[ 「坂の上の雲」 要 約 ]
ガボンには、わずかに埠頭がある程度で、港といえるほどの施設はない。七百人ばかりの白人が住んでいるが、突如やってきた艦隊をみて、大騒ぎになった。
ロジェストウェンスキーは、全艦隊を沖合いにとどめ、それぞれ錨を投じた。領海外だからフランス政府の許可を得ることはないであろう。
翌日、陸地から一隻の汽艇がやってきた。フランスの海軍大尉が乗ってきた。大尉であっても、彼はフランス国家を代表している以上、ロジェストウェンスキーは、この大尉に対し、礼をもって迎え、昼食を共にした。
「戦況について、なにかあたらしい事をご存知でしょうか」と、参謀長コロン大佐は、フランス語できいた。フランス士官は、たえず微笑をうかべながら“ノン”とかぶりを振った。
当地には新聞すらときに半月遅れになります、といった。この時期、驚くべきことに、ロジェストウェンスキーは、満州と旅順港におけるあらゆる戦況について情報をあたえられていなかった。
フランス士官が去ったあと、ドイツ国旗をかかげた汽船があらわれ、艦隊のために石炭を提供した。おなじ同盟国でも、ドイツのほうがまだ頼もしかった。
ところが、この地のフランスの地方長官から使いがきて、「ここで石炭積み込みをやってもらってはこまる」と、いってきた。
産経新聞連載 新聞小説要約 下高原健二挿絵 切抜
ロジェストウェンスキーは、全艦隊を沖合いにとどめ、それぞれ錨を投じた。領海外だからフランス政府の許可を得ることはないであろう。
翌日、陸地から一隻の汽艇がやってきた。フランスの海軍大尉が乗ってきた。大尉であっても、彼はフランス国家を代表している以上、ロジェストウェンスキーは、この大尉に対し、礼をもって迎え、昼食を共にした。
「戦況について、なにかあたらしい事をご存知でしょうか」と、参謀長コロン大佐は、フランス語できいた。フランス士官は、たえず微笑をうかべながら“ノン”とかぶりを振った。
当地には新聞すらときに半月遅れになります、といった。この時期、驚くべきことに、ロジェストウェンスキーは、満州と旅順港におけるあらゆる戦況について情報をあたえられていなかった。
フランス士官が去ったあと、ドイツ国旗をかかげた汽船があらわれ、艦隊のために石炭を提供した。おなじ同盟国でも、ドイツのほうがまだ頼もしかった。
ところが、この地のフランスの地方長官から使いがきて、「ここで石炭積み込みをやってもらってはこまる」と、いってきた。
産経新聞連載 新聞小説要約 下高原健二挿絵 切抜
