[ 映画評 ]

ご無沙汰しております。                                           本業がはなはだ忙しく、更新できない日々が続いたことをお詫び申し上げます。                        

映画は、しっかり観ているんですが・・・。

 

というわけで久々のレビューは「めがね 」。

同じ荻上直子監督小林聡美もたいまさこ共演による前作「 かもめ食堂 」(2006のなんとも居心地の良い空気感に魅了された身としては、期待せずにはいられない新作だ。「めがね」は、虚像の映画で登場人物に生活感はほとんどない。だから非現実的な世界を受け入れられない人と、あと心満たされた充実の日々を送られている人には、この映画は全くムカない。

小林聡美扮するタエコは仕事か生活に疲れ、ひとり旅でとある島に降り立つ。与論島でロケしているが、映画では何処とは特定していない。タエコも劇中で「先生」と呼ばれるが、学校の先生なのか、作家なのか、はたまた医者なのか最後まではっきりしない。もたいまさこサクラに至っては存在自体が虚像だ。てな具合で全てがあいまいだ。

タエコが泊まる小さな宿「ハマダ」の主人ユージ光石研。そこへ毎日朝食を食べに来ていつも「かわいい男子生徒がいない」とぼやいている高校教師ハルナ市川実日子。タエコを追って来る編集者?生徒?同僚?のヨモギ加瀬亮。彼ら登場人物はユージ曰く「ここに居る“才能”がある」人々。つまりこの映画のテーマである「たそがれる才能がある人々なのだ。

特に何も起こらずにゆったり流れる時間静かな美しい海美味しいご飯。そしてメルシー体操とあの“かき氷”。それらに登場人物といっしょに癒されることが出来る観客、つまり「たそがれる才能がある観客には珠玉の名編となろう。脳がユルユルになり、疲れた体に良く効くのだ。自分などはもたいまさこが鍋から小豆をオタマですくっただけでジンときてしまった・・・。

それにしても「かもめ食堂」同様、登場するご飯の美味しそうなこと。この映画は午前中に鑑賞し、観終わったら、お腹がすいたその足で即行でお昼ごはんを食べに行くのが最も正しい鑑賞方法だ。

2007年日活/ビスタサイズ/DTSステレオ/106分

「めがね」を観る前にオススメ・・・
価格:¥ 4,032(定価:¥ 5,040)
おすすめ度: