
●【21-CeLebの最新情報】第040号(2008.04.08)
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今回は「ある結婚の風景」の周辺にこだわる第三話です。
「結婚」という言葉は今では当たり前のように使われていますが、明治時代以前には存在していない新しい言葉です。広辞苑によれば 「夫婦間の継続的な性的結合を基礎とした社会的経済的結合で、その間に生まれた子が嫡出子として認められる関係」 とあります。こう言われると、なんか味気ないですねぇ。一種の社会的契約ですから、民法にはいろいろと複雑極まりない取り決めが書かれています。
バブルの頃でしたか、「三高」というのが流行りました。そう、高学歴、高収入、高身長というのが結婚相手として理想の男性像ということでした。最近では様変わりして、低姿勢、低依存、低リスクの三低が人気とか。どういうわけか女性からみた表現に偏っていますが^^。
映画「ある結婚の風景」に出てくる夫は、三高+三低の大部分を満たすような人物ですから、それこそ理想の男性です。ベルイマン監督は、このような理想の男性と才気ある貞淑な女性のカップルを登場させて、一見幸せな結婚生活をこれでもかと演出しておきながら、最後には人生のドン底へつき落としてしまうのです。いったいなぜでしょうか?
セーガン流にいえば、社会的な仕組みとしての結婚は、DNAからみればその存続を保証してくれる仕組みとして好ましいものですが、これでは身も蓋もなくちょっと淋しい・・・ですよね。もう少しカッコよい気の利いた言葉が必要となりそうです。
そう、それが「愛」なのです。そして、これこそがクセモノ。「愛」という名前がちょっと前に流行しましたが、人間の存在そのものに関わる多義的で複雑な言葉といえます。
「*愛」という熟語を数えれば山ほどありますから、ちょっとやそっとでは理解できない小難しい概念なのです。以前紹介した 「未来に生きる」 のなかで、アーノルド・トインビーは人間の存在意義を三つの言葉 「愛と創造と英知」 で表現しています。トインビーはクリスチャンですから、愛はLoveというより博愛っぽいニュアンスでしょうね。創造と英知はいうまでもありませんね。 このインターネットという仕組みもそのたまものです。さてさて、「愛」ですね。難しいですねぇ。昔懐かしい映画 「カサブランカ」 に登場した二人の男性と一人の女性。この三角関係を解消する最後の飛行場シーンに出てくるハンフリー・ボガード。イングリッド・バーグマン(写真)に送る別れの眼差し・・・ぐっと泣けてきます。ボガードさん、カッコ良すぎます。イングリッド、可愛すぎです。
これは稀にみる自己犠牲の愛でしょうね。ベルイマンが描く人物にはちょっと見当たらない。自己中心で甘っちょろい人間関係には、どうしても亀裂から破たんへ導きたくなるのでしょうか。それでもこのままでは終わらせたくない・・・黄昏を迎えてようやく、二人はそれらしい境地へと誘われ、そこに 「サラバンド」 の三拍子の舞曲がたおやかに流れてゆくのです。
(本稿次回に続く)
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