長期保有を目的として収益不動産を購入する場合、相続対策は大きく絡んでくる要素だと思います。前回は連年贈与や法人設立によって、長期計画で相続人に財産を移転していくお話をしましたが、今回は購入時に対策を講じることにより、相続税の対象から除外する方法をお伝えします。
既に実践されている方もたくさんおられると思いますし、特異な手段を講じる訳ではありません。簡潔にいうと親と子の連帯債務で物件を購入するということです。住宅を購入する時にはよくあるケースだと思います。
連帯債務について簡単に説明すると
「複数の債務者が一つの債務を連帯して負担すること。債権者は、全部の弁済を受けるまで、債務者の誰に対しても自由に弁済の請求ができるが、一人が全部弁済すれば他の債務者の債務が消滅する。」
ということです。
連帯保証は主たる債務者が返済不能になったときに、連帯保証人に返済の義務が生じるのに対し、連帯債務は複数の債務者の中に主従の関係はなく、全員が返済の義務を負います。例えば、親と子が連帯債務者となって1億円の融資を受けて不動産を購入した場合、1億円を完済するまでは親と子のどちらも1億円を返済する義務を負い、金融機関は親と子のどちらに対しても請求ができます。しかし、どちらかが1億円を返済すればもう一方の返済義務も消滅します。
収益物件を購入するにあたって
親だけの名義で購入した場合
まず不動産から得られる収入に対しては所得税がかかりますが、累進課税ですので所得が大きくなれば税率は大きくなります。相続時には不動産とそれまでに得られた収入による財産が相続税の対象になります。
次に、本来は子の資金を合算しなくても親の資力だけで購入可能にも関わらず、長期保有を目的としているので、いずれは子に相続することを考え、子を連帯債務者にして共有名義で購入した場合
ここでポイントになるのが親と子の登記上の持分割合をいくらにするかですが、例えば持分割合を8:2とすると、不動産から得られる収入は8:2で親と子に分割することになりますので、この時点で子は2割分の所得を得ることになります。親からみれば、所得を分散することで所得税率を下げることが可能になります。
また、相続時には物件の2割は既に子の名義となっていますので相続財産から外れており、8割分に対する相続税で済むことになります。
つまり、本来親の名義だけで購入できる物件でも、共有名義にすることで登記上の持分割合分を不動産購入時に既に相続の対象から外すことができ、また、子は収入が増えるので、資金を増大させ、子自身の資産形成にも繋げることが可能になってきます。
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