実はお正月はかぜをひいてダウンしておりました。余儀なく寝正月をしてしまいました。

健康って大事ですね。不健康な状態を経験してはじめて健康の大切さがわかります。

みなさまの今年のご健康と安全をお祈りいたします。

平山秀樹 


 

先週読むとお約束した「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」を読みました。大変勉強になりました。

447800238X家、三匹の子ぶたが間違っていたこと
田鎖郁男 金谷年展
ダイヤモンド社 2007-11-09

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1章の部分は、先週の「4号建築物」の話とよく対応しています。

木造であっても壁量計算程度ではなく、大工さんの経験とカンでもなく、きちんと構造計算をすべきであることが書かれています。この本によると、震災時の木造住宅における死因を詳細に分析したところ、一般に言われていたように火事が主な原因ではなく、地震後ごく短時間で亡くなられたケースが80%以上なのだそうです。背筋の寒い話ですが、木造住宅において圧死など建物の倒壊そのものが原因であるということを示唆しています。木造建物の構造の問題は、既存不適格の問題とあわせて、建築屋として真剣に取り組んでいかなければならない問題です。

2章で扱われた問題は、以前、ハウスネットギャラリーさんでミニ(ミニ)セミナーをやらせていただいた時のプレゼンの内容とかなり重なると生意気にも思っております。

やはり描かれるのは、なぜ日本の住宅と欧米の住宅とであまりに寿命が違うのかという問題です。私のプレゼンのテーマは「マンション、住宅は本当に資産か?」(PDF)とさせていただきましたが、本書で指摘されているように「ローンが終わった時点で価値が0と評価される建物でよいのか?」という問題は今も深く私の胸につきささっています。建物を寿命と価値を伸ばすには、単に丈夫な建物を作ればいいというだけでなく、メンテナンスを含めて考えるべき問題がたくさんあります。

「三匹の子ぶた」の中で中古住宅の流通が欧米に比べて日本が立ち遅れていることが、新築で建てた後に日本人がメンテナンスに力を入れない原因のひとつだと主張されていたのが発見でした。正直に言いまして、日本で一旦建てた後にメンテナンスをご自身でされたお客様は大変少ないように思います。米国の視察に行かせていただいたときびっくりするくらい専門的な道具や資材が普通のDIY店で販売されていましたし、実際自分でおんぼろの住宅を買ってまったく内装をやり変えてしまったご夫婦とか普通にいらっしゃいました。当時の説明でも、米国では土地よりも建物の方がはるかに価値が高いのだと聞きました。 ですから、手に入れた住宅にどれくらい手をかけるかが資産の含み益をもたらすわけです。

結果として、こうなります。 

私が言っているのではなく、ニューズウィークが言っていることです。 

3章は実例の紹介で、主に共著者の方が提唱されている「SE構法」について触れてあります。建築基準法の改正、そして来るべき4号建築物の特例の廃止でゆれる住宅関連業界にはとても参考となる内容ではないでしょうか。これからきちんと構造計算のできるシステムを持った木造住宅はきっとみなおされることでしょう。

 

私が「日本の住宅を資産にする」という問いに出した答えは「鉄筋コンクリート + スケルトン・インフィル + 外断熱」です。この組み合わせの答えは「三匹の子ぶた」の著者の一人である金谷年展さんのご主張と非常に近いと信じています。

福田首相自ら提唱されている話題の「200年住宅ビジョン」においても「スケルトン・インフィル」は明記されていますし、これからますます大事になってくる考え方だと私は信じています。


もし住宅が資産としての役割を果たせないのであればこうなりってしまいます。 

いまの高齢化社会の中で「終の棲家」を立てるには、100年住宅、200年住宅を保てるシステムがなければならないということです。60歳、70歳になってから家がぼろぼろで建て替えなければいいけないという深刻な問題の直面するのと、あたたかく、丈夫で、資産価値があり、簡単にリフォームできるので、子どもや孫もいっしょに住んでくれる家をもつのとどちらかが幸せでしょうか?

余談ですが、住宅が建った後にどのように変化していくか、変化させるのにがどれくらい苦労が多いかを考える上で、「How Building Learn」という本は大変大切な課題を写真で訴えてくれます。

0140139966How Buildings Learn: What Happens After They're Built
Stewart Brand
Penguin USA (P) 1995-10

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