[ ヨーロッパ2000年以降 ]
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http://www.cinema-today.net/
月食は今日でしたm(_ _)m
昨日の夜、月を見て「月食してねぇなぁ…」と思ってしまいま
した。
今日も結局暑くなるようで、暑いと人間頭がボーっとするもの
です(言い訳)。夜の天気は北海道を除いていまいちのようで
すが、見れるといいなぁ
天体観察といえば、最近は本格的で安いものが結構あるようです。
さらに、150倍くらいのものも1万円くらいで買えるとのこと。
月食は、天体望遠鏡なしでも観察できますが、これからの秋の
夜長に星空を見るなんてのはいいかもしれませんね。
今日は『ブラックブック』です。
名作なのかどうかは判断しかねますが、今の私には非常に強く
残る映画でした。皆さんにもぜひ見て欲しいです。
まぐネット!βのほうで、感想も募集していますので、見た方は
ぜひ書き込みをお願いします。
http://magnet.mag2.com/pc/page_c_topic_detail/571
-------- 目次 --------
■ 今日の映画
ブラックブック
□ ヒビコレリンク
□ DVD今日の買い!
------------------------
■ 今日の映画 − ブラックブック
--cinema2039------------
ブラックブック
Zwartboek
2006年,オランダ=ドイツ=イギリス=ベルギー,144分
-----------------------
<キャスト&クルー>
監督 ポール・ヴァーホーヴェン
原案 ジェラルド・ソエトマン
脚本 ジェラルド・ソエトマン
ポール・ヴァーホーヴェン
撮影 カール・ウォルター・リンデンローブ
音楽 アン・ダッドリー
キャスト カリス・ファン・ハウテン
トム・ホフマン
セバスチャン・コッホ
デレク・デ・リント
ハリナ・ライン
<評価>
☆☆☆☆1/2(満点=5)
<プレヴュー>
第2次大戦中のオランダ、ユダヤ人の女性歌手ラヘルは隠れ家
を空爆で失い、偶然助けてくれた男の家もドイツ軍に見つかって
しまう。そこにやってきたレジスタンスの男の手引きで解放され
た地区に脱出しようとするが、彼女と家族を乗せた船はドイツ軍
に見つかり、銃撃を受ける。
『スターシップ・トゥルーパーズ』などのポール・ヴァーホー
ヴェンが故国オランダに帰って撮ったシリアスドラマ。キャスト
もオランダ人で固め、見ごたえのある上質の作品に仕上がってい
る。
<レビュー>
人間とはあまりにも愚かな生き物である。
私はこの短い一文を書くのにずいぶんとためらった。このよう
に書くことによって、私はその愚かさから逃れてしまうような気
がするのだ。私は今まさにこの瞬間、あなたは愚かであり、あな
たの周りにいる人々も愚かであり、あなたが愚かだと思う人も愚
かではないと思う人も愚かであり、もちろん私も愚かであるとい
うことを言っている。
しかし、それは何も語っていない。もしみなが愚かなら、愚か
でないものなど存在せず、それはみなが愚かではないということ
になりはしないかと。
この作品を見ながら人間が愚かであると思うということは、自
分は愚かではないという前提に立っていることに他ならない。私
は自分自身も含めて人間はみな愚かだと書いたけれど、実際は自
分も愚かなふるまいをする可能性はあるけれど、今のところは愚
かではなく、人が愚かかどうかを判断できると考えているはずな
のだ。しかし、そのこと自体が愚かだとも私は思うのだ。
というためらいの中で私は「人間とはあまりにも愚かな生き物
である。」という一文を書いてしまった。だから、そのように書
きはしたけれど、本当にそうなのか私にはわからないのだ。
少なくともいえることは、この作品が人間の愚かさというもの
