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●【21-CeLebの最新情報】第039号(2008.03.30)
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今回は北欧が生んだ、世界映画史上の巨匠といわれる
イングマール・ベルイマン監督のお話です。
ベルイマンは一昨年89歳で他界しました。「ある結婚の風景」は1974年の作品で、遺作となった続編「サラバンド」 は2003年の作品ですから、この間に30年もの歳月が流れていることになりますね。ベルイマンはそのとき85歳。この映画の妻役のリヴ・ウルマンは、同監督の「秋のソナタ」(1978)では娘役を演じている。その母親役はあのイングリッド・バーグマン。娘役ウルマンにいびられる辛い役柄でしたが、これが母国に戻ったバーグマンの最期の作品となりました。
「女たちの世界はわたしの世界だ」と語り、5回の結婚と女優との浮き名を流したベルイマンはどうみても平均的ではないですね。難解な作品のなかで、女性の視点の作品はわかりやすいといわれていますが、その主題は、男女、夫婦、母娘などの葛藤を描くものが多いので、ちょっと疲れることは確かです。
神経質なほど自己を見つめて、相手との接点で生まれてくる葛藤そして亀裂・・・こういう世界を描かせると天下一品ですが、なぜこういう映画を撮ろうとするのでしょうか?
フランソワ・トリュフォーの分析によれば 「ベルイマンの映画は女性に捧げられた映画だ。女たちは男の視点から一方的に見られた存在ではなく、ベルイマンと女たちの完璧な共謀となれあいでとらえられたイメージである。男が型にはまったキャラクターなのに、女たちは無限に彩られていきいきとしている」と。でも、これではベルイマンは単なるフェミニストのように見えてしまう・・。
芸術作品としての評価はよいとしても、ベルイマンがなぜ執拗にこうしたテーマを選択したのだろうか?この説明はなされていないようです。日常の中に潜むタブーを表出したいという気分を生み出す根っこには何があったのだろうか?画家や音楽家が自己の人生の表現手段として、そのときの心情を作品に反映していることはよく知られている。この作品はショパンが失恋した時に生まれたもの・・・とかいわれる類ですね。
ベルイマンは30年の歳月を経て 「ある結婚の風景」 の夫婦を 「サラバンド」で再会させてみた・・・20年間も映画界から離れていて、85歳で 「サラバンド」を撮らざるを得なかった。なぜでしょうか?葛藤、亀裂、崩壊・・そして修復?人生の諦観?
真面目に執拗に 「汝自身を知れ」 に忠実がゆえに、葛藤に陥ってしまう人間という性(さが)を、血の濃い対人関係というシーンのなかで表現する。「サラバンド」はベルイマン自身の人生を気持ちよく締めくくり、説得させるための手段だったように思えてくる。
「ある結婚の風景」→「サラバンド」・・・恋人と一緒には観賞しないほうがよさそう、という評論もあるようですが。
どうしても見たければ (お一人で^o^) → 「サラバンド」(DVD)
(本稿次回に続く)
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