[ 童話のこと ]  
 久しぶりにこの日記を書く。なんだかいそがしい毎日だった。3月8日、ニッサン童話と絵本のグランプリの表彰式(横浜)に出席するため、息子(小4)と一緒に栃木の実家に帰省していた。息子は、そろそろ思春期に入ったのか、それとも反抗期というのか、反発と依存の繰り返しが激しく、4日半、ずっと一緒にいて、私はくたびれてしまった。
 「行きたい」と言っておきながら、ダラダラと不機嫌そうにしていたり、食べ物の好き嫌いも多く、親に反発をする年頃なのだと思ってみても、やはりこちらもカチンときたり、難しいものだ。
 さて、表彰式に出てみて、自分の気持ちはどうだったのかといえば、うれしいとか、感激したというより、心の中には静かに燃える闘志というのか、プライドというのか、かならず自分もあちら側の人間になるぞ(選ばれる側ではなく選ぶ側の審査員、つまり作家になるぞ)みたいな思いが、強くあった。あこがれとは全然違う。不遜かもしれない。でも、正直そんな気持ちだった。
 いろいろな公募にいえることだと思うが、公募で選ばれた作品は、子どものための作品であるにも関わらず、大人が大人の目で選んだ作品だなあと思うことがある。(もちろん、素晴らしいのだけれど。)
 公募で選ばれたい気持ちは山々だけれど、私は子どもが読んで素直に楽しめる作品を書いていきたいし、そのことは忘れないでいようと思う。本当に子どもが楽しめる作品ならば、大人の心だってくすぐるはずだ。
 表彰式の後、少し早く切り上げて、横浜から五反田に向かった。劇団四季の「キャッツ」を観るためだ。両親と息子と私の4人で、初めての「キャッツ」を観て来た。思えば、私がこのミュージカルを観たいと思ったのは、中学生の頃からだ。「キャッツ」は今年で25周年になるという。私も25年来の夢が実現した。
 たしかに、すごかった。歌も踊りも、音楽も、舞台も。でも、そう、でもと思ってしまう。ストーリーが少し分かりにくかった。私はある程度話も知っているから、分かりはしたが一緒に見ていた親は、途中眠ろうとしていた。休憩時間にパンプレットを買って、息子に説明して、それで息子も理解したようだった。
 かなり本格的なミュージカルでセリフの90%以上が歌という感じだし、輸入物なのでカタカナの表現も多く、正直、初めて観る人には、意味の分からないところが多いと思う。
 決して批評をするわけではないが、感動を提供する側ならば、という目で見ると、いろんなことを考えてしまう自分がいる。
 でも、劇団四季のミュージカルはまた観たいと思う。「キャッツ」ももう一度観たいし、やっぱり「オペラ座の怪人」も観たい。なんだかんだ言っても、感動したことに間違いない。
 感動に携わる仕事をしていきたいという思いを、再々確認したような旅だった。