ネタバラシ、あります。
「ゆれる」は、確かに香川照之や
オダギリ ジョーの迫真の演技で
迫ってくるが、致命的なミスデレクション、
デレクションミスが、あるように思う。
裁判所でのタケルの証言の時にさえ
残っていて、吊り橋の上の事件直後に
アップにした右腕の傷を、
警察が調べない訳が、ない。
家業を継いでしんねりむっつり生きる兄と、
今は兄のガソリンスタンドに勤めている
元カノジョと昔深い仲になり、しかし田舎に置いて東京に出奔し、今は自由に生きているように見える弟との三者の相克が、ELMにはよくわからない。
伊武雅刀や田口トモロヲや久々の蟹江敬三も検事役も良い演技をしているのに、とことんあの傷が無視されるので、最後までいらつく。
死んだ母親の存在が介在しているはずなのに、吊り橋の上の台詞が何度再生しても
すべて聞き取れず、ミスデレクションは
ミステリー映画でよく使う手だが、これは
デレクションミスと判断せざるを得ない。
香川照之は、観る度に凄い役者と思うが、
このひとり芥川「薮の中」
ひとり黒澤「羅生門」で、
ひとり気を吐いている。
ラストシーンのバスは、
兄弟の修復できない断絶を表しているが、
直前の笑顔の凄みを、オダギリ ジョーの
号泣さえ超える事はできない。
「あっ、見つかっちゃった」
全てを断念して生きる者に出来る事は、
ただ甘受するだけ。
新井浩文が出ています。
やはり髪の毛で、頭の毛で演技する人です。
ほめ言葉です。
香川照之の哀切をただひとり
理解しているのは、
4年間もバイトしていて、
今も勤めている彼です。
落ち着いたら、
もう一度観てみます。
ELMにとって、
この映画は傑作に
ならなかった傑作、なのです。
なぜなら、ひとりっ子のELMにとって、
この兄弟は、いまひとつ、わからない。
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MOVIE TRAP
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