前回に引き続きまして、建築士ネタです(笑)。今度は一級建築士の数について調べてみました。
一般に、一級建築士の数は31万人だと言われています。いろいろ探してみたのですが、「登録者数」は見つかったのですが、実際に活動している一級建築士の数のデータはみつかりませんでした。
- 建築士登録状況@ 日本建築士会連合会
活動している一級建築士の数を推測するために、まず各年度毎の登録人数の差から建築士取得者数を割りだし、資格を取得した年齢を30歳と仮定して一級建築士の年齢階層別人数を推定してみました。平成16年現在のデータです。
50代の建築士の数が非常に多いことがわかります。グラフには載せていませんが、80歳以上と推測される昭和28年以前の登録者も2万人近くいるので、60代以上もかなりの数になります。一方、この数年若手の建築士の数が減っていることもわかります。
どれくらいの年齢まで現役かは、個別の事情に大きく依存します。20代、30代の一級建築士であっても建築以外の仕事をしていらっしゃる方もたくさんいらっしゃるのかもしれません。逆に70代でも現役の方もいらっしゃるでしょう。その辺を取捨して、仮に平均すれば60歳で現役を引退すると考えてみましょう。この仮定でいけば、平成16年現在の登録数31万人に対して23万人あまりが現役活動中と考えられるかもしれません。
グラフの数字を上の方から見ていきます。
| 推定60歳以下 | |
| 228,574 | 人 |
| 推定55歳以下 | |
| 185,941 | 人 |
| 推定50歳以下 | |
| 134,373 | 人 |
逆に言ってしまえば、現在の一級建築士の3分の2は50代以上ということです。 これは結構な高齢化と言えるでしょう。
審議会の報告書の中で、もっと確実な建築士の登録状況のデータを見つけました。
引用します。一級建築士の年齢階層別登録数を見ると、20歳代は約3,000人、30歳代は約47,000人、40歳代は約66,000人、50歳代は約101,000人、60歳以上が約106,000人であり、その平均年齢は56.2歳となっている。
(社会資本整備審議会建築分科会 第12回基本制度部会議事)
先ほどの推測データと、審議会のデータを比べた表を作ってみました。
| 私的予測 | 社会資本 | |
| 20歳代 | 3,000 | |
| 30歳代 | 59,422 | 47,000 |
| 40歳代 | 67,375 | 66,000 |
| 50歳代 | 95,992 | 101,000 |
| 60歳以上 | 94,099 | 106,000 |
こう並べてみるとそう大きく外したわけではないといっても許してもらえる範囲でしょうか?
現在、一級建築士試験には年に3000人から4000人程度の方が合格している一方、年齢だけで考えれば毎年1万人以上の一級建築士が引退していくのだとすれば、年間5,000人以上登録者数が減っていき、10年では5万人以上も減ってしまうことになります。
- 一級建築士試験データ @ 建築技術教育普及センター
そうそう、それから第1弾はすでに今年の6月20日に施行されましたが、「建築士法」という法律が改正される、実際に活動している建築士が明確になってくると考えられます。
- 建築士法の改正について(H19.6.20施行分) @ 神奈川県(PDF)
更に講習制度ができ、受験要件も変わってくるそうです。
◆ 建築士に対する定期講習の受講義務付け(講習の実施にあたり、講習機関の登録制度を創設)
◆ 建築士試験の受験資格の見直し(学歴要件、実務経験要件の適正化)(「建築士法等の一部を改正する法律案について」 国土交通省 、PDF)
建築業界の将来を考えると現在は少々多すぎる感じのする一級建築士の数ですが、これからかなりの勢いで高齢化によって技術者は減っていく状況ですのようです。法律の改正によっても相当実態として活動する一級建築士の数はしぼりこまれてくると思われます。今後の動きから目が離せません。
■資料
今回使ったエクセルのファイルです。

