[ 短編(1-2回もの) ]  

<お知らせ>毎週金曜日の発行を目指していましたが、今週はできませんでした。スミマセン。1日遅れとなりましたが、今回は前編と後編の2回で終わるお話です。男の子の体でありながら、女の子の気持ちを持っているこうすけが主人公です。

前編「カタツムリになりたい!」

 こうすけは、もの静かな男の子。
 ヒーローごっこよりママゴトあそびのほうがすきだし、やきゅうやサッカーでどろだけになるより、いえの中でビーズやあみものをしていたい。
 ほんとうは半ズボンより、スカートをはいてみたい。じっさい、ほっそりしたこうすけのからだには、やきゅうやサッカーのユニホームよりも、花がらのワンピースのほうがずっとにあいそうだった。
 そんなおもいをすべてかくして、男の子として生きていくために、こうすけはいつもわらっていた。
 そうすれば、いじめられずにすむとおもったから。
 そうすれば、だれにも自分のきもちをしられないですむとおもったから。
 そうすれば、生きていくのもたのしくなるとおもったから。
 でも、げんじつはちがっていた。こうすけは、いつもクラスの子たちに「女の子みたい」とからかわれていた。

 ある日、目をさますと、こうすけはカタツムリになっていた。
「どうしてだろう?」
 おもいあたるのは、ゆうべインターネットにかいたことだった。

■なんでもねがいがかなうけいじばん■
「ぼくはカタツムリになりたい。こうすけ」

「ほんとうにねがいがかなったんだ!」
 こうすけはなんだか、ワクワクしてきた。
「さあて、なにをしようかな?」
 ニョロニョロあるいてみた。
 おそくてもきにならなかった。
 からにとじこもってみた。
 だれのこともきにしないでよかった。
 はっぱをたべてみた。
 やさいもおいしくおもえた。
 カタツムリはいいなあ。
 マイペースであるけばいい。
 とじこもっていてもいい。
 たべたいときにたべればいい。
 カタツムリなら、わらえない。なけない。おこれない。
 そして、男も女もくべつがない。
 こうすけはずかんを見てしっていた。
「カタツムリにはオスとメスのちがいがありません。一匹でオスとメスのどちらのはたらきもします」ということを。
 こうすけはそれからずっと、カタツムリになりたいとおもいつづけていた。だから、カタツムリになれてほんとうにうれしかった。

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