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[ 調律の仕事内容 ]

 


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ピアノ調律師の考える時間配分から、サービスの中身を知ろう


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■ ピアノ調律師の考える時間配分から、サービスの中身を知ろう

 


こんにちは。
今回執筆を担当します、【佐々木ピアノ調律所】の佐々木です。


ぼくはピアノ調律師ですが、調律の仕事って、内容がわかりづらいとよくいわれます。

だから、こちらがいくら説明しても、十分理解してもらえないことなんて、しょっちゅうあります。
(>_<)

おそらく、このメールマガジンを読んでいるほとんどの方は、そうおもっているんじゃないかなあ。


調律は、技術だけでなく、ピアノの音色をコントロールするという繊細さと感性・芸術性も必要とされる仕事です。冷蔵庫の故障のように部品交換でハイ終わり!というわけにもいかないからなんですね。

だから、もともとわかりにくい性質の仕事なんです。


だけど、じゃあ、すべての作業を、”芸術的な仕事”だからといって、霧のような神秘のベールにつつんでしまっていいものか。。。

それでは、多くのユーザーさんも、おそらく納得できないでしょう。
1万円といえば、高額です。それに、いっしょうけんめい働いて稼いだお金なんですから、内容を知りたいのも当然だとおもいます。


そこで、きょうは、僕がユーザーさんのお宅にうかがったときに、時間配分をどう考えて仕事をしているのか、具体的にお話したいとおもいます。それによって、仕事の内容のイメージをおおよそつかんでいただきたいとおもうんです。

そうすれば、次に頼む調律師さんの仕事の内容が、グッとつかみやすくなるとおもいますよ。すると、お互いコミュニケーションもよくとれるようになっていきます。

ほら、調律師も人間ですから、コミュニケーションで機嫌をよくした調律師さんは、ピアノの性能をさらにワンランクアップさせてくれるかも。 (^^)

そんないいことがあるんですから、聞かなきゃソン!ですよ。



 

というわけで、さっそくいきましょう。

調律が10何年ぶりという、あるユーザーさん宅でのお話。


その奥様には、女のお子さんがお二人。
上のお子さんが幼稚園の年長で、ピアノをそろそろ習い始めたいとのこと。

でも新しく買うのは大変なので、名古屋の奥様のご実家にあったヤマハのアップライトピアノを運送して、今回、ひさしぶりに調律したいというわけです。
そうなんです。そのピアノ、奥様の実家にずっと置いてあったままでした・・・(けっこう、そういうかわいそうな状態のピアノって多いです。(>_<))

 

奥様は、明るくて、ハキハキものをいう感じの人。 


奥様:

「ホコリだらけのピアノで申し訳ないですねー。これ、ちゃんと使えるようになりますかねー? 昔、私が使ってたのよ。」

「新しいの買おうと思ったんだけど、新品はめっちゃ高いでしょ?親がもってけもってけって、うるさかったんですよー。」


私:

「とりあえず、音が出れば大丈夫ですよ」


倉庫に置いてあったなら、湿気でかなり故障しているかもしれないけど、実家の部屋なら、たぶん大丈夫だろう、とおもいました。

あんのじょう、実際音もでたし、それほどヤバい状態ではなかったのでホッとしました。

 

 

さてさて、次に実際の作業の話になったとき、


奥様:

「それで、時間はどのくらいで終りますか?」


少し見ただけなので、正直「分らない」と最初は思いました。奥様は、ちょっと急いでいる様子。ほんとうは、時間的に余裕をいただけるとうれしいとおもいつつ・・・ 

少し考えたあと、とりあえず、こう答えました。


私:

「えっと、2時間程度ですね」

ぼくは、1回の訪問で、だいたい1時間30分〜2時間くらいの作業時間をとることもあって、そう答えたんです。

 

通常の調律なら1時間もあればバッチリ終わるんですが、このピアノの場合、まず掃除が必要で、調律もピッチ(音の高さ)を上げなくてはならない2重作業でした。

それで、けっきょく、それらの作業時間で、1時間30分もかかってしまったんです。

タッチやアクション調整とかもやってあげたいなぁとはおもいましたが・・・タッチ以前に湿気で鍵盤自体の動きが鈍い。

それの調整で、さらに30分ちょっとかかりました。

これによって、音の高さは元に戻り、タッチも以前と比べて変な抵抗感がなくなりました。

凄く弾き易くなった鍵盤をさわって、奥様もたいへんご満悦の様子。


ですが・・・

こちらとしては、やってあげたい鍵盤調整は次回に持ち越しです。

鍵盤調整をすれば、さらに弾きやすくなるでしょう。
ピアノは、そうやって手をかければかけるほど、それだけ良くなるんですね〜。(^^)

 


ぼくがお宅にうかがって、まず始めに考えること。


限られた時間内でユーザーさんの満足をいかに得るか


そして、これを仕事中、ずっと意識しています。

ですので、最初にお話する時に、必ず、何か気になるところはありますか? と尋ねます。


音ももちろんそうですが、「ペダルから変な音がする」「ここの鍵盤が戻らない」「このキズが気になる」等々の、お客様が”今、気にしている情報”を聞き出し、それを最優先にしながら ”時間配分” を考えていきます。

想定時間より早く終われば掃除もしてあげたいし、タッチも弾き易いよう調整してあげたい。

時間に余裕があれば、気持ちに余裕をもって掃除、調律、調整といったかんじですすめていけます。余裕があるから、仕上がりの良さも多少違ってきます。

上の奥様の例では、最優先課題は掃除と調律(音あわせ)でした。次に優先したのが、鍵盤から湿気を取り除く作業。


最優先課題を見つけ、それを基に時間配分を考える。
そうすることで、ユーザーさんにできるだけ質の高いサービスを提供できるとおもっていますし、喜んでもらえるとおもっています。

 

以上、いかがでしたか?
わかいにくり調律師の仕事が、少しは具体的にイメージできるようになったでしょうか。

もちろん、ここで具体的にお話した作業時間や配分は、あくまでぼくの基準です。ですから、これらが絶対的なスタンダードではありません、念のため。

でも、今後、調律師に仕事を頼むときには、1つの参考例にはなるとおもいます。

こういった理解によって、いいコミュニケーションがとれ、前よりもいいサービスをしてもらえるようになればいいですね。

そうなれば、ぼくもとってもうれしいです。

 



佐々木ピアノ調律所 (千葉県千葉市)

佐々木

 

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●編集後記

こんにちは、編集者の新井です。

きょうは、調律の仕事時間についてでしたね。

たとえば、ピアノ調律の1回の作業時間がふつう1時間30分だとして、同じ値段で3時間作業をしてくれる調律師さんは、ものすご〜く親切で良心的な方ということになりそう。
もちろん、その方の技術うんぬんは、また別の話になりますが。。。

じゃあ、30分で帰っちゃう調律師さんは、

「・・・・・。」

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