[ 映画 ]
「愛より強く」は、
尋常でない感銘をELMに
与えた。
それはひとえに、
主人公ふたりの
演技力による。
40代半ばのジャイトを演じる、
ビロル・ユーネルのひからびた
演技とプロローグと前半の最後に
鞘走る狂気。
からかう男を殴り倒す場面までの忍耐。
予想もできないスピードで爆発する暴力。
20代はじめのシベルを演じる、
シベル・ケキリの弾けるような
放埒と全編をおおう哀しい衝動。
押し潰された心で歩くシベルが、
からかう男たちに倒れても倒れても
頭突きをかまし、結局は刺される無軌道。
この偽装結婚夫婦の出会いと別れを、
色々に評する事はできるけれど、
ELMは思った。
この映画に、よくわからない点はあるけれど、
これは結局「移民」のかなしみだ。
人は、自分の人生を移民感覚で生きている。
強制的に?
どこからか来て、どこかへ去っていく。
違う。
どこからか連れてこられて、
どこかへ連れ去られる。
数々の受賞の意味は、そこにある。
そう、思う。
ブログは、楽しくないと受けない、
と何処かに書いてあったけど、
そんな事はどうでも良い。
観終わった時の、自分の長いためいきの意味が、ようやくわかって、嬉しい。