を徹底的に描いた作品であるということだ。
この作品は、今はイスラエルで暮らすユダヤ人のラヘルの第二
次大戦中の経験を描いた物語である。ラヘルは隠れ家を爆撃され、
逃げ延びた家もまた狙われ、レジスタンスの手引きで脱出するが
逃げる途中でドイツ軍に発見されてしまう。何とか逃げ延びたラ
ヘルはエリスと名を変えてレジスタンス運動に加わるのだけれど、
不運や裏切りが重なって運動はうまくいかない。
人間は保身のために嘘をつき、怒りに駆られて無鉄砲な行動を
し、復讐心に駆られて残虐な行為をする。人間の愚かさがことを
より複雑で難しくし、すべての人が出口のない深みにどんどんは
まって行ってしまう。ナチも愚かだが、レジスタンスも愚かであ
り、ユダヤ人も愚かなのだ。そういうことはナチの正当化にもつ
ながりかねない違和感を伴うが、みなが愚かだったことは確かだ。
ここで語られているのは、誰しも自分自身の愚かさから逃れるこ
とはできないということなのだ。
映画のほうは途中からは誰が裏切り者なのかという謎解き型の
サスペンスの様相を呈し、この筋運びも観客を引き込む。それが
この作品がいわゆる堅苦しい戦争ドラマとは違う点であり、さす
がはハリウッドで徹底的なエンターテインメント作品を撮ってき
たヴァーホーヴェンだというべきところだろう。
そして、ヴァーホーヴェンと言えばエログロの悪趣味映画とい
うのもひとつの特色であり、その特技もこの映画には生かされて
いる。ここでそのエログロ手法はまさに人間の愚かさを表現する
手段として使われているのだ。エロというのは人間が愚かさを発
揮する大きな機会である。人間の愚かさの源はその多くが欲にあ
り、性欲というのは理性の対極にある欲望の最たるものなのであ
る。そしてグロとは人間の下品さの象徴であり、それは人間の愚
劣さが強く発揮される瞬間なのだ。糞尿を人に浴びせかけるとき、
その人は自分のもっとも愚かな部分を露わにしているのである。
ヴァーホーヴェンはエロとグロを利用して、さらに人間の愚か
さを掘り下げていく。
もちろんこの作品はユダヤ人の徹底的な被害者意識に根ざした
ものではある。しかし、ここではユダヤ人が善で他が悪であると
は言わず、ユダヤ人は正しくて他の人たちが愚かなのだとは決し
て言わない。ユダヤ人もまた人間として等しく愚かであるという
ことを描く。ここに登場するすべての人はその愚かさを見せる。
それが重要なのだ。主人公はヒーローなのではなく、ただ愚かし
い戦争を生き残ったというだけなのだ。すべての人間に愚かしさ
を発揮させる戦争、そのような戦争の姿を描くことは戦争中であ
るにもかかわらず愚かしさを逃れて美談を残した人を描くより何
十倍も「二度と戦争を起こしてはならない」という気持ちを起こ
させる。
そして、ラストシーンも非常に印象的だ。最終的にイスラエル
に暮らすことになったラヘルだが、安住の地であるはずのそこで
も、サイレンが鳴り響き、武装した警備兵たちが臨戦態勢を取る。
ここでもまた愚かしい戦争が始まろうとしているのだ。そして、
私たちはその戦争がまだ終わっていないことを知っている。人は
またも際限なく愚かしい行動をそこでしているのだ。
ここに登場する愚かな行動の多くは目を背けたくなるようなも
のだ。しかし、目を背けたくなるのはそこに自分の似像を見るか
らである。自分の中にも潜む愚かさがそこで発揮されていること
に対して目を背けたくなるのだ。重要なのはただ目をそむけるの
ではなく、自分がそこにいるような人間にならないよう、愚かし
さを押さえ込むことだ。そのためには自分が愚かであることをま
ず知り、そして自分が愚かしさを発揮指定しまうような状況に陥
らないように気をつけるしかない。
なんとも頭の痛い話だ。
□ ヒビコレリンク
『スターシップ・トゥルーパーズ』
□ DVD今日の買い!
