『ロッキー』の新作が創られている・・・と知った映画ファンの99%が「なんで今更・・・またダメなんだろうな」と思ったに違いない。
スタローン自身がアメリカンドリームを体現した傑作『ロッキー』(1976)から31年、そして当時はシリーズ最終作とうたっていた自他ともに認める失敗作『ロッキー5/最後のドラマ』(1990)の悪夢からもすでに17年が経過。近年スタローンが出演した映画といえば『TAXi3』(2003)『スパイキッズ3−D:ゲームオーバー』(同)『シェイド』(同)等、期待さえ起きない「なんだそりゃ〜」状態だった。
で、『ロッキー・ザ・ファイナル』が全米で公開され予想に反して「なかなかイケるぞ」「これはいいぞ」という噂が流れはじめた。むむむ・・・そうか、それならば観にいかねばなるまい。まだ半信半疑ながら劇場へ。結論は「終わり良ければ全て良し」であった。スタローンは、自身の分身“ロッキー”を有終の美で飾ったのである。
ストーリーは、あえてシンプル。エイドリアンが既に他界していたのには面食らったが、贅肉をそぎ落とした脚本が功を奏し、2〜5作はなくても済む純然たる第1作の続編と言っていいだろう。画面から「もう失敗は許されない」というスタローンの思いがひしひしと伝わってくる。
前半は初老にの域に入ったロッキーが今は亡き愛妻エイドリアンの思い出に浸り、涙さえ流すなさけない姿を描き、後半はある事をきっかけに現役バリバリのヘビー級チャンピオンと戦うこになり、トレーニングを再開しリングにあがる。パート5を無視したフラッシュバックを絶妙なタイミングで挿入し上手く現在へリンクさせる展開は見事。往年のファンの涙腺を刺激して止まない。クライマックスはお約束の怒涛のファィトシーンの連続で「60歳を過ぎてボクサーとして戦うこと自体ムリ」などと万人が突っ込んでいられない迫力がある。そしてラストシーンのスタローンのたたずまいは、映画の前半のそれとは明らかに変化し見事にロッキーが生き返った。
どうやら次は、『ランボー』にとりかかる様だが、これならひょっとして『ランボー』もイケるかもしれないと期待している自分がいる・・・。
2006年/アメリカ/20世紀フォックス映画/103分/ビスタサイズ/SRD・DTS・SDDS

