私は外国から来た視覚障害者に英語や点字、コンピュータの基礎を教えるプログラムのアシスタントをしているのですが、今日教室に入ったら生徒さんたちが私に寄せ書きを渡してくれました。これで日本にしばらく帰るので記念にと書いてくれたものでした。生徒さんたちの半分以上は中南米の出身なのですが、中にはウルドゥー語やクリオールを話す人もいます。良くも悪くもクラスはいつもにぎやかで、授業から脱線してもそれぞれの文化や生活についての生きた話が聞けてそれはそれでおもしろいのです。最後に皆で記念写真を撮りました。
さて、ニューヨークと日本の二重生活を始めて2年が経とうとしています。じつは最近までどうもニューヨークは好きになれずにいました。刺激が多くておもしろい街ではあるけれど、自分の居場所をなかなかみつけられずに、ともすれば人や時間に押し流され、言い知れないパワーにつぶされてしまいそうになることさえありました。けれども、いろいろなところに出没するようになり、少しずつ知り合いも増え、うまく言えませんが街に流れるパワーを逆手に取ることを覚え始めたらなんだか愛着がわいてきました。絶え間の無い車の行き交う音や耳が裂けるようなサイレンやクラクションでさえ、カリブの漣のように心地よく聞こえるようになりました(いや、いくらなんでもそれは無理がありますね)。
アストロも最初の頃はずいぶん苦労していました。地下鉄の駅の階段は日本の駅よりも1段が高いし、信号を渡る時も段差の少ないところを渡ろうとするのにそこは人でいっぱいだし、雨が降れば大きな水溜りが沢山できるし、歩道はデコボコだらけだし・・・。スムーズに誘導するのはとても難しい街だと思います。けれども今は相変らずゆっくりペースですが、パワフルに信号を渡る人々の間を縫い、工事でデコボコになった道路の平らな部分を選んで確実に安全に誘導してくれます。
じつはそんな彼とのニューヨークでの生活もあと4日となりました。私はまたこの街に帰ってきますが、彼は引退して日本に残ることになります。日本でもそうですが、こちらでも見知らぬ人に沢山声をかけられました。同じビルに住む人に「マンハッタンで一番の犬だよ!」なんて褒めてもらったり(アメリカ人らしいちょっとオーバーな表現ですが)。
これまでもの言わぬ彼にどれだけ支えられたことか。それは計り知れません。
今私の後ろでグーグーいびきをかいている彼。
ヨガのクラスの最中にひっくり返って寝ている彼。
地下鉄に乗って空席を私に教えようとしているのに、そこまで行く間に手すりが立っていて二人文の通る隙間が無く、どうしようかと途方にくれている彼。
獣医さんのオフィスに入ると私の後ろに隠れてしまう彼。
バス停でちゃんと列の最後尾に誘導してくれる彼(ときどきまちがえて最前列に並んでしまうこともあるのですが)。
最初はあんなに飛行機を怖がったのに、今ではかなり揺れても平然と寝ている彼。
今度の帰国がきっと一緒にする最後の空の旅になるでしょう。アストロと一緒にどれだけ空を飛んだか、今度ゆっくり計算してみようと思います。
ニューヨークでアストロと私を見守って受け入れてくださった皆さん、本当にありがとうございました。私の気づかないところでも沢山の人に見守ってもらっているはずです。
日本に帰ってからもう少しだけ一緒にいられるので直接お会いしてご挨拶できる方もおられるでしょうか。とにかく残りの4日間、アストロとニューヨークを歩き回りたいと思います。
さて、ニューヨークと日本の二重生活を始めて2年が経とうとしています。じつは最近までどうもニューヨークは好きになれずにいました。刺激が多くておもしろい街ではあるけれど、自分の居場所をなかなかみつけられずに、ともすれば人や時間に押し流され、言い知れないパワーにつぶされてしまいそうになることさえありました。けれども、いろいろなところに出没するようになり、少しずつ知り合いも増え、うまく言えませんが街に流れるパワーを逆手に取ることを覚え始めたらなんだか愛着がわいてきました。絶え間の無い車の行き交う音や耳が裂けるようなサイレンやクラクションでさえ、カリブの漣のように心地よく聞こえるようになりました(いや、いくらなんでもそれは無理がありますね)。
アストロも最初の頃はずいぶん苦労していました。地下鉄の駅の階段は日本の駅よりも1段が高いし、信号を渡る時も段差の少ないところを渡ろうとするのにそこは人でいっぱいだし、雨が降れば大きな水溜りが沢山できるし、歩道はデコボコだらけだし・・・。スムーズに誘導するのはとても難しい街だと思います。けれども今は相変らずゆっくりペースですが、パワフルに信号を渡る人々の間を縫い、工事でデコボコになった道路の平らな部分を選んで確実に安全に誘導してくれます。
じつはそんな彼とのニューヨークでの生活もあと4日となりました。私はまたこの街に帰ってきますが、彼は引退して日本に残ることになります。日本でもそうですが、こちらでも見知らぬ人に沢山声をかけられました。同じビルに住む人に「マンハッタンで一番の犬だよ!」なんて褒めてもらったり(アメリカ人らしいちょっとオーバーな表現ですが)。
これまでもの言わぬ彼にどれだけ支えられたことか。それは計り知れません。
今私の後ろでグーグーいびきをかいている彼。
ヨガのクラスの最中にひっくり返って寝ている彼。
地下鉄に乗って空席を私に教えようとしているのに、そこまで行く間に手すりが立っていて二人文の通る隙間が無く、どうしようかと途方にくれている彼。
獣医さんのオフィスに入ると私の後ろに隠れてしまう彼。
バス停でちゃんと列の最後尾に誘導してくれる彼(ときどきまちがえて最前列に並んでしまうこともあるのですが)。
最初はあんなに飛行機を怖がったのに、今ではかなり揺れても平然と寝ている彼。
今度の帰国がきっと一緒にする最後の空の旅になるでしょう。アストロと一緒にどれだけ空を飛んだか、今度ゆっくり計算してみようと思います。
ニューヨークでアストロと私を見守って受け入れてくださった皆さん、本当にありがとうございました。私の気づかないところでも沢山の人に見守ってもらっているはずです。
日本に帰ってからもう少しだけ一緒にいられるので直接お会いしてご挨拶できる方もおられるでしょうか。とにかく残りの4日間、アストロとニューヨークを歩き回りたいと思います。