[ 映画評 ]
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ワールド・トレード・センター

今夏に公開された『ユナイテッド93』(ポール・グリーングラス監督)に続き、今年2本目の9.11映画である。同時多発テロから5年、それらが映画化されるのは、早いのか遅いのかは分からないが、『ユナイテッド93』があまりにリアルでまるでドキュメンタリーを観ているかの様な力作だったので、社会派オリバー・ストーンは『ワールド・トレード・センター』をどう描いたのか注目せざるをえなかった。
オリバー・ストーンといえば『プラトーン』(1986)『7月4日に生まれて』(1989)『JFK』(1991)など事実に独自の解釈を加えた問題作を手がけて来ただけに『ワールド・トレード・センター』もテロ側の視点からも描かれるのだろうと勝手に想像していたが、予想は見事にはずれた。これが、あのオリバー・ストーンの作品?と疑うほど映画は淡々と進行して行く。
湾岸警察官のジョン・マクローリン(ニコラス・ケージ)とウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)は実在の人物で映画は2人の証言を基にかなり忠実に描かれている様だ。二人はあの日、何が起こったのか分からないまま被害者救出のため他の仲間2名とともに世界貿易センタービル北棟に入るが、潜入直後ビル全体が崩壊する。瓦礫の下敷きとなりながらも何とか生き延びたマクローニンとヒメノだが2人は全く身動きが取れない。映画は、彼らがどのように生還したかを驚くほど静かに語っていく。
映画の序盤でビルが崩壊して大半のシーンは瓦礫に埋もれたこの2人を中心に進行するわけなので画面に映し出されるのは暗闇と恐怖。絶え間なく轟音ともに崩れてくる瓦礫と容赦なく襲いかかる炎。その凄まじい息苦しさを観客も同時に体験していく事になる。その臨場感たるや狭所や闇の苦手な人は正視できないであろう。
必至に生き抜こうとする2人にかぶり、安否をを気遣う彼らの家族の姿も描かれて行くがこちらも大仰にならず、それがむしろ観る者の心を揺さぶる。そして、何かに導かれるように単独現場へ救出に向かうひとりの海兵隊員の存在・・・。それらが事実なのでその重みが観客にずしりと響く。そして我々は、奇跡を目撃する訳だが、考えようによっては、彼らは生きるために瓦礫に押しつぶされたとでも言えるほど神がかり的な出来事である。
生還したヒメノが我が娘を抱き上げるシーンがグッとくる。演じるマイケル・ペーニャ。『クラッシュ』(2005年ポール・ハギス監督)に続き子供を抱き上げる姿が印象に残る役者である。
2006年UIP・パラマウント映画

129分/ビスタサイズ/SRD・DTS・SDDS
採点 作品★★★★★ 音響★★★★★


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オリバー・ストーンといえば『プラトーン』(1986)『7月4日に生まれて』(1989)『JFK』(1991)など事実に独自の解釈を加えた問題作を手がけて来ただけに『ワールド・トレード・センター』もテロ側の視点からも描かれるのだろうと勝手に想像していたが、予想は見事にはずれた。これが、あのオリバー・ストーンの作品?と疑うほど映画は淡々と進行して行く。
湾岸警察官のジョン・マクローリン(ニコラス・ケージ)とウィル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)は実在の人物で映画は2人の証言を基にかなり忠実に描かれている様だ。二人はあの日、何が起こったのか分からないまま被害者救出のため他の仲間2名とともに世界貿易センタービル北棟に入るが、潜入直後ビル全体が崩壊する。瓦礫の下敷きとなりながらも何とか生き延びたマクローニンとヒメノだが2人は全く身動きが取れない。映画は、彼らがどのように生還したかを驚くほど静かに語っていく。
映画の序盤でビルが崩壊して大半のシーンは瓦礫に埋もれたこの2人を中心に進行するわけなので画面に映し出されるのは暗闇と恐怖。絶え間なく轟音ともに崩れてくる瓦礫と容赦なく襲いかかる炎。その凄まじい息苦しさを観客も同時に体験していく事になる。その臨場感たるや狭所や闇の苦手な人は正視できないであろう。
必至に生き抜こうとする2人にかぶり、安否をを気遣う彼らの家族の姿も描かれて行くがこちらも大仰にならず、それがむしろ観る者の心を揺さぶる。そして、何かに導かれるように単独現場へ救出に向かうひとりの海兵隊員の存在・・・。それらが事実なのでその重みが観客にずしりと響く。そして我々は、奇跡を目撃する訳だが、考えようによっては、彼らは生きるために瓦礫に押しつぶされたとでも言えるほど神がかり的な出来事である。
生還したヒメノが我が娘を抱き上げるシーンがグッとくる。演じるマイケル・ペーニャ。『クラッシュ』(2005年ポール・ハギス監督)に続き子供を抱き上げる姿が印象に残る役者である。
2006年UIP・パラマウント映画
129分/ビスタサイズ/SRD・DTS・SDDS
採点 作品★★★★★ 音響★★★★★