<今日の作品:ブラックブック>
<今日のお勧め>
ヴァーホーヴェンを見直せ!
http://www.cinema-today.net/
月食は今日でしたm(_ _)m
昨日の夜、月を見て「月食してねぇなぁ…」と思ってしまいま
した。
今日も結局暑くなるようで、暑いと人間頭がボーっとするもの
です(言い訳)。夜の天気は北海道を除いていまいちのようで
すが、見れるといいなぁ
天体観察といえば、最近は本格的で安いものが結構あるようです。
さらに、150倍くらいのものも1万円くらいで買えるとのこと。
月食は、天体望遠鏡なしでも観察できますが、これからの秋の
夜長に星空を見るなんてのはいいかもしれませんね。
今日は『ブラックブック』です。
名作なのかどうかは判断しかねますが、今の私には非常に強く
残る映画でした。皆さんにもぜひ見て欲しいです。
まぐネット!βのほうで、感想も募集していますので、見た方は
ぜひ書き込みをお願いします。
http://magnet.mag2.com/pc/page_c_topic_detail/571
-------- 目次 --------
■ 今日の映画
ブラックブック
□ ヒビコレリンク
□ DVD今日の買い!
------------------------
■ 今日の映画 − ブラックブック
--cinema2039------------
ブラックブック
Zwartboek
2006年,オランダ=ドイツ=イギリス=ベルギー,144分
-----------------------
<キャスト&クルー>
監督 ポール・ヴァーホーヴェン
原案 ジェラルド・ソエトマン
脚本 ジェラルド・ソエトマン
ポール・ヴァーホーヴェン
撮影 カール・ウォルター・リンデンローブ
音楽 アン・ダッドリー
キャスト カリス・ファン・ハウテン
トム・ホフマン
セバスチャン・コッホ
デレク・デ・リント
ハリナ・ライン
<評価>
☆☆☆☆1/2(満点=5)
<プレヴュー>
第2次大戦中のオランダ、ユダヤ人の女性歌手ラヘルは隠れ家
を空爆で失い、偶然助けてくれた男の家もドイツ軍に見つかって
しまう。そこにやってきたレジスタンスの男の手引きで解放され
た地区に脱出しようとするが、彼女と家族を乗せた船はドイツ軍
に見つかり、銃撃を受ける。
『スターシップ・トゥルーパーズ』などのポール・ヴァーホー
ヴェンが故国オランダに帰って撮ったシリアスドラマ。キャスト
もオランダ人で固め、見ごたえのある上質の作品に仕上がってい
る。
<レビュー>
人間とはあまりにも愚かな生き物である。
私はこの短い一文を書くのにずいぶんとためらった。このよう
に書くことによって、私はその愚かさから逃れてしまうような気
がするのだ。私は今まさにこの瞬間、あなたは愚かであり、あな
たの周りにいる人々も愚かであり、あなたが愚かだと思う人も愚
かではないと思う人も愚かであり、もちろん私も愚かであるとい
うことを言っている。
しかし、それは何も語っていない。もしみなが愚かなら、愚か
でないものなど存在せず、それはみなが愚かではないということ
になりはしないかと。
この作品を見ながら人間が愚かであると思うということは、自
分は愚かではないという前提に立っていることに他ならない。私
は自分自身も含めて人間はみな愚かだと書いたけれど、実際は自
分も愚かなふるまいをする可能性はあるけれど、今のところは愚
かではなく、人が愚かかどうかを判断できると考えているはずな
のだ。しかし、そのこと自体が愚かだとも私は思うのだ。
というためらいの中で私は「人間とはあまりにも愚かな生き物
である。」という一文を書いてしまった。だから、そのように書
きはしたけれど、本当にそうなのか私にはわからないのだ。
少なくともいえることは、この作品が人間の愚かさというもの
を徹底的に描いた作品であるということだ。
