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日本経済新聞のネット版であるNIKKEI NETから日々掲載される企業、経済、国際ニュ−ス。これらを題材に国際税務、国内税務、会計などの観点からケ−ススタディすることにより、ニュ−スをより経営に活かせるべく、税理士の立場から解説します。

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2008/10/05

イオン、1000億円超を調達 店舗資産の流動化活用で

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【ニュ−ス】
 イオンは2009年2月期中に、不動産の流動化手法を使い1000億円を超える
店舗資産を現金に換え、投資資金などを確保する。10月2日に埼玉県に開業
する国内最大級のショッピングセンター(SC)「イオンレイクタウン」(越
谷市)のほか3、4店を対象とする。調達資金は新店などへの投資のほか、
有利子負債の削減に充てる。

 レイクタウンでは店舗の開発段階から資産を流動化する手法を導入した。
特定目的会社(SPC)を活用し、各店舗から得られる収益を裏付けに、
金融機関や投資家から出資やローンで資金を集めた。SPCはイオン子会
社のイオンリテールにSCを一括で貸し出し、イオンリテールは賃料をS
PCに払う。

【解  説】
 今回も前回に引き続き資金調達についてですが、今回は不動産の流動化
における不動産等の譲渡人側の処理をとりあげます。

 不動産の流動化とは、不動産を資金に置き換え、そこから生み出される
収入により資金調達を行うことです。その手法としては、不動産の証券化、
不動産特定共同事業法による流動化、土地信託、抵当証券取引などがあり
ます。

 不動産の流動化における資金調達の特徴としては、対象不動産の安全性
を高めれば、格付の低い企業でも低コストの資金調達が可能となることが
あります。

 また、不動産の流動化により売却処理が可能であれば、簿価との差額が
売却益になり、その調達した資金で借入金を返済し、資産の圧縮を図るこ
とにより、ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)の財務指標の改
善につながるという効果があります。

 不動産のSPCへの譲渡については、会計処理上、売買取引と金融取引
に大別されますが、譲渡資産を継続利用するにあたって支払う賃料が過度
に低い場合や証券化スキームの終了後に不動産を自社に買い戻す条件がつ
いている場合などは、譲渡が認めれずに金融取引として処理する必要があ
ります。

 この点、日本公認会計士協会の実務指針によれば、流動化する不動産の
譲渡時の適正な価額(時価)に対するリスク負担の金額(劣後部分)の割
合がおおむね5%程度以内ならば、リスクと経済価値のほとんどが移転し
ていると判断して、売買取引として扱うとされています。

 他方、税務上もおおむね会計上の処理と同様の考え方で処理する必要が
ありますが、譲渡時の価額が当該不動産の時価と異なる場合には、時価と
の差額については寄付金あるいは受贈益の問題が発生する場合もあります。

 また、譲渡取引が、例えば、法形式上は譲渡であっても、その経済効果
が借入れと同様であると認められる場合には、それを売買取引とはせずに
金融取引として取扱います。さらに、ファイナンスリース取引のように法
形式上では売買でなくとも、その経済的な効果が資産の譲渡あるいは借入
れと同様であるとみなされるものについては、それぞれ売買取引あるいは
金融取引として取扱われることになります。

 今回のイオンのケ−スは、断定はできませんが、セ−ルス・アンド・リ
−スバック取引のように見えますので、リスク移転の程度により、税務会
計処理は金融取引となる可能性があるでしょう。会計上は売買処理、税務
上は金融取引となった場合には、減価償却費と支払利子との差額などが申
告調整の対象となります。
  
以      上
税理士 齋藤 忠志[http://www.saito777.com]
[国際税務サイト http://www.saito555.com]
[相続税・贈与税・事業承継サイト http://www.saito888.com]

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