帰国して10日経ちました。朝目が覚めて、サイレンやトラックのエンジンの音ではなく、小鳥たちの歌が聞こえてくるとほっとします。夜はまだ早めに眠気が襲ってくるので、入浴中に意識が遠のきそうになることがあります(危ない、危ない)。
さて、今日のお話。
帰国する2週間くらい前のこと。その日は朝1番でアストロを動物病院に連れて行きました。旨の辺りに小さなしこりが2つみつかったので、年齢的なことも考えて脂肪腫かなとは思っていたのですが、一応念のために診てもらうことにしたのです。知人から紹介されたその病院は大学付属の建物で、年中無休、周辺のニュージャージーやコネチカットなどからも患者さんがやってくるのだとか。そして、病院の方針で、盲導犬は治療費がかからないのです。
テレビを見ながら待合室で待っていると、早速呼ばれました。先生の後について、3条間ほどのオフィスに入ります。簡単に私から様子を説明し、先生が触診をします。おそらく脂肪腫だろうけれど、念のために組織の検査をしましょうということになり、尻込みするアストロを連れて先生が検査室へ。5・6分も待ったでしょうか。先生に連れて行かれる時の足取りとは違ってアストロがいそいそと戻ってきました。検査の結果が出るのは数日後ということで、いつものアストロらしからぬ速足で病院をさっさと後にしました。
幾つか用事があったので、この辺りで済まそうか、1度家に戻ろうか迷いましたが、天気も良かったしちょっとこの辺りを探検してみようということに。大きな59丁目の通りに歩いて戻り、まずは現金が必要だったので銀行を探します。私の銀行は大体どこの支店でも1台はバリアフリーのATMがあるので、特別どこかの店でないとダメということはありません。どこの支店に飛び込んでも使えるATMがあるのは本当にありがたいことです。でも、本当はどこのどのATMでも使えるのが一番いいんですが。道行く人に尋ねて入った銀行でお金を下ろし、これで1つミッション完了。次は腕時計の電池が切れてしまったので交換してもらうことにしました。
銀行の隣にホームセンターのような店があったのであまり期待はしていませんでしたがそこに入ってみると、案の定時計の電池は扱っていませんでした。けれども、対応してくれた店員さん(ガードマンかもしれません)がとても親切で、近くの宝石屋の場所を教えてくれました。普段アクセサリーすらあまり身に着けない私ですので、ちょっと気後れしながら店に入ると、ちょうど暇な時間だったらしく店員さんがワラワラと集まってきました(と言っても4・5人ですが)。彼らの興味の対象はアストロでした。時計の電池を変えてもらっただけなのに10分ほどもそこにいて、おしゃべりしてしまいました。自分もラブラドールを飼っているとか盲導犬にやたらに触っちゃいけないなんてずいぶん生きていたけど今日初めて知ったよとか・・・。こんな風に油を売ってていいのかなと思いましたが、私が心配することではないので帰りがけに「今度はボーイフレンドを連れて指輪でも会にきます」と言って店を出ました。
外に出ると正午を過ぎていました。そろそろおなかがすいてきたのでレストランでも探そうと道行く人に尋ねます。数ブロック先の店を教えてもらい、テクテクと歩いて、もうそろそろだなと思う頃にまた人に聞きました。私が声をかけたのはとても人の良さそうなカップルでした。男性のほうが「その店はわからないけど、近くに僕のお気に入りの店があるからよかったらそこに案内するよ」と言われ、せっかくなのでそこに行くことに。店の前まで案内してもらうと、彼らもそこで昼食を摂ることに決めたらしく、私たちは3人で同じブースに座りました。ニューヨークで知らない人と食事をしたのは初めてでしたが、会話も弾み楽しいランチになりました。そろそろ店を出ようかということになり私の分がいくらか尋ねると、ランチを楽しくしてくれたお礼におごってくれると言うのです。1度は断りましたが、ぜひと言われてそれならありがたくご馳走になることにして、私は3人分のチップを払うことで交渉成立。彼らは自分たちも同じ方向に行くからと、近くの地下鉄の駅まで送ってくれました。
おなかも満腹、心も満腹で階段を下りると、何だか様子が変です。アストロが私をエスカレーターに誘導します。たしかこの駅にはエスカレーターなんかなかったはずなのに・・・。近くにいる人に聞いたら、このエスカレーターを降りれば6番電車に乗れるというのです。半信半疑でとりあえず下りのエスカレーターへ。下る、下る。どんどん下る。これはやはりおかしい。すると、さっき私に6番電車はこれでいいと教えてくれた人が後ろからおいかけてきて「ごめんなさあい!6番はこれじゃなかったわ!そこまで案内しますから。」と。その頃までには私もこの駅が乗ろうとしていた駅よりも1つ南の駅だったことに気づいていました。ちょっと遅すぎますね。
地下のE列車のプラットホームをひたすら歩き、6番電車のホームへ向かいます。すると、遠くからギターの弾き語りが・・・。「ベ〜サメ〜、ベサ・メ・ムーチョ・・・」ずっと会えずにいた私の大好きな地下鉄シンガー!前はしょっちゅう最寄り駅のホームで彼の声が聞けたのに。あの電車の騒音にも負けない声量と、清涼感のある温かな歌声。最近はこの辺りで歌っているのね。元気そうでよかった!本当はもっと聞いていたかったけれど、案内してもらっている途中だったので「今度会ったらぜひ名前を教えてください」と心の中で話しかけながら通り過ぎました。
