:ダイヤモンド社
出版年:2003年6月
価 格:1,500円
ISBN: 978-4-47819-046-3