この作品は、今はイスラエルで暮らすユダヤ人のラヘルの第二
次大戦中の経験を描いた物語である。ラヘルは隠れ家を爆撃され、
逃げ延びた家もまた狙われ、レジスタンスの手引きで脱出するが
逃げる途中でドイツ軍に発見されてしまう。何とか逃げ延びたラ
ヘルはエリスと名を変えてレジスタンス運動に加わるのだけれど、
不運や裏切りが重なって運動はうまくいかない。
人間は保身のために嘘をつき、怒りに駆られて無鉄砲な行動を
し、復讐心に駆られて残虐な行為をする。人間の愚かさがことを
より複雑で難しくし、すべての人が出口のない深みにどんどんは
まって行ってしまう。ナチも愚かだが、レジスタンスも愚かであ
り、ユダヤ人も愚かなのだ。そういうことはナチの正当化にもつ
ながりかねない違和感を伴うが、みなが愚かだったことは確かだ。
ここで語られているのは、誰しも自分自身の愚かさから逃れるこ
とはできないということなのだ。
映画のほうは途中からは誰が裏切り者なのかという謎解き型の
サスペンスの様相を呈し、この筋運びも観客を引き込む。それが
この作品がいわゆる堅苦しい戦争ドラマとは違う点であり、さす
がはハリウッドで徹底的なエンターテインメント作品を撮ってき
たヴァーホーヴェンだというべきところだろう。
そして、ヴァーホーヴェンと言えばエログロの悪趣味映画とい
うのもひとつの特色であり、その特技もこの映画には生かされて
いる。ここでそのエログロ手法はまさに人間の愚かさを表現する
手段として使われているのだ。エロというのは人間が愚かさを発
揮する大きな機会である。人間の愚かさの源はその多くが欲にあ
り、性欲というのは理性の対極にある欲望の最たるものなのであ
る。そしてグロとは人間の下品さの象徴であり、それは人間の愚
劣さが強く発揮される瞬間なのだ。糞尿を人に浴びせかけるとき、
その人は自分のもっとも愚かな部分を露わにしているのである。
ヴァーホーヴェンはエロとグロを利用して、さらに人間の愚か
さを掘り下げていく。
もちろんこの作品はユダヤ人の徹底的な被害者意識に根ざした
ものではある。しかし、ここではユダヤ人が善で他が悪であると
は言わず、ユダヤ人は正しくて他の人たちが愚かなのだとは決し
て言わない。ユダヤ人もまた人間として等しく愚かであるという
ことを描く。ここに登場するすべての人はその愚かさを見せる。
それが重要なのだ。主人公はヒーローなのではなく、ただ愚かし
い戦争を生き残ったというだけなのだ。すべての人間に愚かしさ
を発揮させる戦争、そのような戦争の姿を描くことは戦争中であ
るにもかかわらず愚かしさを逃れて美談を残した人を描くより何
十倍も「二度と戦争を起こしてはならない」という気持ちを起こ
させる。
そして、ラストシーンも非常に印象的だ。最終的にイスラエル
に暮らすことになったラヘルだが、安住の地であるはずのそこで
も、サイレンが鳴り響き、武装した警備兵たちが臨戦態勢を取る。
ここでもまた愚かしい戦争が始まろうとしているのだ。そして、
私たちはその戦争がまだ終わっていないことを知っている。人は
またも際限なく愚かしい行動をそこでしているのだ。
ここに登場する愚かな行動の多くは目を背けたくなるようなも
のだ。しかし、目を背けたくなるのはそこに自分の似像を見るか
らである。自分の中にも潜む愚かさがそこで発揮されていること
に対して目を背けたくなるのだ。重要なのはただ目をそむけるの
ではなく、自分がそこにいるような人間にならないよう、愚かし
さを押さえ込むことだ。そのためには自分が愚かであることをま
ず知り、そして自分が愚かしさを発揮指定しまうような状況に陥
らないように気をつけるしかない。
なんとも頭の痛い話だ。
□ ヒビコレリンク
『スターシップ・トゥルーパーズ』
□ DVD今日の買い!
<今日の作品:ブラックブック>
<今日のお勧め>
ヴァーホーヴェンを見直せ!






