[ 漬物屋さんの話 ]
 温暖とはいえ、やはり冬ともなれば、気温も一段とさがってきています。寒がりの人や冷え性に人には、耐えられない季節到来ということになります。中年女性だけでなく、この頃は若い女性でも“足が金ん棒の様に冷たくなる”と言う人がいます。“ホカロン”を貼っても体が温まらない、といいます。体を温めるためには外部からだけでなく体内から暖める必要があります。そこで、この時期になると人気になる漬物として“またたび漬”があります。 
 
“またたび”と聞くとすぐに“猫にまたたび”という諺を連想すると思います。確かに、猫は“またたび”を悦びます。“またたび”を見せると飛んできて体をグニャグニャにして転がったり突然走り出したり大騒ぎになるほどです。 
 
むかし燃料として炭を使っていた頃、炭俵という物が有りました。炭俵のふたのことを“さんだらぼっち”と言いますが、その中に紛れ込んだ“またたび”のツルを探して炭俵の中にもぐり込んが猫がよく真っ黒になってでてきたものです。これを“ススケ猫”といいます。“ススケ猫”の意味は“昔は可愛かったのに”と言う意味が言外にふくまれています。昔は可愛かった“ご婦人”のことを“ススケ猫”みたいになって、という言い方もありますが、もともとあまり可愛くないご婦人には使いませんから、ある意味“ススケ猫”は褒め言葉でもあります。 
 
猫は特にマタタビの木を喜びますが、人間はマタタビの実を食べます。マタタビには、マタタビ酸という精神を安定させ、神経を正常に保ってくれる成分がたくさん入っているそうです。また血行をよくして体を温めてくれる植物なので、古くから冷え性、疲労回復、強心、腰痛、神経痛などに良いとされています。またたび漬とかまたたび酒がよく知られています。またたび漬は、昔から家庭の常備薬としてどこの家庭でも保存していたものです。特に、冷え性で“足が冷たくなる”ような方や“夜にオシッコで何度も起きる人”は、ぜひおためし下さい。 
 
 



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