無事に6番電車に乗り、駅の階段を上ると、2月の太陽が輝いていました。ドラマチックな事件は1つもなかったけれど、とてもラッキーな、心の底から温まるような1日でした。ちなみにアストロの胸のしこりは、予想通り良性の脂肪腫でした。
さて、今日のお話。
帰国する2週間くらい前のこと。その日は朝1番でアストロを動物病院に連れて行きました。旨の辺りに小さなしこりが2つみつかったので、年齢的なことも考えて脂肪腫かなとは思っていたのですが、一応念のために診てもらうことにしたのです。知人から紹介されたその病院は大学付属の建物で、年中無休、周辺のニュージャージーやコネチカットなどからも患者さんがやってくるのだとか。そして、病院の方針で、盲導犬は治療費がかからないのです。
テレビを見ながら待合室で待っていると、早速呼ばれました。先生の後について、3条間ほどのオフィスに入ります。簡単に私から様子を説明し、先生が触診をします。おそらく脂肪腫だろうけれど、念のために組織の検査をしましょうということになり、尻込みするアストロを連れて先生が検査室へ。5・6分も待ったでしょうか。先生に連れて行かれる時の足取りとは違ってアストロがいそいそと戻ってきました。検査の結果が出るのは数日後ということで、いつものアストロらしからぬ速足で病院をさっさと後にしました。
幾つか用事があったので、この辺りで済まそうか、1度家に戻ろうか迷いましたが、天気も良かったしちょっとこの辺りを探検してみようということに。大きな59丁目の通りに歩いて戻り、まずは現金が必要だったので銀行を探します。私の銀行は大体どこの支店でも1台はバリアフリーのATMがあるので、特別どこかの店でないとダメということはありません。どこの支店に飛び込んでも使えるATMがあるのは本当にありがたいことです。でも、本当はどこのどのATMでも使えるのが一番いいんですが。道行く人に尋ねて入った銀行でお金を下ろし、これで1つミッション完了。次は腕時計の電池が切れてしまったので交換してもらうことにしました。
銀行の隣にホームセンターのような店があったのであまり期待はしていませんでしたがそこに入ってみると、案の定時計の電池は扱っていませんでした。けれども、対応してくれた店員さん(ガードマンかもしれません)がとても親切で、近くの宝石屋の場所を教えてくれました。普段アクセサリーすらあまり身に着けない私ですので、ちょっと気後れしながら店に入ると、ちょうど暇な時間だったらしく店員さんがワラワラと集まってきました(と言っても4・5人ですが)。彼らの興味の対象はアストロでした。時計の電池を変えてもらっただけなのに10分ほどもそこにいて、おしゃべりしてしまいました。自分もラブラドールを飼っているとか盲導犬にやたらに触っちゃいけないなんてずいぶん生きていたけど今日初めて知ったよとか・・・。こんな風に油を売ってていいのかなと思いましたが、私が心配することではないので帰りがけに「今度はボーイフレンドを連れて指輪でも会にきます」と言って店を出ました。
外に出ると正午を過ぎていました。そろそろおなかがすいてきたのでレストランでも探そうと道行く人に尋ねます。数ブロック先の店を教えてもらい、テクテクと歩いて、もうそろそろだなと思う頃にまた人に聞きました。私が声をかけたのはとても人の良さそうなカップルでした。男性のほうが「その店はわからないけど、近くに僕のお気に入りの店があるからよかったらそこに案内するよ」と言われ、せっかくなのでそこに行くことに。店の前まで案内してもらうと、彼らもそこで昼食を摂ることに決めたらしく、私たちは3人で同じブースに座りました。ニューヨークで知らない人と食事をしたのは初めてでしたが、会話も弾み楽しいランチになりました。そろそろ店を出ようかということになり私の分がいくらか尋ねると、ランチを楽しくしてくれたお礼におごってくれると言うのです。1度は断りましたが、ぜひと言われてそれならありがたくご馳走になることにして、私は3人分のチップを払うことで交渉成立。彼らは自分たちも同じ方向に行くからと、近くの地下鉄の駅まで送ってくれました。
おなかも満腹、心も満腹で階段を下りると、何だか様子が変です。アストロが私をエスカレーターに誘導します。たしかこの駅にはエスカレーターなんかなかったはずなのに・・・。近くにいる人に聞いたら、このエスカレーターを降りれば6番電車に乗れるというのです。半信半疑でとりあえず下りのエスカレーターへ。下る、下る。どんどん下る。これはやはりおかしい。すると、さっき私に6番電車はこれでいいと教えてくれた人が後ろからおいかけてきて「ごめんなさあい!6番はこれじゃなかったわ!そこまで案内しますから。」と。その頃までには私もこの駅が乗ろうとしていた駅よりも1つ南の駅だったことに気づいていました。ちょっと遅すぎますね。
地下のE列車のプラットホームをひたすら歩き、6番電車のホームへ向かいます。すると、遠くからギターの弾き語りが・・・。「ベ〜サメ〜、ベサ・メ・ムーチョ・・・」ずっと会えずにいた私の大好きな地下鉄シンガー!前はしょっちゅう最寄り駅のホームで彼の声が聞けたのに。あの電車の騒音にも負けない声量と、清涼感のある温かな歌声。最近はこの辺りで歌っているのね。元気そうでよかった!本当はもっと聞いていたかったけれど、案内してもらっている途中だったので「今度会ったらぜひ名前を教えてください」と心の中で話しかけながら通り過ぎました。
無事に6番電車に乗り、駅の階段を上ると、2月の太陽が輝いていました。ドラマチックな事件は1つもなかったけれど、とてもラッキーな、心の底から温まるような1日でした。ちなみにアストロの胸のしこりは、予想通り良性の脂肪腫でした。